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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2023年12月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】「地殻変動」の芽吹きか?─預金に安住してきた日本の個人マネーが、投資に目覚め始めた。物価上昇は投資利回りの追求を促す。バブル経済崩壊後の低迷相場を知らない若い世代の投資家も増えてきた

標題として掲載したこの文言は、日経新聞紙12月18日号の13面「個人投資家に芽吹く『順張り投資』」の記事の書き出しの文言である。副題が「世代交代で変わる意識」とある。 筆者が常々言ってきたところの「個人金融資産の地殻変動」の兆候かもしれない。なにしろ、日本は2100兆円の個人金融資産を持っている類まれな国である。しかも、先進国でただ一国だけだというのは、そのうちの1100兆円が現預金であって、その現預金のうちの証券類に向いているのはわずか14〜15%である。アメリカは50%

【投機の流儀 セレクション】首相の愚策──英国政権の愚策を学んでいなかった? 標榜する政策を力強く説明できてない

国の一般会計の税収が昨年度の71兆円を超えて、過去最高を更新した。これを背景に、この税収増を「国民に還元する」という言い分で所得税減税を掲げた。そして、その本意は「デフレからの完全脱却を成し遂げるため」と謳った。この謳い方はなかなかいい。 ところが、やったこと自体は人をバカにした愚策であり、もうちょっと褒めた言い方で言えば歴史に学んでいなかった。経済対策ではなく、選挙対策だと見透かされるがオチだ。このぐらいのイロハのイが分からなかったのだろうか? 現にイギリスのトラス政権は

【投機の流儀 セレクション】日経平均では語れない相場

先週は日経平均だけで見れば、5日(火)は455円安、翌日6日(水)は649円高、その翌日7日(木)は583円安、8日(金)は550円安、というふうに400円〜600円幅の上げ下げを交互に生じて、激動のあとで8日(金)メジャーSQ日を迎えた。 もっとも日経平均では語れない市況になっている。東電(9501)などは水木の二日で日経平均が1200円下がる中、125円幅を上昇した(売買高から見ても、少々ハシャギすぎのように見える)。先々週の本稿で東電のことを述べたが、その頃の東電は6

【投機の流儀 セレクション】「解散風、のち不発」の迷走

この迷走は6月と今回で二度目だ。「解散できない首相」と言われるようになった。衆議院の解散権は首相の伝家の宝刀である。 伝家の宝刀の使い方は以下のような例がある。 7年8ヶ月の長期在任した佐藤栄作元首相だが、その間に「第二の昭和恐慌」と言われた「昭和40年不況」を戦後初の赤字財政で乗り切り、戦後最長の「いざなぎ景気」を作出した。その後、彼はこういった。これは政界の常套語になったような気がする。「首相の権力は内閣改造をやるほど下がり、衆議院解散をやるほど上がる」というのである。