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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2023年7月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】「夏枯れ相場」の中を動いている

7月半ばの相場は中間反落の中の整理調整相場であったが、所謂「夏枯れ相場」の様相が強まった。二つの要因がそれをもたらした。 1:一つ目は「半導体株の総崩れ」である。 このきっかけをつくったのは世界大手の半導体企業であるTSMC(台湾積体電路製造)の業績予想の下方修正であった。半導体株の総崩れはアドバンテスト(6857)・東京エレクトロン(8035)が6%安、SUMCO(3436)が3%、信越化学(4063)が2%安となり、昨年10月上場の人気株ソシオネクスト(6526)は富士

【投機の流儀 セレクション】日本の「稼ぐ力」は衰えていない

日本国全体の稼ぐ力のことを考えたい。2022年度の経常収支は9.2兆円の黒字で、前年度に比べて54%減少した。それは日本の国際的な稼ぐ力が衰えていることを示すものだという指摘がある。 ところが、筆者はたいした問題ではないと考えている。国際収支の受け取り額は179兆円で前年度より20%以上増えている。一方、支払額が170兆円で、前年度よりも32兆円増えた。つまり、稼ぐ力は20%以上強くなったのだが、使う方がより強く発揮されたので差し引きの黒字が減り、経常収支が赤字ということに

【投機の流儀 セレクション】日経平均4万円超えの説も一理ある

筆者の所属している景気循環準学会の客観的なデータによれば、中長期の景気循環から日本株の上昇が長期に渡る可能性を指摘できる(当学会において株価予想はしないし、本質的に関係はないが、株価は景気に先行するからその景気の動向は大いに重要である)。 今の日本株の上昇は、 1:PER・PBR・利回りなどの客観的指数から見て、日本株は欧米先進国に比べて割安感があること。 2:東証による上場企業に対する企業価値改善への要請に対する対応が動いていること。 3:それを見ての海外投資家の大幅な買

【投機の流儀 セレクション】待ち受けていた「調整」に入ると、「下値限界」はどこかが騒がしくなる。

今年は大発会1月4日が、今のところ今年最安値(25716円)であり、7月初旬がいまのところ今年度最高値(33753円)であるが、これは6月19日の高値と正確に「ツラ合わせ」であり、このまま弱含めば、一旦はダブルトップを形成する。 アメリカの独立記念日含めて、米国休場のここ一両日が日本市場の相場の強さが試される時となるだろう。状況次第では6月19日と7月6日の高値をもって、一旦はダブルトップを形成した。 今のうちにお伝えしておきたい。 調整(下げ相場か)に入ると、下値限界を

【投機の流儀 セレクション】1.国策に逆らうな、国策には乗れ。2.東証の意向は軽んずるな。

1番目は株式投資の常道であり定石であるが、2番目は従来軽んじられてきた。東証の改革案は必ずしも前向きには捉えなかった。ところが、今回の「PBR1倍割れの企業は何とかせよ」は効いた。  一例を挙げれば、巨体トヨタ(7203)がPBR1倍を果たしたし、マイナーな銘柄の三菱製紙(3864)はPBRが0.2倍だったが、株価は280円の地相場が短期間で2倍を超えた。経産省のROE重視の姿勢と軌を一にするものだ。 ROEはPL損益計算書とBS貸借対照表との両面を含むから、最も重要では