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笑顔AYEヌード【あらすじ、筆者紹介】

あらすじ
千桜里は歌うことが好きな、いわゆるアイドルだ。デビューから5年の記念日を迎え、順風満帆と言っても良いアイドル生活を送っている。6周年を迎える中、絶対的センター・熱愛報道で引退する先輩・ライブに普通の格好で来る同年代の男を通じ、千桜里は何を感じるのか。

筆者より
愉快な仲間に誘われて、ズブの素人が華麗に執筆。
ゲイの読書サークルが母体の文芸執筆サークルなのに、女性アイドルが主人公です。天罰を恐れず、いちオタクのアイドルへの想いだけで書きました。痺れるくらい疲れました。こんな拙い作品を世に出し折檻されないか不安ですが、水を被って反省済みなのでお許しを。生暖かい目で読んでいただけると幸いです。
貴方の笑顔は愛のメッセージ

作品抜粋
「あぁっあっこがれぇのぉぅ、せいっしゅん!」
 千桜里(ちおり)はディレクターの指示に従い、16ビートを刻む。
――そうやない、16ビートや! 歌は音程よりもリズムが大事なんや!
 デビューからしばらくはディレクターの言っていることが全くわからなかったが、5年を迎えようとしている今は、なんとなくはわかる。その証拠に、ディレクターからの指示が入ることはほとんどなくなったし、歌割もちゃんとある。ディレクターの言うリズムの理論は未だに理解できていないが、どうすれば良いか感覚で覚えた。千桜里はそんなタイプの人間だ。
 レコーディングの1週間後、歌割が発表される。メンバーの誰がどこを歌うのかが反映された歌詞カードを渡され、千桜里はざっと目を通し、桃谷千桜里の「桃」の字が5ヶ所あるのを確認する。そしていつも通り佐伯梨緒の「佐」の字を数える。
(りおりおが、ざっと10越えか。 前と大差なし、と)
 千桜里は満足気に微笑んだ。5ヶ所の内、見せ場になるソロパートが2ヶ所で、他の3ヶ所は他メンバーとのユニゾンだ。少なく感じるかもしれないがグループ内では3番目に多い。千桜里の所属するグループは、りおりおこと佐伯梨緒が絶対的センターで、ソロパートが圧倒的に多いから、必然的に他のメンバーの歌割は少なくなる。その中でこれだけ見せ場があれば充分だと千桜里は思っている。


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