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鉢形城~天然の要害を生かした堅城

埼玉県大里郡寄居町にある鉢形城は、北条氏康の五男で氏政の弟にあたる北条氏邦(藤田氏邦)が整備拡張した土の城(平山城)である。

最寄り駅は寄居駅(東武東上線、JR、秩父鉄道)で、首都圏から比較的行きやすい部類だと思う。城址は公園として整備され、行楽シーズンには人でにぎわう。


鉢形城は、荒川に面した断崖絶壁の上に築かれた天然の要害である。標高は高くないが、川の方から取りついて上るのはまず無理だ。

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本曲輪の最高地点からの眺め。上野(こうずけ)方面が見渡せるようになっている。

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南西の外曲輪の方向は平野で、遮蔽物がない。外曲輪方面の守りは、まず土塁があり、それを越えると深い谷に落ち込むようになっている。

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二の曲輪、三の曲輪の間に見られる空堀の状態も良好だ。

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三の曲輪には居住用の建物や庭園があったという。写真の石積みは発掘調査をもとに再現されたもの。

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馬出とは、城兵が展開するために曲輪から突出した小さな空間である。写真は二の曲輪・三の曲輪の間に見られる馬出。

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巨大な空堀を堀底から眺める。迫力は満点だ。

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城郭の周縁部。

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一門衆である北条氏邦の拠った鉢形城は、北条氏領国の北半を支配する拠点であった。豊臣秀吉による小田原征伐でも籠城戦を戦ったが、一か月に及ぶ抵抗の末に開城。鉢形城は廃城となり、歴史上の役目を終えた。

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