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図書館の図書館《児童書編》

作中に図書館が出てくる児童書を紹介します。
図書館がメインの作品だけでなく、ちらっと出てきただけのものも含まれています。

子どもの頃からたくさんの本にふれあえる施設が身近にあるのは素敵ですね。

【最終更新 2024/01/17】

 

1『図書館にいたユニコーン』
マイケル・モーパーゴ 作
ゲーリー・ブライズ 絵
おびかゆうこ 訳
徳間書店
2017年
トマスは、教会や学校に行くのは嫌いで、自然の中を駆け回るのが好きな少年だった。ある雨の日、母親にむりやり、村の図書館へ連れて行かれる。そこにはお話上手の司書と、まるで本物のようによくできた木彫りのユニコーンが待っていた。いつの間にか、本とお話に引き込まれていくトマス。やがて、のどかな村に戦争の火の粉が降りかかり、図書館も容赦なく爆撃の標的にさらされる。

 

2『12歳 ぼくの行動計画』
山花郁子 作
岩淵慶造 絵
小峰書店
1985年
岡野伸幸、通称「のっくん」は、父親を知らない。のっくんのお母さんは、いわゆる未婚の母だ。お母さんは37歳の誕生日パーティーで「独立宣言」をする。祖母や親戚の揃う実家を出て、のっくんと二人でマンションに住むことにしたのだ。お母さんは図書館の児童室を担当するベテラン司書だ。彼女の部屋は「ホームライブラリイ(家庭文庫)」という名称がつけられ、壁面いっぱい天井まで届く本棚に、絵本を中心とした子どもの本がぎっしり並んでいる。

 

3『ぼくらの館長さん 子ども図書館物語』みんなで話しあおう!にんげん発見シリーズ③
伊藤始
金の星社
1998年
塾のテストに遅れそうになり、自転車を飛ばして事故を起こしたケン。道端で説教してきたおじさんは、私設児童図書館の館長だった。結局テストに遅刻したケンは、図書館に「フクシュウ」をたくらむ。

 

4『図書室のふしぎな出会い』
小原麻由美
文研出版
2014年
足の怪我でサッカークラブの練習に参加できない勝は、夏休み、司書の朝倉先生に頼まれて、本の整理をすることになる。図書室には地下倉庫があり、古い本がつめられていた。一人で作業していたはずなのに、気がつくと、女の子がいる。少し古そうな洋服を着て、本を探しているという彼女。学校には在籍している形跡がない彼女はいったい誰なのだろう?

 

5『うみのとしょかん』
葦原かも 作
森田みちよ 絵
講談社
2016年
『うみのとしょかん チンアナゴ3兄弟』
2017年
海の中の図書館では、色々な生き物達が本を楽しんでいる。本は海草でできていて、水の中でも大丈夫。この図書館を管理しているのは若いヒラメで、皆が読みたい本を探す手伝いをしている。

 

6『ねこの町の本屋さん ゆうやけ図書館のなぞ』
小手鞠るい 作
くまあやこ 絵
講談社
2018年
ねこのクララは、子どもの頃から本が大好きで、ねこの町で本屋を開く。ある日、ご近所でパン屋を経営するリリアさんから、犬の村に図書館があるという話を聞く。明くる朝、クララは、犬の村の図書館を訪れる。皆が楽しく過ごす図書館を見て、クララの本屋もたくさんの人が楽しめる本屋にするためにリニューアルすることを決めた。

 

7『つづきの図書館』
柏葉幸子
講談社
2010年
田舎の図書館に司書として勤めることになった山神桃さん。初仕事に奮闘する桃さんに、「青田早苗ちゃんのつづきが知りたい」と言う者が現れた。彼はなんと、絵本から出てきたはだかの王様だった。昔、自分を借りてくれた青田早苗ちゃんは病院に入院していて、その後どうなったのか知りたいという。それからは色々な本から登場人物が飛び出して、桃さんの周りは賑やかになっていく。

 

8『空へつづく神話』
富安陽子
偕成社
2000年
 理子は、学校の図書室で古ぼけた本を拾う。それと同時に現れ、あっというまに消えた不思議なおじいさん。地元・津雲の歴史や伝説が乗ったその本を借りて帰ると、自分の部屋に先ほどのおじいさんが現れた。彼は土地神で、自分の名前を忘れていた。なくした記憶を取り戻すため、地元の名所をまわったり、図書館で郷土史の本を調べたりする。

 

9『長いながい道』
竹内恒之
偕成社
1980年
正一の父は目が見えない。地域に視覚障害者が安心して通ることのできる道を作ってもらえるよう、活動を行っている。点字ブロックや音の出る信号機、道案内のスピーカーの存在を教えてもらったり、食事の際の決め事や困ったことなどを知る。夏休み、正一は新宿に出て、点字ブロックの上を歩いて点字図書館まで行く計画をたてる。

 

10『坂の上の図書館』
池田ゆみる 作
羽尻利門 絵
さ・え・ら書房
2016年
春菜は母親と一緒に自立支援センターに引っ越してきた。センターの隣には市民図書館が建っていた。春菜はセンターの職員の大久保さんにすすめられて、図書館に足を踏み入れる。読み聞かせにひかれて、思わず本を借りたいと手をあげてしまう。それからは本に夢中になり、内気だった春菜はだんだんと明るく積極的になっていく。

 

11『ローズの小さな図書館』
キンバリー・ウィリス・ホルト 作
谷口由美子 訳
徳間書店
2013年
パパが出ていき、家族のために働かなくてはいけなくなった14歳のローズは、年齢を誤魔化して移動図書館の運転手として就職する。

 

12『金の月のマヤ』
1-3巻
田森庸介 作
福島敦子 絵
偕成社
2013-2014年
ある日突然、異世界〈シャドウイン〉へ迷いこんだマヤは、精霊「エルマ」を操り、魔法でこの世界を救うために魔法学校に通うことになる。怪しい人影を追い、学校の図書室からさらに広大な「影の図書館」に入り込む。この図書館には、古代の賢者の本や、恐ろしい魔物を封印した本もあるといわれている。

 

13『ひみつの図書館!』
1-4巻
神代明
集英社
2014-2015年
引っ越しでまだ友達ができないまつりは、よく話しかけてくれる小塚さんと、なんとか仲良くしようと奮闘している。近頃、同級生の桐谷がよく水難にあう事件が頻発していた。「不思議な出来事が起きたら、飛島神社にある御神木の洞に手紙を入れろ」小塚さんが祖父から伝え聞いている話を実行しに飛島神社を訪れたまつりは、気がつくと不思議な図書館に迷いこんでいた。そこは、登場人物たちが飛び出してしまう特殊な本を納めた『特殊閉架図書館』通称『ひみつの図書館』だった。桐谷の水難は、元はまつりの持っていた絵本『人魚姫』の登場人物が原因と知り、まつりは事件解決のために絵本から出てきた主人公の人魚姫と一緒に奔走する。
まつりは司書見習いとなり、ひみつの図書館のメンバーと共に、様々な特殊本の事件解決に臨む。

 

14『よるのとしょかん だいぼうけん』
村中李衣
BL出版
2015年
くまのぬいぐるみのくまきちは、図書館のぬいぐるみおとまり会にやってきた。ぬいぐるみの仲間たちや、本から出てきた騎士や熊、ドラゴンたちと夜の図書館で冒険する。

 

15『読書介助犬オリビア』
今西乃子
講談社
2009年
オリビアは、ドッグシェルターで安楽死寸前のところを、看護師のサンディに救われた。サンディはアニマルセラピーに強い興味を持っていて、一緒にボランティア活動をするセラピー犬を育てたいと考えていたのだ。病院や福祉施設をまわり、人々の笑顔をしっかり感じながら、もっと他の場所でも、自分とオリビアに何かできることはないか思いを巡らせる。ある日、サンディはオリビアと絵本を読んだ出来事から、子供達が犬に本を読み聞かせるプログラムを考案する。ソルトレークシティー中央図書館の知人に協力をあおぎ、"R.E.A.Dプログラム"(Reading Education Assistance Dog -読書介助犬)をスタートする。

 

16『王さまゆめのひまわり』
寺村輝夫
フォア文庫
2003年
「ぼくは王さま」シリーズ パート2の2巻。
王さまが一人で好きな勉強ができるよう、お城の中に図書館をつくることになった。図書館を設計したレオドナールという男から、王さまは不思議なひまわりを貰う。ひまわりはレオドナールをクビにしないかぎり、何でも願いを叶えてくれるのだという。

 

17『無限×悪夢 午後3時33分のタイムループ地獄』
土橋真二郎
集英社
2019年
転校生のユウトは、新しく所属する6年4組の皆に自己紹介をしている途中、耳鳴りとともに不思議な悪夢の世界に取り込まれてしまう。悪夢は毎日午後3時33分になると強制的に始まり、このタイムループを終わらせるには、あたりをうろつく怪物に捕まらずに悪夢を見ている本人を見つけないといけない。ユウト達は無事に悪夢から抜け出せるのか?
現実の世界ではユウト以外誰も悪夢のことを覚えておらず、クラスメイト達に話してもなかなか信じてもらえない。そういう小説を書こうとしているのだと思われ、調べ物があるなら図書室がいいと連れていかれる。ユウトはパソコンの検索システムを使って悪夢についての本や、怪物のヒントを得ようと生き物や動物に関する本を探す。

 

18『あやかし図書委員会』
羊崎ミサキ
PHP研究所
2019年
本嫌いの小学生・ミサキは、担任の先生から提出した読書感想文にやり直しを食らって、図書室で書き方を教わるよう言われる。渋々足を運んだ図書室では、様々なあやかしたちが図書委員として活動していた。読書感想文のために適当に選んで借りた本が途中から白紙になっていたことが、物語を食べてしまう悪いあやかしの紙魚の仕業だと知り、紙魚から本を守るために、あやかしを見る霊感のあるミサキも図書委員になる。図書委員のあやかしたちにすすめられ、色々な本を読むうちに、ミサキはだんだんと本が好きになっていることに気づいて…。

 

19『ももいろハート そのこリュウ』
沢田俊子 作
長野ヒデ子 絵
汐文社
1996年
龍平の妹・園子は繊細で、家族が喧嘩をしたりするとストレスでひきつけをおこし、石のように固まってしまう。龍平は妹を守らなければならない兄としての使命感から、園子の面倒をよくみていた。ある夏の日、喧嘩をはじめた母と兄から逃がすように、龍平は園子を一駅先の図書館へ連れ出す。閉館時間まで図書館で過ごし、恐竜の本が気に入った園子のために何冊も本を借りて帰る。

 

20『強くてゴメンね』
令丈ヒロ子 作
サトウユカ 絵
あかね書房
2007年
小学五年生のシバヤスこと柴野是康は、ある冬の朝、クラスで人気の大人しくか弱い美少女・陣大寺あさ子が事故で曲がったガードレールを怪力で真っ直ぐに直しているところを見てしまう。力が強いことを周囲に隠したい陣大寺の願いで、誰にも言わないことを約束するが、二人で深刻な顔で話し合っていたことがすぐ噂になる。隠し事が苦手で挙動不審になりながら本当のことが言えないシバヤスは教室に居づらく、昼休みの時間を潰すために、普段は頭の片隅にもなかった図書室の存在を思い出して入ってみる。しかし、大きな音や声を出してにらまれたり、静かに読書する生徒達の隣には座りにくい雰囲気だったり、パソコンは本の検索しかできず自由にネットを見られなかったりで居心地の悪い思いをする。

 

21『そして五人がいなくなる』名探偵夢水清志郎事件ノート1
はやみねかおる
講談社
1994年
四月一日、よく晴れた日のこと。三つ子の亜衣、真衣、美衣の家の隣の洋館に引っ越してきた男・夢水清志郎。へたな毛筆で「名探偵」の肩書きがつけられた表札を見て、本好きな亜衣は図書館の本で読んだシャーロック=ホームズや明智小五郎、エルキュール=ポワロを思い浮かべた。対して夢水清志郎は積極的に事件を探したり解決するでもなく、いつも黒の背広とサングラスを身に付け、いつもソファーでゴロゴロしているものぐさでマイペース、常識も記憶力もなく、ご飯には意地汚い。しかし彼は正真正銘の名探偵だった。三つ子達は初対面から自分達を三つ子と見破り、夏休みに遊園地で起こった人間消失事件の謎を解いた彼を、元大学教授であったらしいことから教授と呼び親しむ。
『亡霊は夜歩く』名探偵夢水清志郎事件ノート2
1994年
亜衣達の通う虹北学園に文化祭の季節がやってきた。亜衣はクラスメイトで文化祭実行委員長に立候補した中井麗一(レーチ)にアシスタント業務を指名され、また所属する文芸部の部誌に載せる作品の締切に追われて忙しい日々を過ごす。文芸部の部室はもとは掃除用具置き場だった暗くせまい部屋で、壁際には図書館から勝手に資料と称してもってきた本や雑誌が山になっている。亜衣が部室のワープロを使おうとすると、既にフロッピーが入っており、そこには『亡霊からのメッセージ』と題した文章が残されていた。その題を見て、亜衣は虹北学園に残る4つの伝説を思い出す。
『あやかし修学旅行 鵺のなく夜』名探偵夢水清志郎事件ノート9
2003年
中学三年生になった亜衣達は、修学旅行の準備に取りかかる。この時期は修学旅行の事前学習のため、図書室は三年生で満員になる。亜衣達三姉妹は修学旅行先のO県T市に伝わる伝承を調べるために、O県の昔話の本を広げる。

 

22『名探偵vs.学校の七不思議』名探偵夢水清志郎の事件簿2
はやみねかおる
講談社
2012年
謎解きが大好きな小学生の姉妹、宮里伊緒・美緒の二人が名探偵夢水清志郎(通称:教授)と出会い、新たなシリーズとして登場。
伊緒達が通う武蔵虹北小学校には、六つしかない七不思議があり、七つ目が揃った時に学校に囚われるという言い伝えがある。そのひとつが『図書室にある呪いの古文書』で、成仏できない落ち武者が呪いのことばを書いたとも、和紙をとじた真っ黒な本だとも言われている。図書室を訪れた伊緒達小学生と教授は、図書委員長のタクローから騒がしさを注意される。しかしタクローの方が大声がやかましく、クラスメイトの斑鳩といがみ合い始めたため、伊緒は「タクローに図書委員は似合ってない」と思う。伊緒達は早々にその場から逃げ出し、タクローと斑鳩の二人はその後駆けつけた司書の先生から放課後一週間の図書整理の罰をくらった。

 

23『恐怖学校伝説』
小学館
2012年
収録『恋のおまじない』村上桃子
中学校の中で図書室が一番好きな大沢祈織は、図書委員の桜井裕也先輩に恋している。ある日図書室で見つけた『恋が叶うおまじない』という本のおまじないを試してみると、早速翌日に効果があった。その後、恋のライバル出現に混乱する祈織は、以前おまじないの本を見つけたところと同じ位置に『恋の邪魔をするおまじない』という本があるのを見つける。次々と現れる恋のライバルを、本に載っているおまじないで退けていくが…。

 

24『希望の図書館』
リサ・クライン・ランサム 作
松浦直美 訳
ポプラ社
2019年
母の死をきっかけに、自然豊かなアラバマからシカゴへ引っ越してきた少年・ラングストン。狭いアパートで父と二人暮らし、転校先の学校ではいじめられ、アラバマを懐かしく思い出す日々。ある日、いじめっ子から隠れるように学校から帰る途中、迷い込んだ道の角に、大きな石造りの図書館を見つける。かつてラングストンは母に、図書館は本を借りられるところだが、図書館は白人のもので、黒人である自分達は入れてもらえないのだと聞いていた。しかし、このシカゴ公共図書館はラングストンを拒絶しなかった。人種に関係なく、シカゴ在住の者のための図書館で、ラングストンは自分の名前が書かれている本を見つける。詩人・ラングストン・ヒューズ。彼の作品はまるで自分の心の中の言葉を読んでいるような気持ちになり、アラバマの景色がよみがえってくる。

 

25『消えた2ページ』理論社名作の愛蔵版
寺村輝夫
理論社
1980年
友太は、妹の面倒を見て『大きなたまごやき』という本を読んでやっているとき、29ページと30ページがなくなっていることに気付く。何が書いてあったのか知りたくなり、翌日、学校の図書室の蔵書を確認するが、こちらも同じページだけ切り取られていて、図書委員達に、友太がページを破ったのだと疑われてしまう。クラスメイトの田山くんの弟が持つ本や、本屋に置いてある新品を確認しても、全く同じ部分のページがない。気味の悪い目付きの図書委員にも追いかけられ、いよいよおかしいと思った友太は逃げ出すが…。

 

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