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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2021年7月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】妙に符合する株価の節目

先週号の発行日7月18日は60年前の今月この日、1961年7月18日、高度成長期が始まって6年、所得倍増政策の真っ最中、当時で言えば「歴史上最高値」の1,829円(桁違いではない)を示現した日だった。そしてそれから4年後の1965年が7月12日が「昭和40年不況」(証券不況)のどん底で1,020円を付けたのが1週間早い7月12日だった。 そこから戦後初めての赤字財政を発行して、①新幹線の整備、②高速道路整備、③住宅公団の増設を軸とし、国民に分かりやすい財政出動を発動し、株価は

【投機の流儀 セレクション】脱炭素に特化した投信が流行る

国内の資産運用会社で温暖ガスの排出量削減などの「脱炭素に貢献する企業を対象とする投資信託」が続いている。しかし、一時の流行だけで失速するテーマになる可能性だってある。2000年に始まった野村の「1兆円ファンド 」と揶揄されたIT株ファンドはたちまちロスカットシステムの作動によって4割も減価した。2週間で1兆円を募集したという野村の販売力を誇るだけのものだった。 これまでもESG(環境・社会性・ガバナンス)を意識した投信は色々あった。特に「グローバルESGハイクオリティ成長株フ

【投機の流儀】名門三菱電機の「組織的な不正」を惜しむ

歴史もあるし、三菱の名門電機会社であるし、大袈裟に言えば筆者の青春とともにあった株である。その社風も嫌いではなかったので2015年に起きた東芝の「不適切会計」の時と似たような気持で日経新聞7月3日付けのトップ記事と13ページの記事を読んだ。社長の引責辞任の件は爽やかで判りやすかった。自ら「信頼回復には相当の時間を要するであろう」と述べた。しかもそれが30年間続いたというのだから、惜しむらくは筆者の知らないところにあった三菱電機の隠れた社風である。そしてその不正は「社内の常識が

【投機の流儀】コロナ禍のもとでの東京五輪、良きにつけ悪しきにつけ、いずれにしても現代史に大きな事変として刻まれる。株式市場に無縁ではない

コロナ禍での五輪開催は「あうんの呼吸」とか「空気が決める」などという日本の意思決定の歴史を繰り返しているように見える。既報で述べたが、第2次大戦の開戦や戦艦大和の出撃命令などは誰が見ても明らかな失敗の結果を予測しながら誰も止めることができなかった。そして、予想通りの結果になった。 英国では6月21日に予定されていた規制緩和を延期することが決まった。「その延期の発表時には、専門家の見解が最新のデータとともに示され、それを参考に政治的決定が下されたことも伝えられた」(英オックスフ