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小さな市場では“寧ろ〇〇ではない”モノの方が関心を向けられやすい

 日本の酒蔵で日本酒を作ろうという話が入ってきた。僕がOEMでワインを使っている事もあり飲みの場などで結構この手の話は来るのだが、久々に真剣になれた気がする。2回目となるともう手慣れたもののようにやり方が頭に入っているのでまずはタスクを起こし、それを実行に移すだけだ。今回は1人ではないので幾分スムーズに行きそうだ。知恵を出しながら日本酒という超レッドオーシャンの中でもとことんブルーオーシャンを探していく。

 そこで考えていてふと気づいたことがある。今やっているMATT RESTAURANT2.0の店舗でSAMURAI SAUVIGNONの外国人からの反応を見ていると他の日本ワインと比べかなり評価が良いのだ。皆、口を揃えて「it's no longer wine」と言い、ワインを超えた新しいアルコール飲料として楽しまれている。フラワーやレモングラスなどの香りが放たれ香りの評価も高い。

 日本ワインというまだ世界で確立した評価がないもので勝つには目指すべき方向性を変えないといけないことをつくづく実感する。ワインというとてつもないレッドオーシャンの中でまだ未熟な日本ワインはとことん逆の方向性をいく他はないのだろう。これは日本酒も同じだと思っている。日本酒や紹興酒というのはまだ世界的に見れば乾杯酒などと言って世界中で取り扱われるようなものではない。そんなまだ未熟な市場をメジャーにするにはシャンパーニュの戦略が必要だ。

 これは私がよく言っている戦略なのだが、シャンパーニュはもともとシャンパーニュ地方でワイン生産をしていると当時は質の悪いと言われていた気泡が出てしまった。しかし、それを見た観光客が美しいと豪語したことから、気泡をいれてワインをスパークリングにする発想が生まれた。当初は泡がドリンクに入っているなんて前代未聞で全く相手にされなかったという。これこそ“寧ろワインではない”である。

 そんなシャンパーニュは寧ろワインではない新しいアルコール飲料として“Champagne”として全世界にブランドが確立された。要は、現段階で評価されていないものを売るためには方向性を変えて全く違う形で売る必要があるのではないだろうか。

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