幼年期の終わりのコピー

詩 310

  幼年期の終わり

ちいさな声の一匹が
ぬれて かたまる バルコニー
ゆられた あげく ここに来て
もっと 灰色 つつみこむ

かおり 松やに 菱形に
とげのある木が 花 咲かせ
ほそい首輪の鈴の音
しずかに たちこめ 砂煙

うすいバラ色 みちていく
心 うきたつ おいしげる
両手 両足 わたしのもので

清潔すぎる 手のひらに
なにを乗せても 泡だって
遠い海へと 深い空へと

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