【短編小説】メディアコンバーター
局長のブリーフィングを嗅ぎながら俺は眠気を催していた。つまり退屈していた。俺のキャリアでは三年ぶり五回目の異文明との交渉だが、面白そうな、心躍るときめきなど感じようもない。今度の異文明人、アース星人は我々人類と限りなく似ていて、個体のサイズや雌雄両性なども我々とそっくりだが、とてつもなくかけ離れた面があるという。個体同士の意思疎通に空気を震わせる音を使ってコミュニケーションを取っているらしいのだ。
「まったく奇妙な奴らだが」と局長は匂わせた。「最近、銀河連盟にやっと加盟した