コンサル@備忘録

共創型での事業開発や組織開発支援を行うコンサルタント。新しく進めるためのやり方を考え、…

コンサル@備忘録

共創型での事業開発や組織開発支援を行うコンサルタント。新しく進めるためのやり方を考え、支援しています。普段考えてることや読んだ本について書いたり。

最近の記事

日本のスタートアップ・スタジオ紹介

昨今のスタートアップのエコシステムの急速な拡大には目をみはるものがある。その中でも個人的に気になっているのが「スタートアップ・スタジオ」という存在。起業家の事業アイデアを元にスタートアップ・スタジオに所属する多様な人材がプロトタイプ作成など0→1を支援してくれるという。初期の起業家にとって、優れたアイデアがあっても実現するための「優秀な人材を集める」というのは課題になりやすいので、そういった点をカバーしてくれるというのは素晴らしい。 スタートアップ・スタジオの詳細は以下を参

    • なぜ事業開発担当者はスタートアップを調べる必要があるか

      企業の新規事業のコンサルティングをする中で、事業領域に関する政策や規制、技術・社会トレンドの変化、ターゲットニーズなどを調査することは多いが、他企業の動向(例えばトヨタのWoven City立ち上げの情報など)は技術・社会トレンドの一部、また競合調査で行われることがある。しかし、個人的には事業開発をする上で構想初期の段階でもっと他企業、特にスタートアップの生の調査をする必要なのではないかと考える。 もちろん近年、大企業はアクセラレータープログラムやCVCの設立などでスタートア

      • アクセラレーター各社のイベント紹介ページ調査

        スタートアップやオープンイノベーションの動向をキャッチアップする上で、今のタイミングほどパソコン一つでできることはないだろう。もちろんこれまでインターネットで情報収拾はしてきたが、生の声を聞くにはどうしてもイベントに足を運ぶ必要があった。ただ「イベントに行く」こと自体がハードルがあったり、急な仕事があって参加できないことも多かった。そんな状況がコロナによって大きく変わった。イベント自体は少なくなったかもしれないが、各社オンライン化を進めていただいたおかげで、家の中から、また録

        • コロナ禍における体験・ビジネスモデルのオフライン→オンラインについて

          コロナ禍の影響で多くの業種がオフライン体験・ビジネスモデルのオンライン化への対応を迫られている。そしてそう言った試みに関する記事を見ると、オフラインの体験・ビジネスモデルを丸ごとオンライン化しているものだったり、オンラインだからこその特徴やコロナ禍での生活者の動き、最新のトレンドを踏まえて趣向をこらしたものも多く見受けられる。オンライン化の実験期と捉えても良いだろう。 同じ業種でも取り組み方が大きく異なっているケースもあり、その違いを見ると実際に価値を提供している顧客ニーズ

        日本のスタートアップ・スタジオ紹介

          「新規」事業開発を考える

          企業の新規事業開発を進めていく中で、「新規」と呼ぶことの意味について考えさせられることもあると思う。元々は全く新しい領域をゼロベースで考えるというところから話が来ていたが、プロジェクトを進めていく中でスコープの中で会社の既存ビジネスとの整合性や自社の優位性などを考慮しだすと実は思ったほど新規ではなく既存の延長上のものになることも多いのではと感じることもある。もちろんこれは既存のビジネスを進めていく中で出てきたものではないので「新規」と言うこともいえなくはないのだろうが、果たし

          「新規」事業開発を考える

          二重の生を生きる

          自分はとても不思議な感覚で生きていると感じる。もちろんそれはコロナの影響下で暮らしているということが原因であるのだが、それはこれまで経験したどんな状況とも違っている。 一言で言うと、「日常/非日常の2面が同時的に発生している」ということだ。まるでシュレディンガーの猫のように。自分はコロナにかかっているかもしれないし、いないかもしれない、また自分が接する周りの人もコロナにかかっているかもしれないし、いないかもしれない。こんなに日常/非日常の距離が近づいている感覚はなかった。そ

          二重の生を生きる

          アフターコロナにおいてデザインリサーチが必要な理由

          「デザイン思考」や「サービスデザイン」を学ぶ、あるいは実践している者にとっては当たり前かもしれないが、デザインリサーチという手法がある。今回はそのデザインリサーチの意義を今の時代に当てはめて考えてみる。 デザインリサーチとは何かデザインリサーチとは新しいサービスやアイデアを考える時に行うリサーチ手法の一種で、生活者の行動観察やインタビュー等を通じて定量的には測れない生活者の行動の意味や価値観・課題などを明らかにする手法である。 デザインリサーチの説明は色々なところで書かれ

          アフターコロナにおいてデザインリサーチが必要な理由

          これからの戦略を考えるー戦略にこそ「戦略」が必要だ

          アフターコロナも踏まえ、新しく何かを起こす上で会社の事業戦略の中でどういう文脈で進めるべきか考えている時に、印象に残った本があったので紹介する。 1. 戦略にこそ「戦略」が必要だこの本では事業戦略を立案する上で、自社がいる環境を評価した上で適切な戦略アプローチを適用する必要を唱え、そのアプローチのパターンを5つ紹介している。 まず事業環境は以下の3つの特質により分けられるとしている。 1. 「予測可能性」(将来の変化を予測できるか?) 2. 「改変可能性」(自社単独で

          これからの戦略を考えるー戦略にこそ「戦略」が必要だ

          アフターコロナにおける「イノベーション」のコンテクスト

          「イノベーション」というコンテクストの中で新しいことを推進している者にとって、コロナ以降に「いかに新しいことを進めていくか」というテーマは大きな課題になっているのではないだろうか? コロナ以前であれば、「DX」「AI」「IoT」などといった既存ビジネスにはなかった新しい技術ドリブンの視点を導入することで「イノベーション」を推進していくというのは一般的な風景だったと考えている。 ただ、コロナにおいてそもそも自分たちの生活が立脚しているものが大きく変わってしまった現状では上記

          アフターコロナにおける「イノベーション」のコンテクスト

          DX時代のビジョンデザイン―デジタルビジョン策定の意義と考え方―

          1. なぜ「デジタル」ビジョンが必要なのか?これまで世間を賑わせていた「DX化」「デジタル化」は、アフターコロナが生み出したテレワークやオンライン化の流れの中で益々加速していく状況であろう。その中で各社がデジタル化対応が喫緊の課題になっている一方、実際に社内の動きを見ると、各事業部が違ったデジタルサービスを導入していて連携が難しくなっていたり、上層部の指示でデジタルの新規事業を試しに始めてみたもののどういう方向性で検討していいかわからないといったケースも存在する。 ここで問題

          DX時代のビジョンデザイン―デジタルビジョン策定の意義と考え方―

          アフターコロナとシナリオプランニング

          「主よ、変えられないものを受け入れる心の静けさと、変えられるものを変える勇気と、その両者を見分ける英知を与え給え」 〝ラインホルド・ニーバーの祈り〟 1. 初めにコロナウィルスの影響が日増しに増大している。感染者が増えていく中で他人と接触することのリスクが高まり、これまで当たり前に過ごしていた日常がいかに貴重なものだったかと思い返す。 一方で「テレワークの推進」「オンライン授業」などこれまで一部の環境でしか実現できなかった活動が一般化する契機になりつつある。 どちらとも誰も

          アフターコロナとシナリオプランニング