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「総特集 佐藤史生」 「傑作短編集 夢喰い」発売中です!


こんにちは、図書の家です。
図書の家編集本の最新刊は『総特集 佐藤史生 少女マンガが夢見た未来』『佐藤史生 傑作短編集 夢喰い』の2冊。

発売から一週間ほどが経ち、ご予約いただいていた方や、発売をお待ちいただいていた方のお手元にも続々届いているようです。SNS等での感想なども拝読しています、ありがとうございます!

佐藤史生先生は1977年にデビューし、70年代には『別冊少女コミック』、80年代以降は『プチフラワー』『グレープフルーツ』等で活躍した少女マンガ家です。
残念ながら2010年に早逝されており、結果的に執筆活動期間が短かったこと、そもそも寡作であったことなども相まって、リアルタイムで作品に触れた方以外には、知られているとは言い難い存在だったかと思います。

緻密な描線が紡ぎ出す壮大なスケールのSFやファンタジーは、SF/ファンタジーと親和性の高い少女マンガにおいても際立って独特で、ひとつの到達点といっても過言ではありません。
当時的には難解とも評されたその作品群は、今、わたしたちが立っている世界をほぼ正確にトレースしており、驚かされることもしばしばです。

たとえば代表作のひとつ「夢みる惑星」(80〜84年連載)で扱われるのは予見された大地殻変動で、「ワン・ゼロ」(84〜86年連載)で描かれるのはコンピューターに侵食される未来社会。むしろ、今の時代に読むことによってより共感が増し、その真価がわかる作品が数多くあるのです。

『総特集 佐藤史生 少女マンガが夢見た未来』では、新規インタビューを入れることが叶わなかったぶん、かつて雑誌等に掲載されたインタビュー記事のなかから選り抜いて再録しました。

また、萩尾望都先生、木原敏江先生、徳永メイ先生など、生前の佐藤先生をよく知るゆかりの方々に思い出を語っていただくインタビューや寄稿を多数収録しています。
そのひとり、坂田靖子先生はインタビューにお答えいただいたほか、佐藤先生と交わした手紙を本当にたくさんお貸しくださいました。そのほんの一部しか書籍には収録できませんでしたが、文面が読めるような形で掲載しました。当時の時代や、おふたりの仲の良さがわかるとても貴重な内容かと思いますので、ぜひ『総特集』をお手にとって読んでいただけたらと思います!

また同時発売となります『佐藤史生 傑作短編集 夢喰い』では、佐藤史生作品の中から、今も色褪せぬ短編の数々を収録しました。こちらを読むだけでも、佐藤史生という作家の特異性、唯一無二の魅力を堪能していただける作品をと、せいいっぱい選びました。デビュー前の同人誌発表作からキャリア最盛期の作品まで全8編となっています。

これらをきっかけに、再評価の機運が高まること、佐藤史生作品が末永く愛されることを願っています。
『総特集 佐藤史生 少女マンガが夢見た未来』『佐藤史生 傑作短編集 夢喰い』、どうぞよろしくお願いいたします!

発売に先駆けて行われ大好評を博した原画展のグッズも、近く通販開始予定です。情報出ましたらまたお知らせいたします。こちらもよろしくお願いします〜!!


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