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小説における『間』とは何か?

今回は「小説における『間』」についてお話します。

本題に入る前にお知らせをさせてください。

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◎小説「本からの手紙」がアメージング出版から絶賛発売中!

著者、第二作目にして、初の書籍化。
本の中に残された一文からすべては始まる。

寛太と忠が万引きした本の中には、謎のメッセージが残されていた。消された形跡のある、まるで手紙の一文のようなメッセージを書いたのは、いったい誰なのか。そして消されたメッセージには、いったい何が書かれていたのか。ひょんなことから、それらを探すことになってしまった寛太と忠。そこにはある女性の暗い過去が関係していた。
果たして、寛太と忠は真実にたどり着くことができるのか。

「本からの手紙」
あらすじ

ぜひ一度読んでみてください!!


◎小説「天上の絵画」が好評発売中!

小学生のころから、絵の才能に恵まれた渡井蓮はその才能を過信し、自ら学ぶことをしてこなかった。
やがて成長し、才能だけでは通用しなくなってくると満足のいく作品が描けなくなってしまった。
そのことに絶望した蓮は、自分の殻に閉じこもり、自堕落な生活を何年も送っていた。
そんな時偶然、同級生だった岩谷英司と再会する。
学生のころ、ともに絵を学んでいた岩谷英司は、画家として大成功をおさめていた。
そのことに嫉妬し恨み募らせたは蓮は、勢いあまって岩谷英司を殺害してしまう。
蓮は、岩谷英司殺害後、彼が発表する予定だった油絵を盗み、自分が描いたものとして世間に公表してしまう。
その油絵をきっかけに、蓮の人生とその周りにいた人々の人生が大きく狂っていく。
人とは違う高みへ上り、そこから見える景色を渇望した男の、栄光と挫折と孤独

「天上の絵画」
あらすじ

こちらも併せてよろしくお願いします!!


○リアルな舞台で間はできるのは必然?

それでは本題です。

先日ミュージカル「えんとつ町のプペル」を見ていて感じたことを書きましたが、今回はそれの続きになります。

その中で、変な『間』ができてしまうとお伝えしました。

しかしよくよく考えてみると、生で公演をしている舞台やミュージカルで『間』ができてしまうのは当たり前です。

映画やドラマ、You Tubeは編集で余計な『間』をカットできますが、舞台はそういうわけにはいきません。

役者の息継ぎの間や、場面転換でどうしても『間』ができてしまう。

見る側はそれらを承知の上で見なければいけない。


○あえて『間』をなくしてみる

反対に舞台やミュージカルであえて『間』をなくしてみるのはどうでしょうか?

それこそ漫才のように高速で、やり取りを繰り広げることも稽古をかさねればできなくはない。

ただそれをやってしまうと、あっという間に舞台が終わってしまい、余韻を楽しむことができません。

無駄な『間』をいらないと思いますが、適切な『間』は絶対に必要です。

『間』を作ることによって観客に余韻を楽しんでもらうことができます。
決して間も不必要なものではありません。

しかし、You Tubeなどの動画コンテンツ、ショート動画の登場によって、『間』がどんどん短くなっていることは確かです。

とにかく余計な『間』を排除した映画も増えてきました。

それだけ、見る側が『間』のない作品に慣れてきた証拠であり、受け入れられているのは明白です。

ですから、ヒットしやすい作品を作ろうと思ったら、『間』を極力排除する流れになっていくはずです。

近いうちに『間』をなくした舞台やミュージカルが登場するかもしれません。

○小説にとっての間とは

では小説にとっての『間』は、どう考えればよいのでしょうか。

そもそも文章に『間』は存在しません。

読み手が一呼吸置かない限り、延々と読み続けることができます。
書き手がここで『間』をおいてほしいと思っても、読み手がすっ飛ばしてしまえば、意味がなくなります。

そういった意味で言うと、小説の『間』は読者次第といえます。

そのことを踏まえた上で、書き手側のできることといえば、句読点やセリフの中に「…」を入れてみたり、セリフとセリフの間にわざとト書きを書き込んだり、できる限り読者に伝わりやすいようにするしかありません。

文章に『間』を持たせるのは、難しいのでそれを踏まえた上で、書くことが大切です。

逆に言うと、『間』を作れないからこそ、有効的な『間』を作ることで、物語をより魅力的に見せることができます。

例えば、セリフの間に「・・・」という無言の様を挟んだり、これからという所で、別の場面に切り替えたり、いろいろな『間』の作り方があります。


読者に楽しんでもらうために、『間』の有効的な使いたいをこれからも勉強していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次回の記事でお会いしましょう。
小説家の川井利彦でした。



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