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川光 俊哉 Toshiya Kawamitsu
2019年8月30日 11:05
気配よごれた雪が きしむ 音ブラックライトで照らしてもゲノムは 沈む 夜に住むやっぱり 音だけ スズメバチ空中ブランコ ゆらすのは透明人間かもしれずオリーブの種 ばらまいていつかは ここで かくれんぼ積み木の森でつかまえてりんごのかけらで ゆるされて魚眼レンズに 口 羽 つけてどこもかしこも空間で泥がはねても 神聖で無垢でなければ あなたは いらない
2019年8月16日 16:56
幼年期の終わりちいさな声の一匹がぬれて かたまる バルコニーゆられた あげく ここに来てもっと 灰色 つつみこむかおり 松やに 菱形にとげのある木が 花 咲かせほそい首輪の鈴の音しずかに たちこめ 砂煙うすいバラ色 みちていく心 うきたつ おいしげる両手 両足 わたしのもので清潔すぎる 手のひらになにを乗せても 泡だって遠い海へと 深い空へと
2019年8月15日 19:17
広場の感覚なにかが重くのしかかり目覚めた朝は 真鍮線暖炉 みがきあげ 待っている毛糸 とどくのを 待っているくさりを鳴らし つまさきに傷はたえない かわいそう櫛目 あざやか のぞきこむ窓から 月が のぞきこむかなしく あわれな ガラス玉香水 しみこむ 木綿の輪広場の感覚 また みがきあげざわめき 聞こえた 毒の星黒いフードで 口 かくしほほえむときに また
2019年8月3日 23:35
アトリエ冬のとどかぬ 深い谷不在の証拠に ドア あけておさなさ 残した 横顔に石鹸水は つめたくてみじかい髪にもからむ 蜜トマトの花のひとひらにやさしいあなたは目が悪く靴ひも むすべず ふれられず水銀蒸気にむせかえる煙突そうじもお休みでチーズに噛みつく 魔法は禁止指先 青く 一輪車空気に満ちた 燐 硫黄ぐるっと まわれば ちがう風景
2019年8月1日 14:09
二次性徴泥の道 ゆく 足跡は満月の夜 軽くなる誰も知らない 虹となるホムンクルスの笑う声不滅の旋律 こわいから黄金幽霊 生贄に屋根も きらきら 太平洋どこで泣いても監視下で空色ドレス 森のなかなにを抱いても 怒られて乙女は泣いた でも うれしそう船の上までご招待あとは自分で顔を捨てギプス コルセット 身長 のびずに