SmartHRでプロダクトデザイナーとして働く

2023年1月にSmartHRへプロダクトデザイナーとして入社した。5ヶ月ほど経って少しは慣れてきたように思うので一度振り返りを書く。入社エントリだ!

入社するまで

モバイルアプリ事業の立ち上げをやることになった際に、初めてUIの設計に触れた。それまで映像とかグラフィックデザインとかWebデザインとか色々やっていたものの、出来ることと求められることとやりたいことが一番合致していたのはUIの設計だった。

開発していたモバイルアプリ事業から離れてしばらくして、前職のデザインファームにUIデザイナーとして入社した。主にスタートアップのデザイン支援みたいな形で、スタートアップで発生するいろんなデザイン業務を担当していた。その中でどんどんBtoB Webアプリケーションの面白さにハマった。BtoBで扱う課題は大きく複雑なことが多い。明らかに非効率で非本質的な業務が生まれてしまっていたり、明確なストレスを半ば強制的に受けることになる人がいたりする。プロダクトを開発する意義が分かりやすいのが自分の性格に合っているんだと思う。ユーザーが理解して扱わなければならない概念や状態や変数が多くて複雑な傾向にあるのも、設計のしがいがあって良い。
もっとこの領域に集中してもっと沢山のことに責任を持ちたいと思って転職に至った。

SmartHRに入社した一番大きな理由はプロダクト開発に対する思想だった。デザイナーが責任を負うべきはユーザーとプロダクトの界面であってデザインファイルではないとか、デザインとエンジニアリングは不可分であるとか、デザイナーだけがデザインをしないとか、アクセシビリティは人権問題だとか、UXをデザインすることなんて出来ないとか...。自分がぼんやり思っていたけどやり切れていなかったことが、SmartHRではより解像度の高い思想として掲げられ、実行されていた。Twitterでフォローしていた思想が合いそうなデザイナーのうち何人もがSmartHR所属だったことが選考前後で分かったときはもはや怖くて笑った。

入社してみて

思ったよりなんとかなっている

入社前はとんでもなくスキルフルな人たちの巣窟で、とんでもなくハイレベルなことが行われているんじゃないかと思っていた。この業界での経験が浅く、あまり同業者との交流もしてこなかったが故だとは思うけど。実際にはこれまで自分がやってきたプロダクト開発の延長線だった。延長線で、思想を持って品質高く開発がなされていた。プロダクト開発に限らないが、何かを作ったり変えることは結局は漸進的な活動なんだと思う。

ユーザーの価値を中心にプロダクト開発が進む

ユーザーの価値や使いやすさにここまで組織として関心を持ってプロダクトを作っているとは思っていなかった。デザイナー以外の職種が自然とそれらを意識して業務を行っている。私の設計にもガンガン突っ込んでもらえる。本当に最高。デザインはデザイナーだけがやっていることではない。自覚しているかに関わらず、ユーザーとの界面に繋がる仕事をする全ての人が何かしらの設計を行っているし、行わざるをえない。だから、ユーザーの価値や使いやすさへの関心をデザイナーに任せっきりでそれらを自分の領域と見なさないような職種が集まった組織のプロダクトは大抵使いづらい。デザイナーの力だけで使いやすいプロダクトを作ることなど無理だ。

この会社はお金を大事にしている

残念ながらお金は空から降ってこない。株式会社として資本主義の枠組みの中で事業をやっているなら、お金という動力からは逃れられない。それが嫌なら別の枠組みでやるしかない(別に私もこの仕組みが大好きなわけではない)。SmartHRのプロダクトデザイングループ(以下プロデザ)はここに敏感なように見える。メチャクチャな極論を言ってしまえばプロダクトデザイナーが居なくても物は作れる。特にこの会社の根底の価値観を持ってすれば尚のことだろう(もちろんそれは先人のプロデザの啓蒙の結果だとは思う)。プロデザの人々は自分たちがなぜこの会社でグループを組織し、人を雇い、給料を受け取っているのかを大事にしている。私は世界の有名企業が低品質なインターフェイスやEvilな施策でビジネス的な成功を上げているのを見るたびに、ビジネスにおけるプロダクトデザイナーという職種の必要性が不安になる。自らの必要性を考えることが当たり前の環境は凄く嬉しい。

思ったよりもプロダクトは未完成だし、デザイナーも多くない

SmartHRなんてもうプロダクトデザイナーだけで11人も居て、沢山のユーザーに使われる完成されたプロダクトでしょ〜〜と思ってた。自分が出来ることなんてもう残ってないだろうと思ってた。実際これはカジュアル面談や選考でよく聞かれる質問らしい。
そんなこと無かった。やること沢山あります。SmartHRって外から見ると1つのプロダクトに見えるけど、実際には複数のプロダクトによって構成されている。それぞれドメインや想定ユーザーや使われる状況もプロダクト規模も違う。サービス開始当初からのプロダクトだけではなく、ここ1,2年で生まれた未成熟なプロダクトもまあまあある。それぞれのプロダクトごとにスクラムチームが組成されているケースが多いのだが、そのチーム数は優にプロデザの人数を超えている。プロデザの働き方は1チームに対して必ず1人のプロデザが付く形に限らないけれど、それくらい貢献の余地はあるイメージ。

ここでやりたいこと

今自分が見ているプロダクトはそれなりに新しく、まだまだ救える人事労務の業務が沢山ある。まずは、このプロダクトが救える範囲を広げていきたい。業務の効率化だけでなく、結果的に人事労務の業務や制度のあり方にも良い影響を与えられたら最高だ。
プロダクトデザイナーが事業やプロダクトにいかに貢献すべきかも最近は気になっている。デザインという行為がプロダクト開発、特にスクラムを採用する組織でどのように行われていくべきかももっと探っていきたい。
コードとデザインが分断されてはいけない、不可分である。という意識はずっとあるものの、未だそれを上手くプロダクト開発の場で実践出来ていない感覚がある。"デザイン"に囚われず、プロダクトを良くするための方法を色々試していきたい。

一緒に作ろう。最高ソフトウェア

この記事で書いている内容は本当にSmartHRの限られた側面でしかない。他のプロデザの面々による秀逸な記事や、鋭意制作中のProduct Design WikiSmartHR Design Systemちいさくはじめるデザインシステムを読んで少しでも気になったらぜひ気軽にカジュアル面談に来てもらったり、選考に応募したりしてほしい!ハードルが高ければ私のくだらないTwitterにでもDMをください!

今年は新卒採用もしています!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?