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<僕と○○へ。これまでとこれからの君と○○へ。>#1

まえがき:これは僕が○○という病気にかかり仕事や趣味、病気の症状やそれに伴った恋愛を通した反省と半生の物語です。
「○○」と病状を伏せたのは言えないからではなく、これを読む貴方自身の抱える悩みや病気・事象に当てはめて読んで欲しいからです。
ハッピーでもバッドでもエンドもしない物語ですが付き合って頂けると幸いです。        後藤瞬

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■#1
今から数年前、2012、2013年くらい前の話。
よく覚えてないなあまり。
ライブハウスのブッカーとして働く僕は、とても幸せな日々を過ごしていた。
「自分には何もないの」とかよく聞くフレーズ通り、あまり自信の無い僕にとって音楽は自信を持って好きだと思えたし、人に言えたものだったので、それを仕事にして生活していたからだ。
数年前の当時もそうであった。
今と変わらず。

ある日大した出世欲も無くバイトとして働く自分に『この店の副店長にならないか』という話をもらった。
『社員にならないか』という所謂昇進の話である。
勿論給料も上がる。
今から約10年前の25歳の時に組んでいたバンドを捨てて(諦めて)東京に一人でやってきて、友達も居ないゼロからのスタートを切った自分だったので、正直実は凄く嬉しかったんだと思う。
音楽を通して初めて人に認められたと実感した。
人が僕を必要としてくれている。
自分を必要としてくれているという事は、まだここに居て良いという事となり、また、大きな責任感を持てるという事となる。

僕は1週間ほど悩み、昇進人事を快諾する事に決めた。

バンドマンには向いてなかったけど、これは向いている。
マラソンで例えると、僕はランナーになりたかった。
でもランナーには向いてなかった、ランナーの監督に向いていたのだ。
監督として金メダルと取れと言われた心境だった。
なんだか音楽に携わる上での最後の砦のような心境だったと思う。

でもその頃既に僕の中には○○が潜んでいた。
気付かなかった。
ここで僕は頑張ろうと思っていた。

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イラスト:目黒しおり

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