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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2022年3月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】ウクライナ侵攻でロシア軍が苦戦する理由

約2世紀前、プロイセンの名将クラウゼヴィッツは畢生の名著「戦争論」で「戦争とは外交以外の手腕で遂行する政治の延長である」と定義した。 プーチンのウクライナ侵攻はプーチンの政治家としての意志を外交以外の手段で(軍事力という暴力手段で)遂行しようとする行為であり、そしてクラウゼヴィッツはまた「戦争とは意志と意志との戦いだ」とも言った。プーチンは自分の政治観の意志を通すつもりの行動だがウクライナ側の意志も強固である。 ロシアの経済力は中規模国家のレベルで、製造業の生産はドイツの半分

【投機の流儀 セレクション】ウクライナの士気と西側諸国の経済制裁の強さとを読み間違えたプーチンだが、終始一貫して合理的思考に基づく

旧ソ連の軍産複合体は西側の圧倒的な経済力と技術力にはとても太刀打ちできないことをゴルバチョフ元大統領は判っていた。米国とEUを足した西側諸国の経済力は20分の1以下だということをもゴルバチョフは判っていた。 古代から現代まで、大国の興亡は戦争や革命によるものよりも当該国家の経済力による。古代ローマ帝国、古代~中世にかけての中国王朝、中世のヨーロッパの王朝、全て基本的には経済の衰退が大国の衰退をもたらしてきた。ところで、現代はGDPに占める国防費の割合が明らかであるから、軍事力

【投機の流儀 セレクション】相場操縦を長年続けてきた日本の失敗

我が国は株式相場も為替相場も金利相場も市場に当局が深く介入することが長く続いてきた。当局が介入する「官製相場」の色合いが株式市場も為替相場も国債市場にも濃い。しかも長期間に渡った。株式市場で個人が相場操縦を行うと証券取引法で犯罪になるが、日銀がやる分には堂々と行われる。日銀は2010年12月から相場操縦を始めた。白川総裁の頃だった。ETFを通じて株を買い、持ち株は今は時価総額の7%に達している。日銀が筆頭株主である会社は非常に多い。まるで社会主義国の有り様である。「日本は世界

【投機の流儀 セレクション】ロシア対ウクライナ戦の行方――「ウクライナをナメすぎた結果、ロシアの敗北が決まった」

筆者は地政学リスクに詳しいわけではないが、一人の投資家として7~8年前にウクライナの国債を短期勝負で買うという、今考えてみるととんでもない冒険をしたものだ(結果的には短期間で42%の利益で売れた)が、その時から所謂プーチノロジーと言われるプーチンについての様々な本を読んでまとめると次のようなことが言えると思う。 育ちの貧しい人が天下をとるとロクなことはない。日本史の上でも、社長にも同じことが言える。プーチンの育ちは貧しい。幼少期の彼の夢はスパイになることであった。レニングラー