- 運営しているクリエイター
#若尾文子
『新・忍びの者』(1963年12月28日・大映京都・森一生)
今回のカツライスは森一生監督二本立。まず市川雷蔵のシリーズ第3作『新・忍びの者』(1963年)。左翼のセシル・B・デミル、山本薩夫監督の娯楽映画作家としての手腕が堪能できた。しかし山本薩夫監督は「忍びの者」が巻き起こした忍者ブームで、忍者ごっこをした子供が亡くなったことに責任を感じて自ら降板。そこで大映京都のベテラン、森一生が引き継いでの忍者スペクタクルとなった。脚本は第一作からの高岩肇。
『忠臣蔵』(1958年4月1日・大映京都・渡辺邦男)
娯楽映画研究所シアターで、大映オールスター大作、渡辺邦男監督『忠臣蔵』(1958年)。Amazonプライムの「シネマコレクションby KADOKAWA」で視聴。大映京都の総力を結集しての一大絵巻。緊張感、緊迫感は薄く、映画的なエモーションは今ひとつだが、お馴染みの「忠臣蔵」の物語をゆったりと、ご存知のエピソードで綴っていく166分。つまり『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』とほぼ同じ尺。
長谷川
『薔薇いくたびか』(1955年4月24日・大映・衣笠貞之助)
昭和30(1955)年、大映の永田雅一社長がぶち上げた「東西大映オールスター」を一同に会しての大作。時代劇やスペクタクル、文芸作ではなく、この頃、各社こぞって製作していた長編「メロドラマ」というのがいい。原作は「読売新聞」の人生相談「人生案内」の回答者を長らく務めた小山いと子が、主婦の友に連載した女性小説。小山いと子といえば、雑誌「平凡」に「美智子さま」(1961〜1963年)が宮内庁から「興味
もっとみる