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ととろん学級思い出日誌

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作者が15年間小学校の先生として子どもたちと過ごした日常の中で、 印象深く心に残っている出来事を、綴っていきます。
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2022年4月の記事一覧

チャレンジは子どもにも大人にも(前)

六年生の家庭科では、裁縫、調理、清掃、よりよい環境での暮らし方など、 一緒に学ぶと、こち…

ととろん
2年前
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1人の困難を、みんなで楽しいに(後)

「特訓!面白そう。僕もやっていい?」 と二人の会話に乗ってきたのは、かずくんだった。 そ…

ととろん
2年前
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1人の困難を、みんなで楽しいに(中)

運動会まで3週間となり、体育館と運動場の割り当ても、 運動会の練習モードになりだした。6…

ととろん
2年前
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1人の困難を、みんなで楽しいに(前)

だんだんと蒸し暑い空気がまとわりついてくるようになった五月の中旬。 小学校は、運動会の練…

ととろん
2年前
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義務教育の義務は子どもの義務じゃないからこそ、伸ばす支援が大切だ(後)

「おー、かいくん、きたねー。」 あまくんやあんちゃんが嬉しそうに扉の方を見る。 眠そうな…

ととろん
2年前
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義務教育の義務は子どもの義務じゃないからこそ、伸ばす支援が大切だ(中)

「こんにちわ。仲良しさんクラス1組担任のととろんです。」 「同じく担任のあゆです。」 家…

ととろん
2年前
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義務教育の義務は子どもの義務じゃないからこそ、支援の見極めが大切(前)

「先生、今日もかいくん来ないねぇ。」 あんちゃんが、そうつぶやいた4月下旬の朝。 始業式には教室に来ていて、「俺6年生はやれる気がしてきた。」 と言ったかいくんだったが、始まって一週間たち、 土日を挟んだ最初の週明けから来なくなっていた。 お家からの連絡も最初はあったが、次第にこちらから確認するようになり、 こちらから電話を入れて、お母さんと話すと、 「なんか起きてこないんですよ、夜更かししているみたいですみません。」 という感じで、学校に行かないか無いことに

失った経験を取り戻そう(後)

「先生、ほんとにいいんですか。授業進めなくてもいいんですか?」 そうくんが心配そうに聞い…

ととろん
2年前
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失った経験を取り戻そう(前)

理科の学習は「ものの燃え方」、燃焼の単元だ。 ものが燃えるとどうなるのか。子ども達に沢山…

ととろん
2年前
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できない事をできないといえる雰囲気で(後)

「先生がお父さん役で、みんなはヒロシ役ね。じゃあ誰かやりたい人。」 「はい!ぼくやる。」…

ととろん
2年前
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できない事をできないと言える雰囲気で(前)

こうして始まった仲良しさんクラス1組。 6年生ばかりの8人と先生二人のクラスでは、 通常…

ととろん
2年前
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ただ、やれる限りの精いっぱいで向き合っていこう~仲良しさんクラスプロローグ(6)…

「なんですか?大事な話。」 「うん、仲良しさんクラスには、交流があるよね。そのことです。…

ととろん
2年前
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ただ、やれる限りの精いっぱいで向き合っていこう~仲良しさんクラスプロローグ(5)…

「仲良しさんクラス1組。ととろん先生。」 そう紹介されて子ども達の前に立つと、 あんちゃ…

ととろん
2年前
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ただ、やれる限りの精いっぱいで向き合っていこう~仲良しさんクラスプロローグ(4)~

「・・・・ということでさせて頂こうと思います、よろしいでしょうか。」 仲良しさんクラス1組の子ども達の交流活動について、 通常学級の先生達への提案を行った。 「それは、大丈夫なの?その、特別支援学級のカリキュラム的には。」 という返しが来たが、 「校長先生からも、それで良いとの旨、了承をもらっています。」 で、通常学級の担任の先生も、それならその方針でと、 納得よりもむしろ安堵した顔で了承してくれた。 昨年度まで、思うように受け入れをしてあげられていない事への