TOMORROWLAND 'Around the World' / フェスの明日を左右するイベントがはじまる
今回は、今週末(7月25日、26日)に迫ったトゥモローランド アラウンド・ザ・ワールドについて書いていこうと思います。
トゥモローランドの名前は知ってる方も多いと思います。世界的にも知名度トップクラスのヨーロッパの大型フェスですね。残念ながら今年は新型コロナウイルスの影響で中止が決定していますが、こちらも他のフェスのように、バーチャルでのフェス開催が予定されています。それがこのトゥモローランド アラウンド・ザ・ワールドです。
このアラウンド・ザ・ワールド、他のフェスでよくある過去映像を流したり、チャリティーを募ったりするわけではなく、ちゃんとチケットを購入してライブを見るというシステムになっています。しかもサイトの作り込みがかなり本気です。
やっとこういうちゃんと運営を見据えたバーチャルフェスが出てきたなって感じで期待が高まります。大規模イベントや交通の行き来の制限などの先行きが見えない中、今後のフェスのあり方として新しいシステムを作りそうな可能性があるアラウンド・ザ・ワールド。かなり楽しみです。
いつも【世界のフェスに行ってみる】ではフェスに行った後にレポートをまとめていますが、今回は全世界から参加可能ということで、せっかくなので開催前に紹介していきます。
ちなみにチケット購入といってもすごく良心的な値段ですので、トゥモローランドに行って見たかったって人は、ちょうど4連休のステイホーム期間に当たったことですし、ぜひ参加して見てください。
では内容の方を見ていきましょう。
このフェスについて
TOMORROWLAND "AROUND THE WORLD" / トゥモローランド ”アラウンドザ・ワールド”
トゥモローランドは毎年7月にベルギーで行われる世界最大規模のエレクトロニックダンスミュージックフェスティバルです。トゥモローランドの認知度は日本でも高いですよね。近年はいつも数分でチケットが売り切れるという、最もチケットが取りにくいフェスティバルの一つと言われています。特徴としては規模大きさに加え、何と言っても数あるダンスミュージックフェスティバルの中でも群を抜くその豪華さです。映像を見ればわかると思いますがステージセットの作り込みが半端ないです。宿泊に関してもオシャレな専用テントからセレブ向けのホテルのようなコテージまで用意されていたりと、音楽以外でも飽きさせない作りで、期間中は実に多彩な生活ができるようになっておりまさにエンターテイメントの宝庫といった所です。
開催時期
2020年7月25日-26日(現地時間)
フェスの歴史
トゥモローランドはベルギーの首都であるブリュッセルと北部の港湾都市アントワープの間にある小さな町、Boom(ボーム)にあるDe Schorreという大きな公園の中で毎年開催されます。2005年に第1回目が開催された時は地元の人が集まる小さなフェスでしたが、年々規模が拡大していき、15周年となった去年(19年)は2週に分けた週末6日間に延べ40万人を動員しました。前述の通り今年は現地での開催は中止となりましたが、代わりにデジタルフェス「トゥモローランド "アラウンド・ザ・ワールド"」が開催されることになりました。もちろんトゥモローランドの歴史の中でデジタルで行われるのは初めてです。
音楽ジャンル / ラインナップ
世界最大規模のEDMフェスと言われていますから、メジャーなEDMのDJがたくさん出演します。ただラインナップを見ると他ジャンルからも結構出てきますね。
25日(土)
AFROJACK, PAUL KALKBRENNER, STEVE AOKI, ARMIN VAN BUUREN, DIMITRI VEGAS & LIKE MIKE, ADAM BEYER, CHARLOTTE DE WITTE, DIXON, TALE OF US...
26日(日)
MARTIN GARRIX, TIËSTO, DAVID GUETTA, ADRIATIQUE, JORIS VOORN, CELLINI, CELLINI, AMELIE LENS, REINIER ZONNEVELD...
*日付は現地時間です。
開催時間
日本からの視聴は現地時間との時差に注意してください。サイトのタイムテーブルを見ると、自分のいる場所(日本)の時間で自動的に表示されるようです。(とても親切!!)これによると日本時間では1日目26日(日曜)の深夜1時頃から、2日目27日(月曜)の同じく深夜1時頃から始まるようです。
またライブ時間に見られなくてもご安心を。3つのタイムゾーンごとに再配信を行うようです。アジア太平洋時間は日曜と月曜の夕方17:00頃から再配信になっています。こちらも全世界を意識したプログラムになっていて非常にいい!
チケット購入
最近の傾向である無料のチャリティーフェスとは違い、チケットの購入が必要です。チケットはオフィシャルサイトで購入します。ということで実際に購入までの流れを見ていきましょう。
まずはトップページにある、"BUY TICKETS" からチケット購入ページへ
チケットはいくつか種類があります。
Weekend Ticket / €20 : 土日、2日間視聴可能+開催後1週間再視聴可能
Friends Weekend Ticket / €20 : Weekend Ticket x 2
Saturday Ticket & Sunday Ticket / 各€12.5 : 指定曜日のみ視聴可能
Home Party Ticket / €50 : Weekend Ticket x 5
Home Party Ticket(L&XL) / €100&€200 : Weekend Ticket x 10(L) x 20(XL)
お一人ならウィークエンドチケットですが、二人いるならフレンズウィークエンドがお得ですね。他にも数量限定でトゥモローランドグッズなどが付いたチケットがありますので興味のある方はチケットページをご確認ください。
ここではウィークエンドチケットを買ってみます。”Add to cart”から”Checkout”ボタンを押しましょう。ここでは氏名、メールアドレス、住所を入力します。グッズなども一緒に購入する方はこの住所に送られますので届け先を間違えないようにしてください。支払い方法を選択し、最後にポリシーにチェックをします。これで"Pay"ボタンを押して購入完了です。
すぐに入力した確認メールと共にEチケットが届きますので確認してください。
注意!
チケット購入が完了してもアラウンド・ザ・ワールドに参加するにはトゥモローランドのアカウントがなければ入れません。アカウントの作成は以下からできます。
Tomorrowland User Account Registration
僕は先にチケットを購入してしまったので(ほとんどみんなそうでしょうが)EMAIL ADDRESS には購入時のアドレスを入力しました。その後の住所なども購入時に入力したものを登録したほうがいいですね。これらはアカウント作成後に設定からいつでも変更が可能です。
登録ボタンを押すと仮登録メールが届くのでそのメールのリンクを押して本登録完了です。
先にチケットを購入している方は、ログイン後に'Tickets'ボタンを押してみてください。ちゃんと購入済みのチケットが表示されるはずです。
開催場所
トゥモローランドはトゥモローランドというその独特なブランドを大事にしています。フェスティバルは毎年テーマを設け、参加者はその世界観を楽しみます。例えば、チケットは宝石箱のようなものに入って届き、中のブレスレットがチケットの役割をするそうです。ブレスレットには独自通貨の電子マネーが備わっており。これを会場内での買い物に使用します。
今回のデジタルフェスでもそのアイデンティティは変わらないようです。今回の舞台は手付かずの大自然が残る魔法の島とのこと、オフィシャルの説明を要約するとこんな感じです。
PĀPILIŌNEM(パーピリオーネム)。古代の地図や書物に記された忘れられしその島には自然の神秘が残っており、この場所は唯一純粋な心を持つ人々だけが見つけることができると言われています。
世界中のあらゆる場所からTomorrowと共にする人々がこの海の真ん中に位置する、手付かずの大地へ訪れる皆様を母なる自然は歓迎します。
パーピリオーネムには遠くの海からでもわかるほどの、素晴らしいビーチ、きらめく夜空、息を呑むような山々、魅惑的な森、そして忘れられないサンセットを見ることができます。このような四季折々のビオトープを1日の旅で体験できるのです。
母なる自然が私たちの五感に調和し刺激します。この魔法の島に訪れる人は誰でも自由で無垢な気持ちになり、素晴らしい音楽で包まれ、あなたは祝福を受けます。
パーピリオーネムへの旅は一生忘れることはできないでしょう。ここから帰る時には、この魔法の島の体験の記憶と広大な愛をあなたの心の奥にしっかりと残してくれます。
参加するときはぜひトゥモローランドの世界観も楽しんでくださいね。
現地到着から会場周辺まで
今回の会場はあなたの好きなところから。お一人様以外の方はせっかくのデジタルフェスの意味がなくなってしまうので、ぜひソーシャルディスタンスは保ちつつ楽しみましょう。
フェス情報の必需品
快適なインターネット環境をご準備ください。またテレビなどお手持ちの中で一番大きな画面で視聴できる環境を作れれば最高です。HDMIケーブルやChromecastなどでパソコンから接続できるか確認しておきましょう。
会場(ステージ)の様子
8/15追記:
パーピリオーネムを実際に作っていたんですね。いやー綺麗なグラフィックで本当ページが開いた瞬間「おぉ!」って言ってました。
島は時間によって夕暮れから夜へと変わります。グラフィックはよくできたゲームの世界みたいでした。
ステージは"Mainstage"、"Core"、"Freedom"といった実際にトゥモローランドで実在するステージが再現されていました。これ行ったことのある人には嬉しかったのではないでしょうか?
個人的ベストパフォーマー
8/15追記:
ウィークエンドチケットにはその後8月12日まで全てのステージを視聴可能でした。ライブの日本時間が深夜だったこともあり、地域によってはこのリライブがとても有効だと感じました。自分の好きな時間にフェスに戻れるというのはデジタルフェスならではですね。
Adam Beyer
スウェーデン出身のDJ兼プロデューサー。名前からドイツ系なのかと思ってました。
Adriatique
スイス出身のDJデュオ。去年のADEのパーティも行きましたが、その時は人がすごかったな、今回は落ち着いて聞けました。
Amelie Lens
ベルギーのテクノDJ。すらっとしてかっこいい。モデルもやってるみたいです。フィメールDJ好きですね。ミニマルでカッコいいセットでした。
ANNA
こちらも女性DJ。ブラジル出身、スペイン拠点みたいです。
Armin van Buuren
トランス界の大御所、オランダ出身のアーミン・ヴァン・ブーレン。とりあえず名前がカッコいい。
Charlotte de Witte
ベルギーのスターDJ、シャルロッテ。いろんなフェスに引っ張りだこですがとりわけ地元Tomorrowlandでは大人気みたいですよ。
Claptone
ペストマスクがトレードマークのクラップトーン。ベルリンでは見る機会が無かったのでこちらで見れてよかった。トゥモローランドはやはり各分野の精鋭が集まるんですね。お洒落ハウス凄く良かったです。
Jack Back
デビットゲッタの別名義。ジャック・バックの方がミニマルで好きです。
Martin Garrix
知ってるけどちゃんと見たことなかったよ。流石のアゲ具合。本当に有名DJばかり、これで20€は安い。
Joris Voorn
オランダのテクノDJヨリス。去年のADEではチケットソールドアウトで見れなかったなか、ここでゆっくりと。デジタルフェスは会場キャパとか関係ないからこの辺もいいのかな。
Tale Of Us
イタリアのDJデュオ。なんとなくアドリアティックとテール・オブ・アスは被ってしまう。こちらの方がメロディが綺麗な感じです。
周辺環境
ベルギーにいればトゥモローランドオリジナルのカクテルを自宅にデリバリーすることができるようですが、残念ながら日本では行なっていないようですので、いかにしてフェスの気分に持っていくかが大事ですね。フェス用の格好で過ごしたり、ベランダやお庭にテントを貼ってみたりするのもこの際楽しめるのでは。
何をすればいいかわからない時はSNS上で検索してみるのがいいですね。似たような仲間のぶっ飛んでる姿を見ることができるでしょう。
またライブ中の日本時間は深夜となりますのでご近所に気を配りつつお楽しみくださいね。
困ったこと
8/14追記:
期間中に困ったことは開催中に情報が少なかった(もしくは無かった)ことですかね。例えば肝心のストリーミングページ(パーピリオネム)へのリンクがオフィシャルトップページで見当たりませんでした。トゥモローランドの自分のアカウントページから飛べますが、そこまでの導線は欲しかったですね。また同様にアジア地域の再配信の会場へのリンク案内が見当たらなかったこともありました。これはDMMがTwitterでかなり遅れてリンクを案内していましたね。全世界規模のフェスとして時間がない中凄くクオリティが高かったと思いますがバタバタしていたんだなというのが見て取れました。まぁこういうのはすぐに改善できるでしょうから今後に活かして欲しいですね。
あとはどうしても回線の状況で止まったり繋がりにくかったりしてしまうこと。これは世界規模の配信だとなおさら起きてしまうことですが、いきなり止まるとパーティーの高揚感が削がれてしまうのは事実ですよね。ここはとても難しいですね、YouTubeとかFacebookとかの大企業インフラが使用できればマシになるのかな。
最後に
アラウンド・ザ・ワールドが成功すれば、他のフェスも追随して一過性ではない、持続的なデジタルフェスの開催が続くのではないかと期待しています。
デジタルフェスのシステムをこのトゥモローランドが作ってくれるのか!?文字通りフェスの明日を決めてくれることになるのか非常に注目です。
8/14追記:
実際にパーピリオネムにつながった時のワクワク感は凄かったです。美しいオンラインゲームのような会場マップでここまで作り込まれていたのは流石現在の先端をいくフェスだなと思いました。
ただ他のフェスにもこういうのを求めているかと言うと正直ここまでしなくてもいいかなっていう感じですね笑。実際ステージ上の美しい景色とカメラワークは、贅沢な話しですが時間と共に段々と単調に見えてしまったのが正直な感想。。
とはいえ時間がたくさんあるわけではない中こんなに作り込んだイベントをしたTomorrowlandは本当に凄かった!!来年は本拠ベルギーで開催されることを願いますが、もし今後もデジタルフェスが行われるならばさらに進化した姿が見られるのではないでしょうか?
ほかのフェスもぜひ中止、延期ではなく可能ならばデジタルフェスでも開催されることを願います。
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