【短編小説】死神と取引するために必要ないくつかの準備について
野球やサッカーを楽しいと思ったことは一度もない。
いや、私はむしろ子供の頃からこのように思っていた。「どうして皆はこんな簡単なことができないのだろう?」と。サッカーならば、シュートを蹴ったらゴールが決まるのが私にとっては普通だった。まわりのディフェンダーをどう躱し、キーパーの動きを読み、足許のボールのどの部分をどのくらいの力で蹴れば思い通りのコースにボールが飛び、ネットに突き刺さるのか、そんなことは常日頃から百パーセントの確率でこなす事が出来た。しかしまわりの同年代の子供