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【投機の流儀 セレクション】一部海外投資家はオリ・パラの中止を警戒しているという話がある

オリ・パラを決行するには東京都医師会長の意見に対して説明力がなければならないことは本稿の別の項目で述べた。世論はオリパラ開催に反対の者が半数以上を占める。21年夏の五輪に対して21年に五輪をやる日本だからといって諸外国は協力してくれたところが多い。それらに対して今さら中止したら「顔が立たない」という説も多い。しかし、為政者やJOCの顔を立てるために五輪をやるわけではない。「多数の民意を優先した。これが民主主義の基本だ」と言えば一応の「顔は立つはず」である。民意といってもバカが多く衆愚政治に陥るかもしれない民主主義の宿命である。立憲民主主義国家であり、議会制民主主義の日本は衆愚政治に陥る危険を承知していながらも多数決を重んじなければならない。これはこれで「顔が立つ」強弁にもなり得る。

ところで、一部の海外投資家は東京五輪が中止・延期されると見て日本株を売っているという。5月の第3週は第2週に続いて海外投資家が売り越しになった。この件は前号でも触れた。緊急事態宣言の中でオリンピック開催ができるわけがないと常識では考えられる。

グロース株が中心だった市況が変化しつつあるのかもしれない。
バリュー株は1月から3月までだった。
五輪がともかく終わり、ワクチンが進み、夏枯れ相場(★註)が終わるころ、グロース株全盛時代は秋風と共に去り、バリュー株復活となれば、TOPIXは上がるだろう。(★註)昔から「甲子園が始まると株は休む」と言われていた。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

はじめに メジャーSQ日は無難に消化したが……
(1)今の株式市場の底流に横たわっている問題
(2)当面の市況
(3)東京五輪によるコロカ感染拡大の恐れは少ないというシュミレーション
(4)市場を注視すべき時
(5)日経平均はNYダウよりもナスダックに連動
(6)一部海外投資家はオリ・パラの中止を警戒しているという話がある
(7)NT倍率が2ヶ月ぶりの水準に低下
(8)政治の貧困、官僚の劣化
第2部 中長期の見方
(1)霧は晴れてもFRBの政策転換の可能性とサマーズの米経済警戒説
(2)外部から来る刺激の反応の仕方が異なる
(3)懸念材料の最大のものは米金利上昇によるFRBの金融政策転換
(4)「日本はコロナ対策できっと巻き返す」
(5)大復活を遂げたソニー、数字語らぬ経営方針の真意
(6)今回のG7は法人税率15%下限を明文化した――長期的に見て大変いいことだ
(7)ESGの時代、脱炭素は主力テーマだが……東京電力株の話しは出ない
(8)気候変動が金融不安を起こす可能性
(9)米中問題――6世紀ぶりに次の世界覇権を握りたがっている中国


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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