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【投機の流儀 セレクション】「夏枯れ相場」の中を動いている

7月半ばの相場は中間反落の中の整理調整相場であったが、所謂「夏枯れ相場」の様相が強まった。二つの要因がそれをもたらした。

1:一つ目は「半導体株の総崩れ」である。
このきっかけをつくったのは世界大手の半導体企業であるTSMC(台湾積体電路製造)の業績予想の下方修正であった。半導体株の総崩れはアドバンテスト(6857)・東京エレクトロン(8035)が6%安、SUMCO(3436)が3%、信越化学(4063)が2%安となり、昨年10月上場の人気株ソシオネクスト(6526)は富士通など大株主からの株式売り出しを発表した5日のストップ安以後の安値を連日で更新した。日経平均の下落は半導体関連が総崩れになったところから始まった。

2:もう一つは「需給関係」である。
毎年この時期になると、ETFの分配金の捻出が目的と見られる先物売りが信託銀行から出てくる。市場はそれを承知している。信託銀行は7月第2週に1.16兆円を売り越した。
2014年以降で最大となった。配当金を含む週で、その分配金捻出に関連した売買が影響したと言われる。一方、海外投資家は8800億円の買い越しとなった。買い越しは2週間連続した。海外投資家は上値を買う方法は普通はやらないが、信託銀行からの売りがあったので買ったという程度だ。

【今週号の目次】

■ 第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)岐路に立っている日銀
(3)直近の日銀の経緯
(4)海外投資家が日本株を買う理由
(5)「メガトレンド」が変わる
(6)労働需給の逼迫→賃金上昇→インフレマインドが醸成の経路
(7)時価総額で見れば、こうなる。
(8)「夏枯れ相場」の中を動いている

■ 第2部;中長期の見方
(1)日本の「静かなる『有事』」
(2)デフレマインドからインフレマインドへと移行させる。
(3)NISAの充実延長は、NY株30倍の底力になった401k法に似ている。
(4)日経平均5年後のアンケート
(5)中国の「バランスシート不況」
(6)ウクライナ侵攻は長引く─たいていは本土を攻められた国が勝っている。
(7)米中切り離し論(デカップリング)反対の機運高まる。
(8)米国株は、本当に強気相場に入ったのか?
(9)ESGは静かに消えて行くか?                
(10)経済学に初めて「ヒト」が登場した。起業家であり、経営者である。彼らが経済を発展させる(シュムペーター説)。アベノミクス「第3の矢」はこれを期待したが、不発だった。今から出る可能性がある。

■ 第3部;僭越ながら一言
「世界に悲観の資本主義はない」
「厭世家の投資家はいない」
ここに述べたいことは常に筆者が意識していることであるから、セミナーでも動画でも本稿でも拙著でも、同様なことを反復述べていると思う。クドイと思われたら削除されたい。

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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