マガジンのカバー画像

投機の流儀 セレクション

306
メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】円の実力は過去最低

国際決済銀行BISが21日(木)に発表。実質実効為替レートにおいて2020年を100とすると、現在は73となり、過去最低になった。これまでの過去最低は1970年8月の73.45であり、53年ぶりにそれを下回ったという。 その1970年8月という月はどういう月かと言えば、かの「伝説のFRB議長」と言われたポール・ボルカ─の指導のもとに戦後26年間360円で続けてきた固定為替制度を一気に廃止して、円ドル相場を市場で決めるようにしようといきなり言い出した、1971年8月15日のニ

【投機の流儀 セレクション】中国の「日本化」と聡明だった60年代の日本

この言葉は、しばらく前からの流行語のようになった。中国は、日本が「失われた20年」をたどってきた道と似たような現象をたどっているからだ。一点違うのは、中国は官製の不動産不況だ。ここがタチの悪いところだ。中国もバブル崩壊後の日本と同様、長期低迷する。必ずそうなる。類似点は多い。「失われた20年」の日本は大先輩である。したがって、何がどうなるかは目に見えている。 野村総研のリチャード・クー氏は「失われた13年」(1990年〜2003年)の不良債権不況の前に、ブッシュがつくった貸

【投機の流儀 セレクション】処理水を巡る中国の嫌がらせに対して

経産省はもっと早く対処すべきだった。国民のアンケートなど、音声電話が総務省からよく来る。それを中国から嫌がらせ電話に対して、片っ端からそれで対応させれば良かったのだ。 「あなた方はご存じないと思うが、日本は国際基準よりも高い安全基準で処理水を処理しています。中国は日本の10倍以上の基準の処理水を日本よりも大量に流しています。冷静に考えて下さい。日本はあなたの国よりも何十倍も安全な基準にしたものを流しているのです」というようなことを1分半で約150回と嫌がらせ電話に対して、片っ

【投機の流儀 セレクション】高度成長期の終末から終了直後の「一億総中流」という「みんな一緒幻想」が流行った。アメリカはその成功に図に乗って、多くの誤りを地球上で犯してきた。

世間では、これを揶揄して批判的に使っていた。しかし、筆者は当時から「我も彼も皆平等だ」という思いはたとえ幻想にしても、戦後民主主義下で発展した日本経済の成長の輝かしい成果であると思っていた。 ところが、「一億」と付くと概ね良い意味では使われてこなかった歴史が日本にはある。戦時中の「一億火の玉」「一億玉砕」、敗戦の日の玉音放送に対してNHKのアナウンサーが「一億等しく感涙致しました」と言ったりしたことなどである。 筆者は当時小学校2年で「一億等しく感涙〜」という言葉が判らなか