医学部編入試験の勉強法

2023年度の名古屋大学医学部編入試験に合格したとしと申します。この記事では、医学部編入試験の合格までに行った勉強について解説します。
理系から新卒で4科目型の編入試験を受験する予定の方には参考になるかと思います。
私が行った各科目の勉強法や、必要だった勉強時間についてまとめました。
KALSの生命科学の受講の必要性に対する見解など、一部の内容は有料となっておりますが、基本的な情報は無料で閲覧できるので、お布施程度の気持ちで購入していただければ幸いです。

医学部編入試験において、勉強する科目ごとの順番は英語→生命科学→統計→物理化学がベストだと思います。
どの大学でも課される英語と生命科学である程度得点できる力をつけてから、統計学や物理化学に取り掛かりましょう。英語の到達目標に関してはTOEICのL400、生命科学に関しては要項集の8割暗記が目安になると思います。
それに加えて、統計学や高校レベルの物理化学を身につけられれば、受験できる大学が一気に増えます。
最後に勉強の順番と到達目標についてまとめます。

  1. TOEICのL400

  2. KALS生命科学の要項集を8割暗記

  3. 統計学

  4. 高校レベルの物理化学

  5. 大学レベルの力学

  6. 大学レベルの物理化学

自己紹介

  • 大学受験レベルの英語数学物理化学の教養あり

  • 薬学部6年に在籍

  • TOEIC850

  • GPA1.6

大学受験の経験があったので、ある程度英数理の基礎はできていました。薬学部で生理学等を学んでいたはずですが、GPAの通りろくに勉強していなかったので、生命科学はほぼ初学の状態でした。

KALS模試等の偏差値

照会中です。

  • 完成シリーズ中間テスト:35点?

  • 生命科学完成シリーズ実力テスト:

  • 第2回KALS模試:生命科学45?

ご覧の通り、決して良い成績であるとは言えません。各試験を受けた日付が判明次第、追記いたします。こんな成績でも複数の筆記試験を通過できているので、点数が悪いからと言って過度に落ち込む必要はないと思います。
KALSの模試は前半校が始まるぐらいの時期に開催されるので、後半校を受験する時の実力を測るのにはあまり向いていません。

今年受験した一次試験の合否

一次通過できたのは、

  • 琉球大学

  • 名古屋大学(追加合格)

  • 島根大学(3年次編入)

の3校です。大阪大学、香川大学、北海道大学の3校は不合格でした。

受験戦略

よく言われていますが、医学部編入試験は自分の実力を定量的に把握することが難しい試験です。KALSのテストや模試等もありますが、自分のようにまともに受験せずに編入試験を受験する方もそれなりにいるため、過度に信用しない方が良いと思います。
一方で、英語と生命科学の偏差値が60もあれば筆記試験を複数通過できる場合が多いので、参考程度にそれを目標にすると良いでしょう。

医学部編入試験は募集の枠数が少ないので、あまりあてには出来ませんが、合格最低点等を確認することも有効です。
過去問を解いてみて、合格までどのぐらい点数が足りないのかを実感し、目標到達までに必要な時間を逆算してから勉強に取り掛かるのが良いと思います。
編入試験は出題範囲が膨大なように感じますが、結局は相対評価なので他の人が取れるところを取りこぼさないのが重要です。

プロフィールや受験戦略についてはざっとこんな感じです。それでは、各科目ごとの勉強法について解説します。

英語

英語はどの大学の医学部編入受験においても基本的に必要です。北海道大学は出願要件にTOEIC or TOEFLのスコアが課されますが、点数換算については触れられていないため不明です。
他の大学においては、英語の外部試験もしくは大学独自の筆記試験が点数化されて合格に関わってくるため、医学部編入試験において英語を避けることはできないと思われます。

TOEFLかTOEICどちらを受けるべき?

英語の外部試験を採用している大学の場合、その外部試験を出願前に受験しておく必要があります。どの外部試験を課されているのかは募集要項で確認しましょう。
TOEFLもしくはTOEICのどちらでも良い場合は、TOEICを受験することをおすすめします。TOEICはリーディングとリスニングの技能しか求められないため、TOEFLよりスコアは取りやすいと思われます。

英語の勉強法

英語が特別得意なわけではないので、詳しくは書きません。個人的な勉強法を紹介します。私はこの順番で英語の勉強をして、TOEICのスコアをある程度とることを目標に勉強しました。

  1. 単語の暗記

  2. 文法の勉強

  3. リスニング

  4. ディクテーション

まずは単語の意味がわからないと何もできないので、単語を暗記するのが良いかと思います。TOEICは金のフレーズ、TOEFLはTOEFL3800を使用して対策しました。

文法の勉強は、高校英語の理解度合いで必要量が大きく変わってきます。高校英語が苦手な方は、大学受験用のテキストで基礎を固めましょう。
基礎ができている方は、TOEICやTOEFL対策の参考書で勉強を進めてください。英語はTOEICのリーディングセクションで400〜450ぐらい取れれば編入試験において足を引っ張ることはないかと思います。

生命科学の勉強法

生命科学の勉強法ですが、高校生物を学習していない方は高校生物をまずは完璧にしましょう。

私は生物の学習経験がないにも関わらずKALSの生命科学完成シリーズに取り掛かりましたが、全く理解できず時間を無駄にしました。やさしい生物などで高校生物を完璧にしてからKALSのテキストを使用するのが良いかと思います。
ただし、植生など編入試験において必要ではない範囲は飛ばしても大丈夫です。高校生物を理解できたら、いよいよ生命科学の勉強を始めていきます。

全体像の把握

まずは、医学部編入試験においてどんな生命科学の知識が必要なのかを把握しましょう。過去問題を公開している大学は少ないため、試験範囲の把握に関してはKALSを利用するのが便利だと思います。
単語等を暗記しなくても良いので、まずは生命科学の出題範囲について全体的に目を通しましょう。抽象的なイメージを掴んでから、具体的な事柄について勉強していきます。

単語等のインプット

生命科学の全体像を把握できたら、いよいよ各項目について勉強していきます。生命科学の記述試験においては、解糖系の詳細などを暗記しておく必要があります。生命科学の知識のインプットに関しては、KALSの生命科学要項集が便利だと思います。他に体系的にまとめられたテキストが存在しないため、どんな手を使ってでも入手するのが良いでしょう。しかし、KALSの生命科学の講座自体に関しては、必ずしも受講する必要はないかと思います。

KALSの生命科学は受講するべき?

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