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3.11(21/89日目) やりすぎ爆竹ショー

朝8時。外の騒音で起床。
祭りのせいで外が騒がしいのではなく、このホテルの防音がほとんど出来ていないためであった。

ホテルのトイレは水が流れないので近くの駅まで歩いた。駅のトイレは25Ptsコインを入れないと開かない仕組みになっていて、仕方なくコインを入れて用を足した...。一度ならいいが、毎度トイレに行くたびにお金を払うなんてちょっと耐えられない。

昨日、2日分前払いしてしまったので1泊分損することになってしまうが、今日宿を出ることに決めた。お祭りの開始を翌日に控え、世界中から観光客がやって来ているので分は悪いが昨日目星を付けていた宿を回ってみることにした。

ちなみに今日は10時の時点で15℃、やはりエステポナに比べると気温は低い。スペインに来て2度目の曇り空である。 

宿探し1軒目。

市庁舎広場とサンタ・マリア大聖堂の中間あたりにあるホテルへ。エレベーターで3階まで行くとスーパマリオみたいな雰囲気の陽気なご主人が出てきた。婦人(多分)もすごく美人で綺麗なバス・トイレも完備で2,400Pts!

最高!と思ったが明後日からはfullなので2日間だけならOKとのこと...。

2軒目。

地球の歩き方にも載っていた2,700Ptsのホテルへ。しかしここも今日は泊まれるが明日からは予約が入っているといわれた。

「祭りが始まれば19日(最終日)に近づくにつれても値段が上がっていくよ。」

と主人が教えてくれた。ホテルはかき入れ時だから仕方ない。

3軒目。

一階がロテリア(宝くじの売店)とカフェのホテル。

カフェの奥の階段を上がるとホテルにつながっているという設計。市庁舎広場からも近く立地条件はOKなのだが、ホテルを出入りする度にカフェのカウンターで鍵をやり取りしなければならない。

ウェイトレスの人たちは皆美人ばかりでよかったが、男性ウェイターはイカツイ体格で用心棒的な雰囲気、目つきも鋭い...。男性ウェイターしかお店にいない時は鍵を借りるのに勇気が必要になることだろう。うまく説明できないがカフェとホテル自体がなんとなくマフィア的な雰囲気が漂っていて正直少し怖かった...。

受付で空き部屋があるか聞いている丁度その時、黒い背広を肩に掛けた70歳ほどのマフィアのドンみたいな男が来店して、後ろから取り巻きらしき屈強な図体の男が入って来たのでビビった。しかし宿の方を任されているお年寄り夫婦は悪い人ではなさそうだった。

試しに部屋を見せてもらうと、歴史を感じる少し上品なクラシカルな雰囲気の部屋で、バス・トイレもしっかり機能している。さらに20日までの10泊で20,000Ptsで良いと言ってくれた。1泊2,000Ptsである。

今日のムダにしてしまった一泊の宿代2,400Ptsを10で割ったとしても2,400Ptsの宿に20日まで泊まるより多少は安く泊まれる。ホテルの出入りがハードルが高すぎるがなかなか良いホテルのように思えた。

穴場を見つけてしまったのかもしれない。ココに決めた。
夫人に宿代を前払いし、すぐにDon Pelayoに戻り荷物をまとめ「Hostal JEYO」に移った。

あらためてバレンシア観光スタートである。

13時過ぎ、バレンシアの中心地である市庁舎前広場に行ってみるとかなりの大人数が集まっていた。この様子だと間もなく何かがここで始まりそうな気配だ。

キョロキョロしながら待っていると、自分のすぐ後ろで急に人ごみが直径5mほどぽっかり穴が開いた。何事かと思い皆の視線を追うと、そのサークルの真ん中で10cmほどの爆竹が火花を散らしていた...。
まさかこんな人ゴミのど真中で花火 !? と思った瞬間

「ドン!!」

と、どデカい爆発音をたて爆発した。爆竹と言っても日本のものよりも2回りほど大きく、耳なりがしばらく止まなかった。
火祭りといっても「炎」だけじゃないらしい。火薬も含まれているようである。

ぽっかり空いた人混みの中の空間は一瞬で塞がり、時間が経つにつれて人口密度が高くなっていき、14時ちょうどになったところで花火が打ち上がりはじめた。見物客も盛り上がり始め、最初は2秒おきくらいに花火が一発ずつ

「ドーン!」「ドーン!」「ドーン!!」...

普通だな、などと思っていると徐々に打ち上がる花火の数が増えてきて、同時に地上では太鼓が連打されているように爆竹が

「ドドドドドド!!!ドドドドン!!!!」

となり始めた。さらに花火の量は増えていき、爆音と火薬の匂いと煙で戦場にいるかのような雰囲気になってきた。

最後の1分は花火の爆発音が何重にも重なり合い 

「ドドドドドドーー!!!! ド ーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

という一つの音に包まれ、体が空気圧で押し潰されそうになった。 

10分程で爆音のショーが終了。

終了と同時に見物客は大興奮で全員拍手喝采。無意識のうちに頭の上で手を叩いていた。とにかくすごい迫力の花火だった。

祭りの前日なのにこの盛り上がり。明日からどうなることやら。
ちなみに祭りの間中、毎日14時に行われるこの爆竹ショーは「マスクレタ」呼ばれるらしい。

昨日見た市役所前広場のメインの人形を改めて見てみると、地面に散らばっている人形の部品から推測するにNIKE(ニケ)像になると推察出来た。

クレーン車を使って組み立てている。このパーツの大きさから想像すると軽く20m以上にはなりそうである。これを祭りの間中組み立てて、

完成したら → 燃やす。

なんと豪快な祭りなんだろう...。  

この旅行は写真は撮らないで記憶にしっかりと留めておこうと決めていたが、この火祭の様子は絶対に記録に残したほうがいいと思い、急遽使い捨てのカメラを購入。バレンシアを出る前に一旦貯まった荷物を日本に送ろうと思っていたので、このカメラも一緒に送れば荷物にはならないだろう。
現像は日本に帰ってからやるとする。 

感動したままホテルに戻り、カフェのカウンターで鍵を借りて部屋まで上がったが、部屋の鍵を間違えて渡されていたようで、20分以上ドアの前で鍵と格闘するというハプニングもあったがなんとか無事部屋に戻った。

昼の花火の余韻でドキドキが収まらず中々眠れない...。
明日の祭り初日が楽しみである。 

本日の出費

昼食 600Pts
夕食 600Pts 
ホテル(10泊) 20,000Pts
カメラ 1,800Pts

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