[全文無料: 小さなお話 011] がんばる必要なんてないんだよ
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ねえみんな知ってた? 本当はがんばる必要なんてないんだってこと。
がんばるのが好きな人に、がんばるなって言うわけじゃないんだよ。
がんばりたくもないのに、「がんばらなくちゃ」と思ってるキミに言ってるんだ。
人生っていうのはさ、ただこの瞬間に感じていることを味わえばいいだけなんだよね。
きちんと今を味わうことができれば、他には何もする必要なんてないんだよ。
ヘンな話だと思うかい?
何もしないで「ただ今を味わってればいい」なんて?
でもキミが「生まれたての赤ちゃん」だったときのことを思い出してほしいんだ。
この世界に生まれ落ちて、初めてオギャーと産ぶ声を上げた、キミはただその泣き声をあげることだけに、全力を集中していたはずだよね。
赤ん坊だったときのことなんか、思い出せるわけないって?
まあ、それはそうかもしれない。
でもね、記憶の奥底に、言葉にはならないままでひっそりと存在している、意識では届かないあの日の記憶が、キミにだって確かにあるはずだよ。ただ裸のままで生きている、その瞬間に感じていることを味わうだけで幸せそのものだった、そんな時代が確かにキミにもあったってことは、絶対間違いのないことさ。
冬の青い空のすがすがしさや、初夏の暖かい風が優しく頬を撫でるときの心地よさ、そして、秋の風でイチョウの葉がはらはらと舞い落ちるのを見るときの切ない気持ちを、キミはちゃんと感じて生きているかな? そういう小さな幸せの瞬間さえきちんと味わってさえいれば、他には何もいらないんだってこと、キミは分かるかな?
だってさ、自然が与えてくれる小さな秘密さえいつも忘れずにいたら、わざわざがんばる必要なんてなくなっちゃうんだよ?
あれをしなきゃ、これをしなきゃとか、ああしてはだめ、こうしてはだめとか、そんなことは考えないでも、自然に体が動くようになるんだよ。だってぼくたちの生命力は、本当は無限なんだからね。
どこで僕たちは間違っちゃったんだろうね。どうしてこんなに毎日毎日、命をすり減らして生きることになっちゃったんだろう……。
でも、そんなことだって考える必要はこれっぽっちもないんだよ。
そんなことを考えてる暇があったら、今キミの体に何が起きているかをじっくり感じてみればいいのさ。今この瞬間にキミが感じていることを、身体全体で味わってやればいいのさ。それさえできれば、間違いなんかどこにもなかったんだってことが分かるんだから。
だからまずは、ゆっくり三回深呼吸でもしてみてよ。鼻から冷たい空気を ゆーっくり胸いーっぱい吸い込んでね。そして次は細ーく長ーく、体の中の空気を全部吐き出しちゃってさ。そうやってゆっくり三回深呼吸すれば、普段は意識できなくなってる、今まさにキミが感じていることを、少しばかり味わうことができるようになるからね。
朝起きたときや夜寝る前に、そして気がついたときにいつでもいいんだ。三回ゆっくり深呼吸をしてみてよ。
そこからすべてが始まるんだ。
もうがんばる必要なんかないんだって、じきにキミにもわかるはずさ。
[2019.1.12. 西インド、プシュカルにて]
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