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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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#お金について考える

【投機の流儀 セレクション】ジム・ロジャースからの返信「私が唯一懸念しているのは、中国人が土地を買い占めてしまうことです」

ジム・ロジャーズへの私の質問2題に対して、彼からの返信があったので掲載 【今週号の目次】 第1部;当面の市況 (1)日経平均、37000円台に乗せたが・・・ (2)この「乱流」の中を如何に行動したか──「裏の裏は表」だ。 (3)日銀、緩和出口への市場との対話   (4)株高は海外勢が支え、月間の買い越し額は歴代7番目 (5)これ以上の上値を追うには、これ以上の材料がなければならない。 (6)今の株価レベルは自社株買いの効果も出ている。 (7)信用買い越し、2ヶ月ぶりの信用買

【投機の流儀 セレクション】「バーナンキショック」とか「バフェット効果」というが、或る著名人の発言で大相場が生まれるということはない。

年初から1ヶ月弱で、上昇幅は3000円幅を超えた。この調子で行ったら、年末には6万円を超えてしまうことになる。本稿が昨年から述べている「5年内で6万円」の比ではない。 しかし「年末には6万円を超えてしまう」なんてことはないし、またあってはならない。 去年の3月の東証の企業経営改善要請に加えて、その直後にW・バフェット氏が来日して、商社株の買い増しを発表し、そこで火がついた形になっていたので、これを「バフェット効果」などと呼ぶ筋もあるが、冷静に考えれば著名人の発言によって大相

【投機の流儀 セレクション】首相の愚策──英国政権の愚策を学んでいなかった? 標榜する政策を力強く説明できてない

国の一般会計の税収が昨年度の71兆円を超えて、過去最高を更新した。これを背景に、この税収増を「国民に還元する」という言い分で所得税減税を掲げた。そして、その本意は「デフレからの完全脱却を成し遂げるため」と謳った。この謳い方はなかなかいい。 ところが、やったこと自体は人をバカにした愚策であり、もうちょっと褒めた言い方で言えば歴史に学んでいなかった。経済対策ではなく、選挙対策だと見透かされるがオチだ。このぐらいのイロハのイが分からなかったのだろうか? 現にイギリスのトラス政権は

【投機の流儀 セレクション】日経平均では語れない相場

先週は日経平均だけで見れば、5日(火)は455円安、翌日6日(水)は649円高、その翌日7日(木)は583円安、8日(金)は550円安、というふうに400円〜600円幅の上げ下げを交互に生じて、激動のあとで8日(金)メジャーSQ日を迎えた。 もっとも日経平均では語れない市況になっている。東電(9501)などは水木の二日で日経平均が1200円下がる中、125円幅を上昇した(売買高から見ても、少々ハシャギすぎのように見える)。先々週の本稿で東電のことを述べたが、その頃の東電は6

【投機の流儀 セレクション】「中国の日本化」について

明治大学教授加藤徹氏は「中国人は日本人とそっくりになる」という見方に対して「いい意味では使われておらず、あまり同意できない。但し、中国の若者は日本の若者と気質が似通ってきている」と述べている(月刊「選択」11月号)。 筆者の勤めている大学でも、大学院まで進む学生はほとんどが中国人である。しかも富裕層から来ている。日本で言えば、東工大のような名門校からも来ている。彼らは余裕があり、満たされている。かつての中国の若者は「自分は五分五分の確率で、政治運動で死ぬ」とか「富豪や高官に

【投機の流儀 セレクション】森羅万象の全てが株式市場に影響を及ぼす

77年に高い興行実績を収めた、あの単純明快な映画「ロッキー」も当時「病める大国アメリカはどこへ行く」と言われている最中に、ラストシーンで、主人公が傷だらけになって半分意識を失ってもリングに倒れ伏すことなくファイティングポーズをとり続けていた、これは当時20年間の株式長期低迷時代の終盤近くであったが、私は、あのリングにファイティングポーズをとって立ち続ける主人公の姿こそ、アメリカは復活するということを象徴する社会現象だと見ました。 また、“Death of Equities”「

【投機の流儀 セレクション】年金制度の将来について

この標題の件については読者の概ねの方はご関心あるであろう。そこで筆者が数年前に本稿で「年金は破綻していない」「将来不安もない」と書いたこともあるしそれをテーマに講演をしたこともある。 その筆者の思うところを要約したい。 年金の将来不安は、端的に言えば、民主党が政権奪取のためのセールストークとして使ったのだ。民主党は、04年の年金改革の頃から年金不安を煽り、年金は必ず破綻すると主張し続けた。国民の不安を煽って政権奪取する方法はヒトラーがやった方法であり、扇動的民衆指導者の典型で

【投機の流儀 セレクション】消費増税は再々延期する、その客観的な理由

民間予測では4~6月期のGDPはマイナス成長となる見込みが大きい。以前は四半期別GDPが3回続けてマイナスになった場合は景気は後退局面に来たと定義された。旧経済企画庁が内閣府に統合されてからは客観的判断が曖昧になった。 1~3月のGDPは市場予測がマイナスだったのに対して実際プラスだったが、これは既報で述べた通り内容が実に悪い。 個人消費と設備投資というGDPの二本柱はマイナスであり政府が意図的に操作できる財政出動でプラスにして、輸出は「輸入が大幅マイナスだったから輸出がプ

【投機の流儀 セレクション】株価は景気に先行する。その景気は6年ぶりに「悪化」して「後退局面」に入ることがほぼ確実視された

13日に内閣経済社会総合研究所(旧経済企画庁)が発表した景気動向指数29系列の経済指標から加工統計した客観的な数値(★註)が「悪化」となると景気後退局面に入る可能性が高い。 商流・物流を巡る米中対立が深まれば→円高→株安→資産価格の下落が消費を減らす→GDPの6割を占める消費はGDPを減らす→景気後退、と言う経路をたどる可能性が強い。去年の10月2日を、老年期相場の大天井としてそれ以降約5,500円下がってそこから約3,000円上がったが、本稿では当初からこれを中間反騰だと見

【投機の流儀 セレクション】日本の株価の長期的な相対的位置付けと令和時代の再興の可能性

平成時代の30年間を遡ると日本の投資家は毎年▼1.4%ずつ株式資産を減らし、30年間で約3分の1を失った勘定になる。平成元年の大納会で日経平均株価を買って持続したら平成末年の終値では▼43%となる。平成は斯くて終わった。 ところが、直近の10年間を見れば(発射台がリーマンショックの大底だったということもあるが)、年間平均+9.7%を10年間続けたことになり大いに順調だったと言える。安倍政権が集票の大きな資産としているのはこれであろう。現に、株式投資家だけでなく、年金を受ける