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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2021年6月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】日銀はやはりETFを買った

月曜日に一瞬1,100円下がった時に前場でTOPIXが2.5%下がった。その日に後場で日銀はETFを買った。日銀がETF買いをやめてTOPIX型に切り替えてから日経平均は不安定な動きになった。今までは前場でTOPIXが0.5%下がれば後場でETFを買うということは常道となっていたがそれをやめたために日経平均は不安定になった。ところが、前場でTOPIXが2.5%下がった時に後場で日銀がETFを買ったということは「TOPIXが2%以上下がれば日銀はETFを買うのか?」という見通し

【投機の流儀 セレクション】ETFを買い支えた日銀は5月には小幅ながら売り越しに転じた――最終的にはどうする気なのか?

日銀は3月に政策修正を決め、ETFの買い入れを抑制的にすると発表したが、5月には遂に小幅な売り越しに転じた。先週号で日銀の買い支えがなくなったことは述べたが、わずかながらも5月には売り越しになったことが判った。 日銀は安倍政権誕生の半年後の2013年4月から本格的にETF購入を始めた。それ以降初めて買い入れをゼロにする一方、個別株の売却は続けたと見られる。個別株は日銀が2002年~2003年の金融危機(不良債権不況、国内要因)の時期と2009年~2010年の金融危機(リーマン

【投機の流儀 セレクション】一部海外投資家はオリ・パラの中止を警戒しているという話がある

オリ・パラを決行するには東京都医師会長の意見に対して説明力がなければならないことは本稿の別の項目で述べた。世論はオリパラ開催に反対の者が半数以上を占める。21年夏の五輪に対して21年に五輪をやる日本だからといって諸外国は協力してくれたところが多い。それらに対して今さら中止したら「顔が立たない」という説も多い。しかし、為政者やJOCの顔を立てるために五輪をやるわけではない。「多数の民意を優先した。これが民主主義の基本だ」と言えば一応の「顔は立つはず」である。民意といってもバカが

【投機の流儀 セレクション】五輪を損切りできない日本に晴れない霧――埋没費用(サンクコスト)の呪縛

「サンクコストの呪縛」というのは、ある目的のために資金や努力を投ずると途中で止めるべきだと判っていても止められなくなることを言う。ある銘柄を本気で研究し、財務内容を分析し、工場見学までして調べた結果これは買わない方がいいと判断しても、「今まで費やした時間や労力がもったいないから買わないという決断ができず買ってしまう」、というようなことをサンクコストの呪縛と言う。日本の五輪にかけてきた今までの期待や経費や労力から見ると、今さら止められないのが「サンクコストの呪縛」である。 過