農薬の健康リスクを医学論文を用いて解説
農薬、主にグリホサートの纏め
農薬は農産物の管理がしやすいように使われる薬剤です。
そして最も乱用されているのがグリホサートです。
グリホサートは化学合成物質であり、日本でも広く使われています。
グリホサートの危険性が叫ばれていますが
グリホサートの現状を纏めてみましょう
2015年 WHOが発癌性を認定
2019年 EPAが危険性のデータは不十分と判断
2023年 ヨーロッパでグリホサートの認可が無くなる
欧米、世界各国では厳しく制限されていますが、日本では野放し状態です。
そこで、グリホサートを売っている会社(wikipedia等をゴリゴリ)
グリホサートが管理するのに楽だから、消費者の健康なんか知らない農家
彼らが度々持ち出すのが「2019年のEPAの判断」です。
ところが、これは2019年までです。
それ以降、グリホサートの危険性を示す論文は多くあります。
2019年以降を中心に、論文を紹介していきましょう。
医学的にグリホサートの危険性があるのは明らかです。
纏めツイートはこちら。
それでは解説していきましょう。
(noteでは引用が付いていない論文などは、ツイートから探してください)
1. グリホサートと病気
1-1. グリホサートと癌(非ホジキンリンパ腫)
グリホサートが癌を引き起こすか?は様々な論文があります。
癌と関連があったもの。癌と関連がなかったもの。
グリホサートが安全だと主張する方々が持ち出すのは
2018年のアメリカの論文です。
これでは「グリホサートは数値上では非ホジキンリンパ腫を増やすが、統計学的に有意差はない」
統計学的な有意差とは、実は関係無かった確率が5%以下
ざっくり言えば、95%の自信ですね。
つまり、数値上では癌を上げるが、95%自身あるか?と言われるとそこまで自信ない。
そして、統計学的に有意差が無いので
「グリホサートと癌は関係ない」と、安全だと主張しているのです。
しかし、タネを聞けば、そう簡単に納得できません。
「グリホサートと癌が関係ある」という論文もゴロゴロあるわけです。
それなのに、「安全だ」という論文だけを持ち出して「安全」と主張する
到底、受け入れられる結論ではありませんね。
ではどうするか?
全ての論文を纏めて、総合解析をする必要があります。
これは、「メタアナリシス」と言われます。
一番エビデンスの強い論文となります。
そして、世界トップクラスの大学として君臨する
米国カリフォルニア大学(UCLA)バークレー校の方々が
この人類の叡智を全て集めた解析
一番エビデンスの強い「メタアナリシス」を行いました。
論文はこちら
結論からすれば
「グリホサートは癌(非ホジキンリンパ腫)と統計学的有意差がある)
つまり、グリホサートは癌のリスクです。
もちろん、100%な研究なんてありません。揚げ足はいくらでも取れます。
しかし、重要なのは、
今ある科学的なデータを全て総合解析した、
人類の結論として
「農薬、グリホサートは癌と相関する」
これが人類の結論です。
1-2. 農薬と癌(全ての癌)
他にもグリホサートと癌の家系を示すものは複数ある。
最も有名なのはこちら。世界五大医学誌姉妹誌
フランスの6万人を7年程追いかけたコホート研究
これほどの大規模なコホートなので、硬いエビデンスです。
1-3. オーガニックは癌を減らす
ただ、希望もあります。
上記研究では、オーガニックを食べれば
癌のリスクが25%程減る可能性もあります。
癌の発症リスクを減らすのは、医薬品では成しえない偉業です。
禁煙、適切な運動などの食生活、節酒、
これらに加えて、オーガニックで癌を予防しましょう!
2. グリホサートと糖尿病/自閉症/喘息
グリホサートが悪影響を及ぼすのは、癌だけじゃない。
様々な疾患のリスクを上げる。
2-1. グリホサートと糖尿病
グリホサートに限らず、農薬と糖尿病の関係は長く指摘されてきた。
天下のハーバード大学からの研究で、
農薬が糖尿病のリスクを上げる事が示されている。
また、オーガニック食品を食べると糖尿病リスクが減る事も示されている。
オーガニック食品で糖尿病予防!
2-2. グリホサートと自閉症
世界五大医学誌BMJに掲載された論文(つまり、NEJMやランセットに肩を並べるエビデンス)
「妊娠中のグリホサート摂取は、子供の自閉症と相関する。」
この結果を裏付けるような基礎研究も複数ある。
従って、妊娠中はグリホサートの摂取は避けた方が良いでしょう。
2-3. グリホサートと喘息
米国CDCからの論文
グリホサートは喘息を悪化させる。
以上1. グリホサートと病気でした。整理しましょう。
グリホサートは癌、糖尿病、自閉症、喘息のリスクをあげます。
医学的にエビデンスのある事です。
そして注目すべきことは、この論文は
「結果」という事です。
いくらグリホサートは安全派が屁理屈を並べようとも
グリホサートが人間の健康を蝕む疾患との相関は示されているのです。
論より証拠とでもいうべきでしょうか。
医学的にグリホサートが健康を害している結果です。
これは観察された事実であり、否定できません。
もし否定するならば、それは反科学、反論文です。
結論
グリホサートは人間に有害
では、有害と分かったので、次にいきましょう。
2. どれだけ農薬に汚染されているか?
2-1. グリホサート汚染
40%の日本人の子供の尿中からグリホサートが検出される。
一般的に化学合成物質は口から摂取した分の、ほんのごく僅かしか尿中に排出されない。
つまり、尿中に検出されたということは
はるか数百倍かそれ以上の量を経口摂取した可能性もある。
また、諸外国での大人の研究からでは、
ほぼ全ての大人の尿からグリホサートが検出されている。
つまり、我々は尿から検出されてしまう程多量のグリホサートを
毎日、毎日摂取しているのだ。
2-2. ネオニコチノイド汚染
ネオニコチノイドはグリホサートと同じく悪名高い農薬だ。
水辺の生態系に壊滅的な影響を及ぼすので外国では厳しい規制があるが、
日本では野放し状態である。
そして、日本人の87%の尿からネオニコチノイド系農薬が検出された論文
稲作にネオニコチノイドが使用されるらしく、それで87%もの日本人から検出されたのかもしれない。
また、ペットボトルのお茶から検出されたというニュースを知っている方も多いだろう。
2-3. 農薬による飲用水、空気汚染
天下のハーバード大学から
ブラジルでは飲用水に混入した農薬が癌を引き起こしているとの報告
さて、ここで気になるのが、日本ではどうか?日本の水道は優秀?
論文ではグリホサート100ppb程度で癌が出たとなっている。
日本の水道は、グリホサート2mg/L=2000ppbまでしか測定していない。
つまり、これは日本の水道でも、ブラジルのように
引用水中のグリホサートにて癌が引き起こされている事があり得る野田。
なぜ目標値などというあやふやな表現で2mg/Lという高濃度しか測定しないのか。
欧米のように、ppbレベルでの測定を行うべきである。
次に空気
・グリホサート使用地点から1km先でもグリホサートが検出された。
・畑近郊の空気からグリホサートが検出され、畑近郊空気由来をマウスに吸わせると肺に障害が出た。
等の論文がある。
聞く所によると、公園や路肩に撒かれているそうなので、心底止めて欲しい。
小括
2. どれだけ農薬に汚染されているか?
尿中に検出される程の、農薬(グリホサート、ネオニコチノイド)を摂取している。
また、水道や空気も汚染されている可能性がある。
では、次にどうするべきか?
3. 農薬をどうやって避けるべきか?
まず、我々が何によって農薬を摂取しているか?
可能性は、外国産小麦、飲用水、農薬作物全般の三個ある。それぞれ考えよう。
3-1. 外国産小麦を避ける
東京大学教授 鈴木宣弘 氏によれば、
外国産小麦には直接グリホサートが降りかかっている。まさに農薬まみれである。
避けるしかない。国産小麦を食べるしかない。
注意だが、「国内製造」は外国産小麦の事が多々あるらしい。
「国産小麦」と、しっかり確認すべきだ。
ただ、農業ジャーナリスト浅川氏などの一部は、外国産小麦も実はグリホサートがかかっていないと主張する。
そうであれば、日本人は別の所から、グリホサートに暴露されている。
3-2. 水道中の農薬濃度測定を求める。
グリホサートは低分子である。浄水器では除けないのではと思う。
ペットボトル飲用水も同じだ。
原因と解決策は同じで、欧米並の、極低濃度レベルまで残留農薬を測定するしかない。
現状は、目標値という名の、かなり高濃度出なければ検出されない所を測定し、
安全性を吹聴しているに過ぎない。
3-3. 全ての農薬作物から暴露されている
グリホサートは3ヶ月後も10%ほど残存するという論文がある。
また、土中のグリホサートが根から吸収されるという論文もある。
日本では、作物に直接グリホサートをかける事は少ないらしいが、
作付け前や、畦道に使用することが多いらしい。
こういったグリホサートは、枯らさない程度の低濃度、作物に取り込まれており、
それにより暴露されているのではないかと怯えている。
洗っても落ちない。
小括3
農薬をどうやって避けるべきか?
外国産小麦はまず避けるべき。
国産の農薬野菜を全部避けるべきかは不明確だが…
4. オーガニックが解決する
そう。グリホサートを使用していない作物を食べれば解決する。
ではどうするか?
定石は、「有機JAS」である。
「有機JAS」は、化学合成農薬(グリホサートやネオニコチノイド)不使用である。
食酢みたいな、有機物由来の半分自然みたいなのは、使う(分類上、食酢も農薬)
ただ、グリホサートなどの化学合成農薬は使っていない。
しかも、3年間も!流石に残留農薬も無いと思われる。
自称「無農薬」で、実は農薬栽培も出回っていると噂を聞くが、
「有機JAS」は国がチェックしている。間違いない。
さぁ、スーパーの有機JASコーナーへ!
オーガニックは農薬を避けるだけではない。
オーガニックは癌や糖尿病のリスクを減らす。
西洋医学では、発症した人々を治療できても、
健康な人への健康上乗せは達成できない。
適切な運動や食生活だけが、健康な人に更に健康を与える。
そして、オーガニックも健康に良い。
これは何にも替えられない価値だ。
オーガニックを選ぶ事は、食事だけでなく、健康維持費も兼ねているのだ。
オーガニックには医学的なメリット、付加価値がある。
「有機JAS」から、健康を始めよう。