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自作短篇

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自作小説の短編をまとめています。400字詰原稿用紙で30枚から50枚くらいです。
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#オリジナル短編小説

【短編小説】理工学部 福来教授

 買い被られてきた人生だった。  丹下賢太郎は夕暮れが近づく高速道路を一路埼玉に向かって…

平松誠治
7か月前
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【短編小説】ナオンとナオンの鉄の拳

 学園都市の内務政府が統制を強めてデュエルを禁止し、我々は少し暇になった。しかし 四季母…

平松誠治
8か月前
9

【短編小説】火星の大統領クリントン

 伯父の遺品の中に火星の土地の権利書があった。もちろんジョークグッズの類だろう。しかし各…

平松誠治
2年前
7

【短編小説】暗闇を抜けて漆黒の中へ

 泉慎太郎は学校の成績がよく、顔立ちも整っていたが、性格に難があったので女の子にはもてな…

平松誠治
2年前
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【短編小説】竹輪を裏返せると思う?

 スーパーで買ってきたおでんに入っていた竹輪に見とれていた私に娘が「どうしたの?」と聞い…

平松誠治
2年前
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【短編小説】リボルバー

 黒木から間に人を介して連絡があった時、俺はネパールのカトマンズにいた。宿のWiFiを通して…

平松誠治
3年前
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【短編小説】キスマークの男

 起き抜けにつんと鼻に入ってきた煙草の匂いがガラムの甘い香りだったので、ミキはぼんやりした頭の片隅で、あ、またアミが部屋に入ってきているな、と思った。枕許に置いてある目覚し時計を掴み顔の前に持ってくる。八時四十分。指先でまぶたを擦りつつあくびをし、首だけ起きあがらせて足許を見ると、思った通り、部屋の入口にアミが胡座をかいて座っていた。 「や、おはよう」と彼女は片手を上げて言った。 「おっはー」ミキも答えた。  薄暗い部屋にカーテンの隙間から指し込む細い光が伸び、アミが吐き出す

【短編小説】海辺の町で

 九歳の夏、私は一度だけ父の郷里を訪れたことがある。後にも先にもそれだけなのは、父と生前…

平松誠治
3年前
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プロレス・スーパーヒーロー列伝 心優しき大巨人、ジャン=リュック・ジャイアント編…

 2004年、アメリカのメジャープロレス団体であるWHOが行ったインターネット投票「20世紀で…

平松誠治
3年前
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【短編小説】僕とガモフと校庭で

 僕は高校の三年生を二回やり直した。と聞くとたいていの人は、お前とんでもないドキュンなん…

平松誠治
3年前
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プロレス・スーパーヒーロー列伝   デューク・ケウェセキ編 【短編小説】

 のちにデューク・ケウェセキ(川崎)として知られるワン・タオソンが生まれたのは1916年4月…

平松誠治
3年前
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