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「上流階級 富久丸百貨店外商部」[1巻]を読んで

[1巻]上流階級 富久丸百貨店外商部
著者:高殿 円
オーディブル版を読んでの感想です。

百貨店外商部での物語。小売業の仕事をしていた経験から、百貨店の仕事とはどんなんだろうと興味を持ちました。百貨店での仕事、とくに外商員の接客販売の内容があり面白そうだと感じ読んでみました。

物語の主人公であるアラフォー女性の鮫島静緒が、神戸の老舗百貨店の外商員として奮闘する物語です。主人公と登場人物のそれぞれに事情があり、後半にかけて面白味が増してきます。

接客業とは

この物語では、百貨店の特に外商部のお客様との接客が面白く描かれているのも魅力です。
物語を読み進めていくうち、接客業としてお客様と対峙していく上では、どの業界においても根っこにある部分は同じものだなと感じられました。

タイトル名にあるように「上流階級」とは特別な客層です。その接客の難しさ。相手も富裕層であるがゆえに、そこに身を置く者でなければ理解できないさまざまな問題もあるのでしょう。
それを理解しながら外商員として、主人公の接客業の取り組み方は勉強になりました。

小売業の世界

会社組織に属していると、さまざまな事情により配属や配置転換があります。とくに、会社組織が大きくなればなおさらです。特に小売業の場合においては、成果を出した社員が必ずしも評価されるとは限りません。
その組織のトップによって、幹部社員、契約社員、パートとそれぞれのバランスを取りながらその評価基準が変わることがあります。

それでも従業員は、会社の顔となりながら接客を続けなければなりません。経営者の代わりにお客様と直接向き合なげればならないのです。

最近は「カスタマーハラスメント」が話題となっています。物語の中にもこれは「カスハラ」になるのではないかという場面もでてきます。

主人公は理不尽な客に対しても、これから先のことを考えながら対処しています。その場しのぎにしない、心構えができているところは強い心の持ち主として感じました。

まとめ

会社という組織で、直面する問題や課題を解決するために奮闘する主人公。必死で頑張っている姿には感銘を受けました。それでありながら、さっぱりとした性格。

個人的な感想ですが、読み進めていくうち主人公の鮫島静緒が、モデルで女優の「菜々緒さん」と重なる場面がありました。

30代後半で身長が高く、百貨店のフロアに立っている姿がピッタリです。そして、以前のドラマで華麗なキックを披露していたことを思い出しました。

この物語で、百貨店の外商員の「接客の世界」を垣間見ることできました。富裕層の冠婚葬祭から、プライベートのお買い物まで面倒を見る働き方は凄いと感じました。

そこで展開される人間模様は、これからの人生のなかで直面する問題解決の糸口を発見できるかもしれません。

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