見出し画像

4.17(58/89日目) 遭難

11時。連泊は出来ないと言われていたためホテルをチェックアウト。

新しい宿を見つけて、改めてスフォルツェスコ城に行きじっくり観てみたいので安宿が集まっているという地域に行ってみる。

一軒目のひとつ星のホテルへ。

イタリアのホテルは一つ星でもちゃんと受付があり、スペインよりきれいに感じる。

しかし満室で断わられたので次のホテルへ。

二軒目も満室との理由で断られ...、三軒目も同じ理由で断られた。

一時間で新しい宿を見つける予定だったが、断られ続け夕方になってもいっこうに見つからない。

おそらく20軒ぐらいは回ったが、どういうわけか全でCompleto(満室)。

時間が遅くなればなるほど安宿探しは不利になるので早く見つけたいが、いったん休憩し腹ごしらえのため立ち食いピザ屋に入る。

ショーケースにあった8分の1にカットされたピザを注文。日本円で1,000円しないが、具がどっさり乗っていて、やはり本場だけあってめちゃくちゃ旨かった。

日本でデリバリーするピザのパン生地とは違って薄い生地が美味しかった。

ひと休み後、気を取り直して宿探しを続行。

しかし...、断られ続けた。

18時。クタクタになった足は動かなくなり、ついに宿探しをあきらめた。

なぜかわからないが、今日ミラノの安宿は全て満室のようだ。

このままいくと、野宿となってしまう。

働かない頭で、おそらく自分と同じような宿を見つけられない旅行者が駅にいるかもしれないと思い、とりあえずミラノ中央駅に行ってみた。

重い足で駅に辿り着くと、案の定一人の日本人を発見。

話しかけるとやはり自分と同じ状態で、ミラノで泊まるのをあきらめ今から電車で40分程北にある 「コモ」という街に移動するとのこと。

その人の話によると、今週末はミラノで世界的な家具の見本市があるそうで、その来場者でミラノの宿という宿は満員状態になっているとのこと。

行き当たりばったりの旅が裏目にでた...。

その人と意気投合して、電車で一緒にコモに行くことに。

40分後、コモの駅に着くと自分達と同じようなバックパッカーがいたのでユースホテルの場所尋ねてみる。しかし、

「オレ達もユースホステルに行こうと思ったが、Fullらしいよ」

なんとなんとコモの宿もFull?!

冗談ではなく膝から崩れ落ちそうになったが、座り込んでもしょうがないので、この後のことは電車の中で考えることにして2人で一旦ミラノに戻った。

20時。ミラノに戻ってきた。
駅のベンチで2人で考えて出た結論は

「野宿」

夜遅くなり移動手段もなくなってくるので、今から知らない街に行って野宿するよりは都会のミラノの方がましだと思ったのだ。

中央駅で一晩明かそうと思ったが、現地のやんちゃそうな風貌の方達がチラホラ集まって来ていて、駅も閉鎖されそうになったので、駅を出てオフィス街方面に移動する。

オフィス街は予想通り人通りはほとんどなく、閑散としている。

休めそうな場所を探していると前からアジア人の男女の2人組が歩いてきた。女性の方は大きなスーツケースを引いていたので声をかけると日本人。自分たちと同じ状況とのこと。

4人で夜を明かすことになり、深夜まで営業してそうな爆音のBGMが鳴り響くカフェに入り、おしゃべりをして時間を潰した。

深夜2時。

そのカフェも閉店になり、追い出されたので街中のベンチなどで雑談しながら朝を待った。

睡魔に襲われるも、全員で声を掛け合いほっぺたをつねり合いながら、寝落ちしないように必死に耐え抜いた。というか寒すぎて迂闊に寝たら帰ってこれないんじゃないかという危機感があった。まるで街にいながらエベレスト登山をしているようだった。

なんとか朝まで持ち堪え4時30分、日本なら始発が走り始める時間になったので中央駅に戻ってみた。駅に着くとすでに開いていたのでチケットを買い極寒の外よりはいくらかマシな待ち合い室に入った。命拾いした。

特にジェノバに行く予定はなかったが、近いからと言う理由だけで購入(切符を買わなければ駅の中にはいれない)。
待ち合い室で半分寝落ちそうになりながらさらに待つこと4時間。8時45分のジェノバ行きの電車に無事乗車出来た。

一夜を共にした他の3人は…、一人はミラノ滞在の予定をキャンセルしスイスのジュネーブに、もう一人は自分と同じ理由でパドヴァに向かい、 もう一人はミラノに留まって宿を探すとのことだったのでそれぞれ握手をしてお別れの挨拶。一晩いただけとは思えない絆を得たような気がしたものの、皆眠すぎたので感慨に浸ることもなくあっさりと解散した。

本日の出費

朝食 7,900Lit
昼食 4,500Lit
夕食 9,000Lit
電車 5,200×2=14,000Lit
コインロッカー 5,000Lit

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?