006 麻雀と時代精神と「人間の多様性」の話

いつもまったりとした日常を記事にしてくれているウマハゲさんが「無駄に足掻くオッサン」という記事を書いてらっしゃっていて、

https://note.com/hage4106/n/n6aa78cab1565

それはふた月ぶりの投稿でその間何もしてなかった、と書いてあったので、そいつは結構と思った。

特別に書くことなどのない平凡な日常って、素晴らしいじゃないすか。

と言っても、その間オンラインで麻雀をやっていたんだって。
僕も昔はだいぶやりました。 へたの横好きですけど。

で、ウマハゲさんは麻雀を通して自分を振り返って
1 詰めが甘い、
2 小手先で何とかしようとしている、
3 自分への厳しさがなさすぎる、
という風に自分の悪いクセに対する気づきを書いてらっしゃるんですが、三つとも僕も当てはまるのでおもしろい。

麻雀というゲームは4人のメンバーが必要で、短くても 30 - 40分から 長ければ数時間でも数十時間でもやってられるようなものなので、今時これをやる人はずいぶん少ないんでしょうかね。

そしてこれが、 将棋や囲碁のように実力だけで勝敗が歴然と決まってくるものではなくて、 偶然性が関わってくるところがゲームに奥行きを持たせているので、運をも自分に引き寄せるための駆け引きとでもいうところがかなめになっていて、そこがなかなかの醍醐味なのです。

それで、 コメント欄に「その弱点、僕も3つとも当てはまる 」と書いたところ、 ウマハゲさんとは生まれ年が同じなので、「 時代の特徴でしょうか」という答えが返ってきて、「 おー、 そういう見方もあるか」と意外性に打たれたのでした。

詰めの甘さと小手先勝負、そこに自分への厳しさの欠如と、 この三つを時代だけでくくるのはちょっと苦しくも思いますが、 時代精神というのも確かにありますよね。

いわゆる世代論的には、1970年あたりから使いだされたという三無主義(無気力・無関心・無責任)と重なるような気もするじゃないですか。詰めも甘く、自分にも甘く、小手先勝負ばかりしてるなんて。

ウマハゲさんは真面目な方なので、

❝❝
これまでの人生で暴牌を打ってきた私にはまだまだ遠い道のりのようだ…なんとか①〜③のどれかひとつでも超えることが出来ないもんだろうか?
❞❞

と今の自分を超えるために、今夜も麻雀を通した自己研究に余念がないものと思われますが、ぼくはやっぱりちゃらんぽらんです。

うちの奥さんにいくらガミガミ言われても、危険な暴牌を振り続け、崖っぷちで綱渡りばかりし通しなのに呑気な顔をして、その実こころの中では「あーもーオレだめ」とか思ってる、ノーベル投げやり賞があればぜひ推薦していただきたく思うような人間ですので、今日もこのような駄文を書き連ねて皆さまの心地よい暇つぶしに少しでも貢献できたらとない知恵をしぼって自動書記的文章生産に励んでおるのでした。

というところで唐突ですが、今日の結論めいたものをつけ加えることにします。つまりです、やっぱり多様性ってのが大事だと思うんですよ。

人は一人ひとりそれぞれ違う、人間の多様性ってことです。

たかだか100年ほどの決して長いとは言えない人生なんですから、どうせなら人に誇れるような立派な人生が送りたいなどと、あなたは大きな野望を抱いてしまうかもしれません。

もちろんそれは、それでよし。

でも、誰も気づいてくれなくても、ひっそり道ばたで咲いている雑草の小さな花のような人生だって、別に悪くないじゃないですか。

野に咲いた花の精が、四つたり集まって麻雀の研鑽をしたっていいんだし、インドでは今日も乞食坊主の方々が、チラムを回して聖なるハーブ大麻草を吸って神々のビジョンを楽しんでらっしゃいます。

今は苦しくてしょうがないあなたの人生だって、流れの変化というものをひょっと受け入れることさえできれば、すっと安らぎの世界に入っちまわないとも限りません。

周波数を合わせる訓練ばかりさせられ続けてきた結果、モーレツな同調圧力の下でぺしゃんこになりかけている自分にすら気づけなくなっちゃってはいませんか?

自分は人とは違うし、周りの人だって本当に一人ひとり違うんだっていう当たり前のことを思い出して、一日のうちの5分で10分でも、「これこそ自分がやりたいことだ」と言えるようなものを、そんなもの簡単には見つけられないかもしれないけど、「とにかく今はこれをやるぞ」と一人よがりの決め打ちをして、一人として同じ人間はいない国士無双の、この現実世界をたくましく生きたいではありませんか!?

というわけで結論部がやけに長引きなぜか熱量が上がってしまいましたが、この記事はこの辺で閉めることにいたしましょう。

それではみなさん、ナマステジーっ♬

☆ちなみに麻雀小説といったらやっぱりこいつですよね。

阿佐田 哲也「麻雀放浪記(一) 青春編」 (1979 角川文庫)
https://amzn.to/3xJT6nK

#望洋亭日乗 #エッセイ #コラム #文芸 #作家志望

[みなさまの暖かいスキ・シェア・サポートが、巡りめぐって世界を豊かにしてゆくことを、いつも願っております]

いつもサポートありがとうございます。みなさんの100円のサポートによって、こちらインドでは約2kgのバナナを買うことができます。これは絶滅危惧種としべえザウルス1匹を2-3日養うことができる量になります。缶コーヒーひと缶を飲んだつもりになって、ぜひともサポートをご検討ください♬