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【投機の流儀 セレクション】株は「将来の期待を買い」「将来の不安を売る」ものだが、「実証を伴う現状の実勢」に惑わされる

日銀は10月31日の金融政策決定会合で、金融緩和の現状維持を決めた。
2%の物価目標達成が遅れ、金融緩和は長期化する方向である。
日銀は7月の決定会合で副作用に配慮して長期金利の上振れを容認するような政策を調整した。
緩和の効果と副作用を両方とも見ながら政策の方向性を慎重に判断していく。
故に日銀の決定会合は市場に対しては無風状態となる。
日銀は現状を追認して「総じてみれば着実な成長を続けている」と言うが、これは現状の追認である。
株は「現状」を買うのではなく「将来の期待」を買い「将来の不安」を売る。
当たり前のことだが、これをうっかり忘れると「現実という実勢」が目の前にあり、これは実証されていることであるから投資家心理を強く動かされる。
この「現状」に強く動かされることによって売りも買いも大きく間違うことになるのだ。
株は現状を売り買いするものではない。
将来の希望を買い将来の不安を売るのだ。
当たり前のことであるが、実証を伴う現状の強さに惑わされないようにしたい。

【今週号の目次】
(1)直近の動向
(2)今週火曜日に迫った米中間選挙
(3)中国株の動向
(4)ヘッジファンド、10月の運用成績
(5)10月は1ヶ月の下落幅としては10年ぶり
(6)10月末の2日間は770円高は国内公的年金基金のバランス保持のための買いと割安感で動いた海外勢の買いだった
(7)目先の市況を子細に見れば……
(8)株は現状を売り買いするものではない。株は「将来の期待を買い」「将来の不安を売るものである」が、「実証を伴う現状の実勢」に惑わされがちだ
(9)再三述べるように、どんな下げ相場にも必ず中間反騰はある(トレンド変化して下降相場に向かうとしても、である)。29日は内部要因の諸指標によれば、いつ反発してもおかしくはない所に居た
(10)精緻なミクロ分析はマクロ大局を掴むに如かず
(11)日本株に対する海外勢の見方、要約(日経新聞10月31日号)
・積極派2人
・慎重派2人
(12)一時、下値が見えない状況に19,000円のプットが急増した
(13)10月の荒れ相場で個人投資家はどう動いたか?
(14)目先強弱感の対立するところ
・強気派
・慎重派
(15)株は期待先行で買われ、不安先行で売られ、現実の実勢はその後から株価を追認する形でついてくる
(16)「噂で買って事実で売れ」“Buy on rumor. Sell on fact.”
(17)TPP、12月30日効決まり――小異を捨てて大同を取るべしと言いたい
(18)宇都宮のKさんとの「東電株について」の交信(11月2日)
(19)古くからの読者・大阪のNさんとの交信(10月29日、夜)

【来週以降に掲載予定の項目】
○TPP発行に鑑みて
なぜ大国は衰退するのか――一言で要約すれば「戦争に負けたからではない。経済力の衰退が主因だ」

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。

デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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