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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
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2023年10月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】特殊な基準を恣意的に採って、日本を卑下することはやめたい。そこからは何も生まれない

JPモルガンが若い時に父親に説教されたと話しを思い出す。この話しは本稿でも述べたことがあるし、拙著でも書いたことがある。「この国で成功したいと思うならば、この国の将来を明るいものと見なければならない」というのである。 以下に紹介するのは田中泰輔氏の言う例えである。「強力な筋肉増強剤を用いて、偶然も左右して、突飛な新記録を出した、その記録を基準にして後々の健康状態を、老衰した、弱体化した、あの時の自分は凄かったが今はダメだと言っているようなものだ」という言い分である。良い例え

【投機の流儀 セレクション】価値ある情報は、ヒトが持ってくるケースが多い

具体的な例で言えば、個人的な体験からの引用で恐縮だが、2006年夏(リーマンショックの2年前)に「アメリカ発のサブプライムローン債券は極めていかがわしい点がある」と筆者が聞いたのは、アメリカ通の友人(元証券マンでアメリカに長かった人)からである。しかも、これは07年8月に仏パリバがサブプライムローンの崩壊によって破綻に瀕して、それが翌年にリーマンショックの淵源になった1年前である。 したがって、筆者は小泉郵政改革相場の真っ最中の佳境に入っている06年〜07年にかけて、保有株

【投機の流儀 セレクション】自分の流儀に固執するのも良くないが、コロコロと変えるのは余計に良くない

中間反騰は銘柄が入れ替わらずに今までの銘柄のリバウンドである場合が多いが、今回の場合の3日で1500円上がった状態においては、銘柄が入れ替わった感じがする。低PBR・高PERの銘柄が下がり、半導体などの復活が目立った。 これは米金利低下と成長株の買いが中心だった。グロース株を中心に投資家の買いが集まり、従来の低PBRバリュー株が安かった。その代表が海運株や日本製鉄(5401)や銀行株だった。半導体等に注目が集まり、レーザーテック(6920)が大幅に上がって、9月の年初来高値

【投機の流儀 セレクション】日本株のクラッシュはあるか?

ないと思う。2年4ヶ月保ち合った大保合の中心点(概ね27500円)から一挙に6000円上がったのだから、それが3000円下がっても、黄金分割比で62%下がっても、たいした問題ではない。よく「半値押しは全値押し」などと言われるが、これも迷信のようなものだ。  個々の銘柄で見ても、日経平均で試してみても、過去を見れば判る。「半値押しは全値押し」は当てにならない。 最も端的なのは1965年4月に1020円から始まって、2.5倍になった「いざなぎ景気」の前半の相場の時にも66年10

【投機の流儀 セレクション】米中の覇権争いにおいて、米国の最終目的は中国のJapanification(日本化)である

これは恩田達紀著「米中冷戦がもたらす経営の新常識15選」(日経BP、2023年刊)の言い分である。言うまでもないことだが、かつて米国は日本を意図的に弱体化させ、お人好しの日本はそれにみすみすとその策略に乗っかってしまった。 まずは貿易戦争を仕掛けた。いわゆる貿易摩擦、日本に迫る構造改革であった。そして、1985年に超円高を誘導するために仕組んだプラザ合意である。その時の円ドル相場は240〜250円だったが、10年後には79円になった。そのプラザ合意の席上には日本もいたが、人