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留学後の韓国語勉強法

はじめに

中国語の語学学習日記を書いていてずっと書きたいなと思っていたテーマが、韓国語の学習、それもある程度上級者(ここではネイティブの人と基本問題なく会話ができるレベル、もしくは韓国語字幕でドラマを楽しめたり、原書を完読できるレベルをさします)になった後に日本でどのように韓国語と接していくかということを書いていこうと思います。

私の場合ですが1年の留学を終えて自分の韓国語能力に恥ずかしながら自信を持っていた時期が結構長かったです。そしてその自信から自己肯定感に変え比較的積極的に物事に取り組もうとする意欲に繋がったという側面もありましたが長期的に見て自分の慢心から来る「傲慢」だったと自覚させられました。
語学を勉強する際に”誰かと比較するのではなく、ただ自分の状態を省察すること”だということは幾度も形を変えて目にしましたが、留学後のこの2年を経て身に染みた一言になりました。

誰かが上手、誰よりも上手とかではなく、自分の中で常に省察し向き合い続ける存在であること、そしてその過程自体を含めて受け入れて前に進んでいこうという所信表明の灯台的なものとして文章として残そうと思っています。

①-1常にやっていること

(1)Youtubeで韓国語のコンテンツを見ること

これだけはおそらく毎日欠かさずに見ていたと自信を持って言えると思います。
例えば今回のW杯でも決勝戦のニュースを韓国語で検索し情報を入手するようにしました。単純に韓国の方がYoutubeにあるニュースの量が多いというのもあります。
基本的に自分が知りたい情報を韓国語で検索するという装置を設置させて体にならせておけば習慣になります。


(2) 週一回の言語交換

これはもうすでに1年半常に続けていることです。tendamで出会った韓国人の方と1週間に1回日本語10分、韓国語10分と時間を決めて言語交換をしています。最初は話す内容がない状態でした。共通の趣味もなければ年も全く異なり最初の電話が終わった後に「どうしたもんか」と頭を抱えました。しかし1週間に1回、決まった時間に会話をすることで相手の人生にひっそり並走している感覚を抱きました。相手の人生に踏み入れるほどではなくても、1人の生活の時間の流れを感じる。1週間に1回必ず受け取る定期便のような時間のような存在になりました。相手の生活環境が大きく変わるということで今後言語交換が継続できるかは未知数ですが、それでも大切な1年半です。そして言語交換の継続の鍵は相手と自分がお互い持続可能な形式を確立することをこの経験を通して知ることができました。


(3)読書

須賀敦子の「遠い朝の本たち」日本語版、韓国版

毎日やっているわけではありませんが、途切れることなく原書を読み続けてきました。習慣化した決定的な鍵は長い通勤時間です。家では読む場合はほぼなく通勤時間やアルバイト先で主に読んでいます。
2020年の10月に김지은입니다 という本を完読した時に比べ読むスピードが格段に早くなりました。私の言語学習の過程自体を受け入れることができたのも、読書の功が大きいです。


(4)Anki

単語暗記アプリAnkiは週4程度で継続しています。このアプリの前までは単語暗記行動が一度も続いたことがなかった私。韓国語の上級に上がるまで単語暗記しようとしなかったのが色々と衝撃的ですがよく出る単語で構成されているのでよく出てきているのを辞書を引くうちに覚えていきました。
しかし、上級に上がるうちにそれが通用しなくなっていくもの。頻出単語ではないと接する機会が減り覚えられる単語の数が少なくなってしまいます。そこでこのアプリを始めました。正解率は正直良いとは言い難いですが継続が一番と自分に飴を与えながらほそぼそ続けています。


(5)独り言を言う

ある特定の条件のみ発動するようになっていった「独り言」。それは自転車に乗っている時です。自分でシチュエーションを設定し、それに合わせてストーリーを作っていく。短い時間でしか継続しない、そんな穴と傷だらけの自分の妄想で固められたストーリーを毎出勤、退勤の自転車の上でブツブツと呟いています。
物理の公式に従わないといけないこの世界で自分の考えた公式で世界を作っていける、でも人に見せる名分も価値もないそんな妄想は自分の現実とはいささか離れた違う言語でなら吐ける代物なのかもしれません。これが言語の勉強に役に立っているかは不確定ですがインプットの難しさを実感する時も、自分が韓国語を話せていると自信を持つ時もどちらもこの「独り言」の時間です。


①-2 やっていたこと

(1)ニュースを1日3つ見る

韓国語のニュースを1日必ず3つ以上動画で見ることを留学帰国後3ヶ月程続けていました。当時はなるべく韓国の現地の感覚を維持したくて始めたのですが、ニュースに向き合うことが精神的に厳しく3ヶ月ぐらいでやめたと思います。3つは多いからまた1つずつ始めてもいいかもしれないと思っています。


(2)シャドーイング

言語学習で基本中の基本とされているシャドーイング。You Tubeで言語勉強の動画を見るたびにシャドーイングの効果を聞くことになるので「やらなければ」と重い腰を上げるのですが重い腰は重いまま。大体三日坊主で終わります。私は発音に問題を抱えているのでシャドーイングをしなければいけない部類に属すると思うのですがまだ習慣にできないまま今に至ります。


②意識的にしたいこと

(1)スピーチコンテスト参加

自分の発音を徹底的に練習する良い機会はスピーチコンテストに参加すること。
ということでスピーチコンテストがあれば積極的に参加するように心がけています。なかなか出来ないことのほうが多いですが。。


(2)アウトプット量の増加

今の韓国語の勉強量の99%はインプットで文章を作ったり、喋ったりする機会が圧倒的に足りない状態です。私の韓国語の目標「自分の伝えたいことを正確に相手に伝える」には伝える要素である「発音の正確さ」「文章の構成の自然さ」「スピード」等のアウトプットに関する技術が足らないのが現在の課題です。その課題をより致命的にしているのが「インプット」は努力せずに出来るのに、「アウトプット」は努力と気力を要する状態だということ。自然に放っておける状態ではなく工夫と改善が必要となる部分という点です。


③課題に向き合う部分

私は比較的「努力だと思わずに出来る分野」、一方で「努力が必要な分野」というのが必要だと、言語学習に限らず言えることだと現段階では考えています。一瞬の瞬発力が必要な時、継続的に忍耐心が必要なこと、目先ではなく一歩先を考えて決断をすることが出来ること。努力が不要でも出来る分野は「装置」を設置した上で放っておき、それを「努力」の原動力にして「努力をする」方向に向けていくことを今後の言語学習の目標にしたいです。それを以下の表で整理してみました。


この表にある1が①常にやっていたこと2が②意識的にしたいこと。真ん中の星は「①と②の領域を組み合わせた勉強方法、まだ見ない、これからトライしていく勉強方法になります。
私の敬愛するアニメーター、漫画家、エッセイストの近藤聡乃さんが『準備代わりに読む人0創刊準備号』で次のように仰っています。
10年連載を続けているエッセイ漫画「ニューヨークで考え中」の準備段階は「ただ暮らすこと」けれど、準備していることを忘れてはだめ、けれど完全に忘れてしまってはいけない塩梅の中で暮らすことだと。

私の言語学習の今の段階の課題はその塩梅を常に考えながら日々自問自答することだと設定しました。①自然に出来ること②意識的にしたいこと→なかなか気分が乗らないもの
①の要素と②の要素を混ぜながら星の部分の色、混じった色にしていく。時に「自分にとっての言語、韓国語」はどのような存在なのか、向かっている方向はなのかという枠外の問題も包括的に考えながら。繰り返し繰り返し試行錯誤を繰り返すことを厭わないこと。

未来の自分が自分を客観視出来るように、今の自分の星の部分、まだみない勉強法、トライする勉強法のアイデアを書いて文章を終わりにしたいと思います。

<勉強方法、試案>


☆Ankiの頻度を増やす
→特に覚えられない単語(leechがついたタグに対しては覚えられるように語彙ノートに書く)
☆シャドーイング5分を10日間続ける×3を2ヶ月内に行う。
(教材)
「文章」「音声」が存在すること
「自分が似たい話し方の人の動画」
「自分が関心が持てる内容、勉強になる分野」

(課題)「必ずやる時間」の設定→ご飯を作る時間?

☆作文、1000文字のエッセイもしくは日記を書くこと
(目的)自分の韓国語の構成の癖を直すこと、そして自分が韓国語で思考した結果を世の中に公表したいという思いがあるため
(必要条件)課題設定を行い添削するなどの強制力を与えること、特に自分の思いをそのまま書いても受け入れてくれる人ほど信頼している人の中で添削をしてくれる人を探すのが難しい。


この文章を3ヶ月後見た自分はどのように感じているのか、3ヶ月後Noteに戻って確かめることにしましょう。


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