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【投機の流儀 セレクション】自分の流儀に固執するのも良くないが、コロコロと変えるのは余計に良くない

中間反騰は銘柄が入れ替わらずに今までの銘柄のリバウンドである場合が多いが、今回の場合の3日で1500円上がった状態においては、銘柄が入れ替わった感じがする。低PBR・高PERの銘柄が下がり、半導体などの復活が目立った。

これは米金利低下と成長株の買いが中心だった。グロース株を中心に投資家の買いが集まり、従来の低PBRバリュー株が安かった。その代表が海運株や日本製鉄(5401)や銀行株だった。半導体等に注目が集まり、レーザーテック(6920)が大幅に上がって、9月の年初来高値を更新したりしたのは今回の特徴だった。そうすると、今度は中間反騰ではなくて、新たな大相場が始まったのかという見方もないことはない。しかし、これはまだ慌てて決めない方がいい。そうなると、今すぐに買わなければならなくなるが、そういうものでもない。

細かく見れば、東京電力の反発で約100円上がり、そういう状態も起きている。したがって、銘柄によってまちまちである。全く銘柄が変わってしまったというほどでもない。しかも、信用取引の含み損が悪化し、マイナス10%下回った。こういう状態はあまりない。7週間ぶりである。

信用取引で買った株式の含み損益の度合がマイナス10%を下回るのは、8月半ば以来で7週間ぶりである(QUICKの評価率損益の計算)。先週は長期金利の高止まりの警戒などから、半導体を始めとする幅広い銘柄が売られた。年初から上昇傾向にあったバリュー株・銀行株・海運株・日本製鉄などにも利益確定の売りが出て、下がった。そして、長期金利の落ち着きから半導体銘柄の株価が堅調だった。ここで銘柄が入れ替わるから、投資家は振り回されやすい。

短期に振り回されないことが、一つの賢明な投資家の特色であろう。最も投資家といっても、人にはそれぞれの流儀がある。自分の流儀はあまりコロコロ変えない方が賢明であろう。自分の流儀に固執するのも良くないが、コロコロと変えるのは余計に良くない。

【 今週号の目次 】
第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)株式変動要因は、金利が最多
(3)当面の市況の見方として
(4)自分の流儀に固執するのも良くないが、コロコロと変えるのは余計に良くない

第2部;中長期の見方
(1)「運用後進国、返上なるか」
(2)運用立国の後進性を構成する要素
(3)「貯蓄から投資へ」を動かす好機
(4)「日経平均は5年内に6万円」
(5)政府が示した「新しい政策」
(6)景気の先行き判断─明るい数値、字に潜む死角
(7)伝説のFRB議長が語る、中央銀行総裁のコツ
(8)半導体戦略、逆襲へのシナリオ
(9)外需株に比して内需株の好調
(10)習近平の失政でJapanification(日本化)する中国経済
─「中国は日本よりも悪い状態に陥るだろう」(クルーグマン)
(11)超長期に見た、新たな国策銘柄─排出量取引制度の日本の現状
(12)話しの屑籠

第3部;30年後に残るのは、日本地図上で本州だけになる。
(1)実体は、こうである。
(2)日本が移民をタブー視している契機
(3)既に、移民政策は静かに始まっている。
(4)日本で居住権を取りたいなら、これを守れと指示する。

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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