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アフターコロナにおける「イノベーション」のコンテクスト

「イノベーション」というコンテクストの中で新しいことを推進している者にとって、コロナ以降に「いかに新しいことを進めていくか」というテーマは大きな課題になっているのではないだろうか?

コロナ以前であれば、「DX」「AI」「IoT」などといった既存ビジネスにはなかった新しい技術ドリブンの視点を導入することで「イノベーション」を推進していくというのは一般的な風景だったと考えている。

ただ、コロナにおいてそもそも自分たちの生活が立脚しているものが大きく変わってしまった現状では上記のようなアプローチもそもそもの前提を変えざるを得ない。

例えばTwitterで下記の呟きがRTされているのを見て、友人たちと笑いながらも内容に共感してしまい、コロナの影響力を思い知らされた。

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このような状態で明らかになったのは、コロナの影響で生活者の変化が見えない中で新しい事を進めることには勇気がいるということだ。(というか、そもそも新しい事を進めることそのものが勇気がいることであるが。)今の状況で徒らに「AIを使って新規事業をやりましょう」とか「デジタル化を進めていきましょう」と叫んでみても「いや、そもそもコロナの影響で生活や働き方が変わるかもしれないのに何でそれをやるの?」といった話になるかもしれない。

ただ、そもそも新しいことをやるには納得するコンテクストが必要だったのだ。それがコロナ以前の状況ではテクノロジーの変化に呼応する形で新しいビジネスを作っていくというフォーマットがイノベーションのコンテクストであり、それはあたかも空気のように当たり前のものだったが、アフターコロナにおいてその効果を失いつつあるというのが現状だと認識している。

では今の時代のイノベーションのコンテクストはどのようなものになるか。大きなファクターになるのが、生活者の行動の変化であろう。外出を控えて自宅での消費を増やす。オフラインではなくオンラインのコミュニケーションを増やすなど。

コロナ以前ではそこまで生活者の行動は極端に変化しないという暗黙の前提があった。ただ、これからは大きく変化していく。そこの変化を読み取り、ニーズをビジネスに変えていくことがこの時代のイノベーションのあり方になっていくのではないか。もちろんテクノロジーの恩恵を受けながら。

そこで重要なのはやはりこれから起きるシナリオを想定し、生活者の行動の変化を予測しながらそれに対する打ち手を早期に実行していくことだろう。ここでシナリオプランニングの考え方早くに立つ。

振り返れば当たり前のことを言っているような気がしている。顧客視点だとか、ユーザーニーズがとか言う文脈に近い話だ。ただ、改めて新規にプロジェクトを立ち上げる際には、これまでの前提・価値観で進めるのではなく、まずはプロジェクトのスコープの中にコロナの影響で生活がどう変化したのか、していくのかを考える要素を入れないと、アフターコロナの時代においてはトンチンカンなものになるのではという危機意識が高い。

逆に言えばマクロでの大きな変化の中だからこそ、その変化を読み取る事で、新しいイノベーションがこれからどんどん生まれていくのではないかと多少の楽観さを持って仕事をしていきたい。

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