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トップガン マーヴェリックを観た。

今上映中のトップガンマーヴェリックを観てきた。率直に懐かしかった。20代でアメリカで初めて映画館で観た映画がトップガンだった。
何度も見た記憶がある、その待望の続編としては素晴らしい出来栄えだった。

オープニングは前作同様ケニーロギンスのデンジャーゾーンの離陸シーンで始まった。若いころはこの曲を聞けば自然と車の速度を上げてしまう文字通り危険な状態になってしまう曲だ。モハービ砂漠の空港、多分ダゲット空港ではないのかな。何度か行ったことがあり、多くの飛行マニアが自分の駐機庫でピカピカの機体を磨いている空港だ。ロスから北東に相当離れた砂漠の真ん中の空港で、周りには何もなく乾いた砂漠の熱い強風が吹く空港だ。

そこできちんと整理されたプライベートの整備倉庫(工具の片づけ具合でわかる)で可変ピッチ単発低翼航空機のレストアをしているピート(トム・クルーズ)。写真を貼り付けている部分では36年前のトップガンのグースやアイスマンが写っていた。
自分と一緒に訓練飛行していた相棒を自分の無鉄砲な操縦で事故になり、死なせてしまっていることがトラウマになっているのではないことが分かる。前作最後に友の死を乗り越えてIDタグを海に投げ棄てていたことを思い出す。だからグースの写真を飾ることができるんだろう。
彼の様子からして、彼は36年間ずっとマーヴェリック(一匹狼)だったのだとわかる。家族もなく一人で生きている。そこに悲壮感はなく、それが彼のライフスタイルなんだと理解できた。

懐かしのカワサキNinjaを今でも大事に乗っているのには感激した。前作を知っている人は思わず声が出てしまうくらい、人気がある単車だった。
滑走路を離陸する航空機に並走するシーンは前回同様だ。今回はNinjaH2の最新モデルにピートは乗っているようだ。ピートは超音速テスト機(ダークスター)のテストパイロットとしてマッハ10の記録に挑み達成するが、保身や計算をしない性格が悪いように進み、機体を空中分解させてしまう。

彼はずっとこのルールは破るためにあるという無茶ぶりと上司に全く媚びない性格で生きてきたんだと分かる。TOPGUNでも平気でルールを破って怒られていた。人間の芯の部分は変わらないということなんだろう。輝かしい戦歴と彼のライバルであり盟友のアイスマン(海軍大将)の後ろ盾もあり、何とか戦闘機乗りの地位にいたんだろうと思う。

今回もアイスマンの働きとあるミッションが生まれたことにより、ノースアイランド海軍航空基地で若いパイロットへの対地攻撃作戦の訓練教官として任務に就くことになった。前回はミラマー海軍航空基地がTOPGUNの舞台だった。何度か行ったことがあるが、その時すでに周りの住宅開発が進み、戦闘機のベースには向かなくなっていた。今回は同じサンディエゴにあるノースアイランド海軍航空基地が訓練ベースになっている。

今回のミッションは核兵器開発プラントの破壊だった。ピートは教官として海軍のエリートパイロットを訓練してミッションを成功させるという任務だ。マーヴェリック(天才肌の一匹狼)には教官は向かない。自分も分かっているから、教官任務と聞いて落胆していた。前回の最後にトップガンの教官になるが2ケ月しか持たなかったようだ。
根っからの戦闘機乗りだというのが分かる。命を懸けてギリギリの飛行を行うことに生きがいを感じる。恐怖や先のことを考えるよりも本能で飛行する。そこに自分の存在を感じる。そんな人間であることがわかる。前作からピートの口癖でもある、考えるな。行動しろ。それが本能で戦闘機を操縦する天才である証明だ。

ミッションの説明で敵の空港に第5世代戦闘機とは別にF-14TOMCATが駐機されているとあった。まさかと思ったが、それは後でわかることになる。思わず震えがくるので楽しみにしてほしい。

さて海軍パイロットの超エリートが集まってきた。ハングマンは、なんとなく2代目アイスマンだろう。グースの息子のルースターも選ばれてきた。彼とピートの間には深い溝があり、それをどう埋めれば、いいのか一匹狼のピートにはわからない。そういう意味では不器用な人間だ。今回、彼がその不器用な性格を何とかしようともがくところにも注目してほしい。一匹狼ではなくなるところに自分はすこし寂しい感じがした。
海岸沿いのバーで昔の恋人ペニーと再会して、グースの息子を見かける。前作のピアノの上に座っていた子供はどちらかというと奥さんのメグライアンに似ていたのだが、大きくなったらグースにそっくりになっていた。

その後、ジェリー・リー・ルイス 「Great Ball Of Fire 」をピアノを弾いて歌うグースの息子と仲間達を見て、昔を思い出すピート。36年前の陽気で若かったころを懐かしむ自分がいた。何かを思っているピート。それは何だろうか。孤独を愛する自分の人生で唯一の親友の息子が成長して、父にそっくりになっている感動と今後危険な任務に出すことになるかも知れない迷いがあの表情になってしまうのだろうか。
ペニーはそれを見て何か感じ取っている様子だった。

翌日から、ピートと若いパイロットたちは不可能に近いミッションの成功のため、過酷な訓練に挑んでいく。
あまり詳しくいうとネタバレになるのですが、ミッションはスターウォーズのデススター破壊とよく似ている。そのあとの展開もどこかで観たことがあるような感じだが、それを考えさせないほどスピーディーに進行する。
弘法筆を選ばずを地で行くピートの戦闘機シーンには感動するだろう。後半部分の考察もしたいがこれ以上は、ネタバレ過ぎるので止めておく。ぜひ映画館で観てほしい。ピートに感情移入するには前作を2回以上観てからがお薦めだ。

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