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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2023年3月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】景気の「後退期」に入ったならば、株は買い始める準備をしなければならないだろう。

昨年10月〜12月のGDPが発表になった(3月9日 内閣府)。速報値はプラス0.2%だったが、プラス0.0%に修正、ほぼ横ばい。昨年7月〜9月の成長率マイナス0.3%に続く横ばい。 昨年7月〜9月はマイナス0.3%に続いて日本経済の回復が弱い。底堅いとされていた個人消費も横ばい。民間投資はプラス0.1%に減速、民間部門に息切れ感が出た感じとされる。ただ、2月の景気ウォッチャー調査では値上げを警戒するコメントが多い中で、現状判断と先行判断はともに上昇し、判断基準の50を上回っ

【投機の流儀 セレクション】欧米、特に米国の金融市場対策は、いつでもやることが早い

ECB(欧州中央銀行)は3回連続で0.5%の大幅利上げを決めた。スイスの金融大手であるクレディ・スイス・グループの経営不安などが高まっているが、ECBはインフレ抑制を優先させた。金融システムの安定と対インフレ圧力の両面をECBは考えなければならない難局に差し掛かっている。 また「必要に応じて流動性支援を提供する」とも説明した。利上げと逆行する動きではあるが、クレディ・スイスの経営不安に対する急遽の対応策である。 米シリコンバレー銀行の破綻もECBの政策決定は初めてのことだ。

【投機の流儀 セレクション】日本の衰退の一部に知的後退、論文数の激減

本稿では、この30年間の日本の衰退ばかり述べてきたのでお読みになる方々も、筆者もうんざりしているが、既報で論文数の激減ということを少し述べたことがある。これについて付言する。 世界で注目されるような論文が国別順位で言うと、30年前には世界3位、2000年には世界4位だったが、今は12位になった。先端科学研究の国際ネットワークから日本が無視され始めていると言うのは東京大学の相田卓三教授である(日経新聞3月5日号)。 一方、日本では博士号保有者の活用も低い。政府は巻き返しに向

【投機の流儀 セレクション】「2023年、目覚めよ『万年割安株』」

これは古い話だが、日経新聞12月31日号の証券欄「スクランブル」の大見出しの文言である。 昨年は2万6094円で終え、年足としては4年ぶりに陰線を形成した。経済の相対的な安定感から、海外勢の間で日本株優位の期待が年末年始にあった。「万年割安株で放置されてきた銘柄の資産効率の改善が起爆剤になり得る」というような文言であった。昨今のグロース株に勝るバリュー株の活躍や、先々週に活発になった低PBR株の大幅上昇などはその一例であろう。三菱系に一社しかない三菱製紙がPBR0.2倍、つま