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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2022年8月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】今のインフレは日銀が目標としてきたものと違う

「今の物価上昇は賃金の上昇を伴っておらず、本来目指している形ではない」と日銀が言っている。日銀が言わなくても事実を見れば一目瞭然である。物価高による苦境は企業にとって個人よりも大きく現れている。 消費者物価指数よりもさらに高い伸びとなっているのは企業物価指数である。企業物価指数は昨年1月からプラスに転じ、今年7月には+10%まで行き、8月中旬現在で+8.6%ぐらいである(前年比)。それに対して消費者物価指数は昨年半ばぐらいからプラスに転じ、現在は+2.4%となっている。したが

【投機の流儀 セレクション】日米株式に楽観ムード。この背景の危うさ

世界的に株価が反発し、日本では7ヶ月ぶりに2万9,000円台を回復した。 アメリカでの消費者物価がピークアウトしたとか、米国の利上げベースは鈍化するという期待が強まっている。FRB高官はこの期待感に対してブレーキをかけるような発言もしている。今の株式市場の楽観には危うさが伴う。持続性に疑問も伴う。但し、ジョン・テンプルトンが言ったように、株価は悲観の中で生まれて疑惑の中で育つ。これは少し上がると利食いして売ってしまうから上値が軽くなる。そして、少し上がると疑惑の中で空売りが入

【投機の流儀 セレクション】8月の金融市場はショックが起きやすい

大幅高の日に不吉なことを云うようで恐縮だが、8月の金融市場はショックが起きやすい。「偶然の8月」であって、そこに必然的な季節性はない。 1998年の「ロシア危機」、2007年の「サブプライム・バブル破綻危機」(これが翌年のリーマンショックを生んだ)、 2011年の米国債格下げショック、2015年の人民元ショック、古い話しでは1971年8月のニクソンショック(戦後続いていた固定為替制度をいきなり変動為替相場制に転換して金兌換を停止した)、等々8月には海外発の金融ショックを受けや

【投機の流儀 セレクション】長期投資への絶好の買い場をつかむつもりで市場に対峙していよう

2009年春のリーマンショック(日経平均7,000円割れ)とか、2020年3月の仮称コロナショック(日経平均1万6,400円割れ)などのような事件性の大底を狙ってはいけないと思う。ああいうことは10年に一度だ。 ウクライナ侵攻を淵源とするエネルギーや食料のインフレ、新型コロナ禍、米景気後退を覚悟してまでもインフレ抑制のための金利上げなどは既に事件性のものではなく、市場参加者全員が承知の上のことである。 今後我々が見るべきものは景気循環の上で言うところの「景気の谷」の寸前の「