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おじさん【あらすじ、筆者紹介】

あらすじ
 地震の夜。いつもとどこか違う夜。祐介は少し変わったおじさんと初リアルした。家に行って、ビールを飲んで、一緒に寝た。一晩の心と体の交流の物語。

著者より
 私は元々小説をあまり読まない上、小説を書くことについては初めてのようなものです。そんな人間が筆に任せて書き綴ったものですので、出来上がったものはやはりそれなりのものだと思います。
 それでもご笑覧いただいたご感想を、何かの機会に頂戴できればうれしいです。
 なお、この物語はフィクションであり、実在する地名・団体等とは一切関係ありません。

作品抜粋
 最初は気のせいだと思った。
 10秒くらいすると大きな揺れがやってきて、天井から垂れる紐が振れた。
 夕方5時を過ぎたところだった。自分の部屋にいた祐介は、部屋着のスウェットを脱いで、先週買ったパーカーに首を通していたところだった。台所の方で何かが落ちる音が聞こえる。
 やがて揺れは収まる。隣に住む老夫婦が、窓を開けて何かを話している。
 家には祐介しかいなかった。母親は金曜日の夜は外泊しているし、妹は明るいうちに帰ってきたものの、すぐにまた出かけて行った。
 二人がどこに行ったのかは知らない。帰りは遅くなるだろう、たぶん。

コウさんとは7時に東京駅で待ち合わせていた。そろそろ家を出なければいけない時間だ。会うのであれば。

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