異動人数にみる学校の状況

以前、とある方と話題になったことがあったので、書いてみます。学校あるあるです。

私が現在勤めている学校は、学力が高く、生徒全体が落ち着いて生活している。

前任校のような反社会的な行動は皆無。保護者も教育熱心で、授業参観には平日であってもほとんどの保護者が訪れる。

こういう学校で起こること。いつまでもその学校にいたいという人が増えるということだ。

要は問題がほとんど起こらないため、余裕を持って仕事できる。生徒も理解力が高いので、自分の言うことを聞いて行動してくれる。居心地がいい。できるだけ長くその環境にいたいと思う。

もちろん荒れている学校よりも働きやすいのは当然なのだが、その環境に甘えて「現状維持」を望む教員が増えるのだ。

子供たちが成長するために必要な仕掛けを考えたり、ルールを変えて改革しようとしたりする動きがなくなる。行事も前例踏襲で進めていき、とにかく平穏に過ごすことしか考えない。

そして転入職員にもそういう考えを持つ人が増えるという悪循環が起こる。

逆に荒れている学校は異動希望を出す教員が増える。赴任して間がなくても、現状に耐えられず転出していく。

誤解のないように言っておくと、療休に入る方や鬱病などを患った方は除きます。

反社会的な行動に向かっていくのは本当に大変でエネルギーを要する。辛いことも多い。だから異動したくなる気持ちもわかる。

ここで言っているのは、健康状態に問題なく、子供の成長のためにチャレンジする精神がない教員のことである。

多いところで30人以上異動していく。一つの学校から一度にこんな多くの人数が異動していくことは本来あり得ない。

そういう教員が荒れていない学校に行く。

そこに落ち着くとまた現状維持の始まりというわけだ。

自分自身もまだこの学校で働いて2年目なので、はっきりしたことは言えないが、この状況が続けば間違いなく破綻する。

現状維持しか考えていないと現状維持もできない。退行しているといっていい。

さらなる発展、成長を促すために必要なことを考えて実行していかないと、子供たちに何も残らなくなる。

じゃあどこでその成長を促す工夫をしていく必要があるのか。

何でもかんでも手を出していくと、本末転倒で本当に大事なことを見失う。

一番大切なのはやはり学級経営と授業だろう。

生徒の理解力が高く、落ち着いて授業ができる状態であるなら、より主体的に学べる方法や課題解決能力を高める内容にしていかなければならない。

さらに発展していけるならば、生徒会を中心に現行のルールについてどう思うか考えさせ、教員に提案するところまでいきたい。

言われることだけでなく、生徒に当事者意識が芽生える。学校は自分たちで創り、自分たちで変えていくんだ。

そんな気持ちが生徒から溢れ出てきたら、魅力的な学校を作れる気がする。

ポイントとなるのは生徒の要望を教員は一度受け入れる体制。

生徒が求めることを全て一蹴してしまうと、生徒からは何も意見が出ず、教員から言われたことだけをただこなせばいいという思考に陥る。

この思考のまま卒業したらどうなるのか。

未来の日本を担う子供たちが、前例踏襲と現状維持を望み、自分からは何も発信しない人間になっていく。

その思考がまた次の世代に受け継がれていく。

これじゃ何も変わらない。自分自身の力で状況打破し、未来を切り開いていく力は、教員の言うことだけを聞いていては身につかないのだ。

その一端を担う者として、生徒の自立と自律を引き出すための具体的な取り組みを学級と授業で実践していきたい。また、教員との関わりも増やしていきたいと思う。

今考えているのは

・働き方改革の研修の講師をする

・部活動最終下校時刻短縮の提案→子供にとっても教員にとっても余裕が生まれる。

・体育祭プログラムの変更→生徒と相談

・修学旅行グループを生徒に一任→みんなが幸せに楽しく修学旅行を送ることを考える

・学年道徳→生徒指導上、何か問題があったときに、似たようなテーマを学年集会で提示してグループで考える。グループは他クラスの人と組む。話し合い後意見を発表。
教員から一方的に指導され終わりではなく、当事者意識をもち、自分の考えを伝えることが大事。

もちろんコロナの影響ですぐにできないこともあると思いますが。

次も思いついたテーマで書いていきます。ありがとうございました。



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