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ただ、やれる限りの精いっぱいで向き合っていこう~仲良しさんクラスプロローグ(4)~

「・・・・ということでさせて頂こうと思います、よろしいでしょうか。」

仲良しさんクラス1組の子ども達の交流活動について、

通常学級の先生達への提案を行った。

「それは、大丈夫なの?その、特別支援学級のカリキュラム的には。」

という返しが来たが、

「校長先生からも、それで良いとの旨、了承をもらっています。」

で、通常学級の担任の先生も、それならその方針でと、

納得よりもむしろ安堵した顔で了承してくれた。

昨年度まで、思うように受け入れをしてあげられていない事への

不安や申し訳なさもあったのだろう。

ともあれ、仲良しさんクラス1組の子ども達の交流活動は

『授業の一切は交流しない。学年行事関連と、週3回の給食時間のみ交流を行う。そして仲良しさんクラス1組の授業は全教科、仲良しさんクラス1組で行う。』

というものだった。この子達にとって今の現状で、

一時間でも多く交流活動が増える事こそ、

最も支援から離れている行為だと判断したうえで、

一番適切な『特別な配慮』はなにか。

もはや交流活動がアレルギーと言っても過言ではないほどに、

拒絶反応になっているこの子達に、極力交流活動をしなくてよい様にする。

その上でこの子達の6年生としての活動をしっかり補償する。

それが僕らが提供できる一番の『スペシャルサポート』だと考えた。

それでも制度的に、まるっと隔絶はできなかったので、

給食の時間に交流活動をすること、

学年行事(運動会の練習など)は全体と一緒に取り組むことは譲歩したが、

それも無理な時には無理をさせないと、確約したうえで、

仲良しさんクラス1組の一年間はスタートできることになった。

また、この条件でGOできたのは、いくつかの幸運も重なったと言っていい。

一つ目は、仲良しさんクラス1組の子ども達が8人全員同じ学年だった事。

特別支援の学級では、めったにない事である。

特別支援の学級は、そのほとんどが学年の違う子ども達で構成されるので、

1クラス、フルメンバー、全員同じ学年は偶然で幸運な事だった。

二つ目は、僕が昨年度も6年生を担任していたこと。

同じ学校の通常学級で2学期からとはいえ、

卒業まで担任を受け持たせてもらえていたことで、

この学校での6年生の、一年間の動きが十分に把握できていた事は、

子ども達が安心して全体行事に参加したり、

活動の見通しを示したりするのにも、有効的だった。

そんな二つの条件が下支えとなって、仲良しさんクラス1組は、

『8人の単級を、担任二人体制での学級運営』という条件を整えて、

6年生の一年間をスタートすることになったのだった。



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