メタ視点が好きなオタク(クソデカ主語)と「ビアンカ・オーバースタディ」

どうも、とったんです。

オタクはメタ視点が好きだ。
いきなり主語がデカすぎる。主語のデカさもオタク(ツイ廃?)特有の現象ではあるが。

「メタ」とは高次元、上位を意味する言葉である。
アニメやマンガなどでは「メタフィクション」の略として用いられ、キャラクターが作中現実を無視して読者や作者のいる現実の価値観で発言したり、自分たちが虚構のキャラであることを理解し今読者に見られていることを自覚した発言などを俗に「メタ発言」と呼ぶ。

元は漫画の作者が内輪ネタ的なノリでやっていたのがファンの間で浸透したり、ファンブックやインタビューなどで制作秘話を知ったことで「ファンが作り手(作者)側の視点で作品を見る」みたいな見方がオタクの間で広がったんだろうなァと思う。知らんけど。

あと物事を俯瞰した、俗に言う上から目線で見るのは独特の気持ち良さがある。
普段見下されることが多い人にとって、上から見ることができるまたとない機会が「メタ」視点にはある。気がする。

そんなオタクの好きなメタ視点とメタネタのプロが悪魔合体したような作品がある。
筒井康隆が書いたライトノベル、「ビアンカ・オーバースタディ」である。

容姿端麗博学多才の生物部部長、ビアンカ北町はウニの生殖を研究しているうちに人間の生殖に興味を抱く。
早速同級生の男を呼び、その場で精子を提供するよう求めだす。そして男のズボンを下ろし竿を扱きだし…

って、おいおいおいちょっと待てぃ!
いきなりエロシーン入っとるやんけ!ラノベじゃないんか!

この作品は「メタライトノベル」を標榜していて、ライトノベルをメタ視点で見た作品である。
前述したように、ライトノベルではメタな台詞を登場人物に言わせる「お約束」破りなネタが使われ、かえって陳腐化することが多い。
が、そこは作品メタのでぇベテラン・筒井康隆。いつもの筒井康隆ワールドに持ち込みつつ「ライトノベル」というジャンルを批評している。

細かく話したい小話はたくさんあるが、まずは本編を読んでほしい。
筒井康隆はこの作品を「ラノベとして読むこともできるがメタラノベとして読むこともできる」と述べている。
…筒井康隆の洗礼を受けていないラノベ読者が読んだら普通に駄作認定してキレそうな内容では!?

ちなみに挿絵・表紙はいとうのいぢ先生である。
騙されたつもりでジャケ買いしよう!

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