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【投機の流儀 セレクション】脱炭素に特化した投信が流行る

国内の資産運用会社で温暖ガスの排出量削減などの「脱炭素に貢献する企業を対象とする投資信託」が続いている。しかし、一時の流行だけで失速するテーマになる可能性だってある。2000年に始まった野村の「1兆円ファンド
」と揶揄されたIT株ファンドはたちまちロスカットシステムの作動によって4割も減価した。2週間で1兆円を募集したという野村の販売力を誇るだけのものだった。
これまでもESG(環境・社会性・ガバナンス)を意識した投信は色々あった。特に「グローバルESGハイクオリティ成長株ファンド」は新規設定時に4000億円の資金を集めた。2000年の1兆円ファンドの比ではないが、これもこれで話題になる募集量ではあった。背景にあるのは世界の加速する「脱炭素投資」だ。
脱炭素と言えば相当量を火力発電が占める。したがって、原子力発電が話題になるはずであるが、今はそんなことはひとことも言わない。勘繰って言えば、今年の1月4日に270円だった東電株が1月の29日には444円になった。これは脱炭素投信のためにあらかじめ電力株を仕込む動きがファンド関係に起こり、「買わざる恐怖」を感じたファンドマネージャーが急いで買ったのかもしれないという勘繰りもできる。但し、1円単位のデイトレードの結果を出せる株だからその結果ではないかと筆者は当時は思っていたし本稿でも述べた。そして444円まで上がった時に全上場銘柄中上昇率が4位だったという時、いきなり日足で見て長大陰線を引いた。これは「陰陽包み足」であって「第1ラウンドは終わった」と述べたが、そこから黄金分割比率で下がった335円ぐらいから下はわずかずつ270円までを買い下がるつもりで筆者は構えてきた。わずかずつの買いである。(本稿は学術論文ではないから自分のことを述べてもいい)。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)週明けの市場
   5月以来、4度目の2万8,000円割れ
(2)日本株だけが逆行安
(3)設備投資の先行指標たる工作機械受注が「コロナ前」を超えた
(4)外需株が10年ぶりの強さ
(5)個人投資家に低位株人気
(6)ドル売り越し縮小、3ヶ月ぶり低水準
(7)株式投信への流入金額4兆円弱に迫る、2015年(5兆円強)に次ぐ金額
(8)菅政権への罰が「都民ファーストの集票マシーン」となった
第2部 中長期の見方
(1)内閣府(旧経済企画庁を含む)は景気の基調判断を5ヶ月ぶりに引き上げた
(2)「米の金融緩和縮小は年内」が4割
(3)株式市場は成熟しているから好悪両材料に敏感に反応する
(4)真っ当な経済学的な見方からすれば「金利が経済成長率よりも低い」ことは異常なことなのだ
(5)ブラックロックが日本株の投資判断を上方修正した理由
(6)中長期の見方:投資家らが毎日数十兆円の資金をFRBに預け始めるよう
(7)22年後半からドル高円安に勢いがつく
(8)小池百合子、国政に転出説――「嘘はコイケの始まり」
(9)目立ちたがり屋・小池百合子
(10)秋の衆院選は自民党議席が大幅に減る
(11)脱炭素に特化した投信が流行る
(12)藤田勉氏の見方を紹介
(13)「迫りくるスタグフレーショナリー債務危機」はあるか?
(14)ジャーナリスト嶌信彦通信(2021年7月9日 vol.278)
(15)日本経済のマクロ経済政策運営についての変化は比較的透明性が高い
(16)中国とアメリカと日本――私ごとにわたって恐縮だが筆者の真意を述べたい
(17)世界でV字型回復している起業熱、日本にも
(18)リスク→不確実性→ブラックスワン
第3部 蛇足の項
相場は予測不能、そこで、自由を求めて自律的に生きる、言い換えれば自律的に生きて富を築いて結果的に自由を得る
相場は予測不能という前提に立ち云々


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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