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WEB広告におけるクリエイティブ制作力を鍛える本12冊

「おすすめの本おしえてください」と聞かれる機会が増えてきたので、個人的に良かった本をまとめてみました。

前半で紹介する本は割とベタなものが多くなってしまいましたが、後半では僕なりのクリエイティブの思想のベースを出せたかなと思っています。

個人的な思考の整理程度ですので、気軽な読み物として扱って頂ければと。

それでは、ざっくり基礎(ベタ)→応用(個人的に好きな本)という順番で紹介していきます。

特に重要だと思っているポイントは太字にしておきました。

人を操る禁断の文章術

初学者に一番最初に読んでもらいたい本です。

コピーライティングの原点であり本質が下記の仕組みだと思っています。

読む→言葉に反応する→想像する(→行動を起こす)
本書で紹介していく具体的なテクニックを学ぶ前に、まずは基本となるこの仕組みをしっかりと覚えておいてください。文章はただ書くのではなく、読んだ相手の心を動かし、想像力をつかってもらうために書くのです。

人を操る禁断の文章術

ここで「読む」とは「日本語を読む」であり、日本語というのは「見た目×語呂×意味」と分解できます。

例えば「薄い」「うすい」「うすーい」は同じ意味でも、想像されるイメージが違いますよね?

このような日本語の性質を理解した上で「読者に何を想像させたいか?」という問いを起点に言葉を紡ぐ作業こそ、コピーライティングの第一歩だと思っています。

全米No.1のセールス・ライターが教える10倍売る人の文章術

まずチェックしてもらいたいのが「滑り台効果」です。

公園にある急な滑り台を思い描いてください。(中略)滑り出すと勢いがつくので、両サイドにつかまって止まろうとしますが、止まることができません。(中略)コピーの文章はこのように進行しなければなりません。

10倍売る人の文章術

※余談ですが、先日富士急ハイランドでFUJIYAMAに乗ったときに「滑り台」よりも「ジェットコースター」という喩えの方が読者の感情の起伏まで表現できているのでしっくり来るなと思いましたw

本書の後半にはコピーライティングのテクニックが44個もまとめられており、こういう網羅的な本は数冊デスクの脇に(オフィスのどこかにあればOK)置いておくといいかなと思います。

コピーライティング技術大全 百年売れ続ける言葉の法則

日本を代表するコピーライターの神田昌典さんのシリーズで、比較的新しく、網羅的かつ実用的な1冊です。

クリエイティブにおいて「外したら絶対に売れないが、当てたら大きく跳ねる」というレバレッジポイントが3つあると思っています。

その1つ目が「ベネフィット」を提示すること。
特徴との違い、メリットとの違い、特徴をベネフィットに変換する具体例といった部分まで丁寧に解説されています。

※クリエイティブの本ではないですが、神田昌典さんの『非常識な成功法則』『成功者の告白』は今まで読んだ本の中でもTOP5に入るレベルで良書だと思っているので是非!

「欲しい」の本質 人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方

クリエイティブのレバレッジポイント2つ目は「インサイト」です。

インサイトをちゃんと理解するならこの本!

・インサイトは「人を動かす隠れた心理」。人の隠れた欲求を充たすことでその人に変化を与える、無意識の領域にある心理を指す。
(中略)
・インサイトは、競合他社も知らない隠れた心理だから、競争優位を実現する『アイデアの素』になる。一方、ニーズは消費者自身が明確に認識できている欲求だから、それを捉えても競争優位を実現するアイデアは生まれない。

「欲しい」の本質

ここまではベタな本を続けてしまったのですが、ここから先は僕が特に紹介したかった本が並びます!

「心」がわかるとモノが売れる

「『欲しいの本質』読んだけど、正直よくわからなかった…」という人、結構いるのではないでしょうか?

そんな人にオススメしたいのがこの本です。

重要なのは自分自身のインサイトを導き出す力をつけることで、他者のインサイトを探し当てる力がつくということです。逆に言うと、自分のインサイトも分からないのに、他者のインサイトを理解するというのは到底無理な話だということです。

「心」がわかるとモノが売れる

USP 売上に直結させる絶対不変の法則

クリエイティブのレバレッジポイントの3つ目が「USP(Unique Selling Proposition)」です。

「USP」という言葉を使う人は多いですが、その定義や成り立ちを知らない人は多いのではないでしょうか?

本書の「USPの3つの定義」を引用しておきます。

①広告はすべて、消費者に対して提案をしなければならない。
単なる言葉や、単なる製品礼賛、ショーウィンドウ的広告ではなく、読むものにこう言わなくてはならない。「この製品を変えば、この便益が手に入ります」と。
②その提案は、競争相手が示せない、もしくは示さないものでなければならない。
それは独自でなければならない、すなわち、そのブランド独自のものであるか、その分野の広告でなされていない主張であること。
③その提案は、数百万の人々を動かせるほど強力でなければならない。
すなわち、製品に新規顧客を引き寄せられるものでなければならない

USP

欲しいほしいホシイ ヒトの本能から広告を読み解くと

人間の行動の上位目的はすべて「遺伝子を残す」という本能に繋がっているという認識のもとで、広告クリエイティブを作ることは重要です。

クリエイティブの中に人間の本能を意識した要素を仕込むだけで、中間数値(資料率、クリック率など)を操作することができます。
例)モテ、エロ、子供、金、etc

一見、枝葉のテクニックのようですが、僕は極めて本質的な部分だと思っています。

僕がこの本で主張していることは、理性だけでなく、本能や無意識の働きも見据えて広告表現を考えるべき、ということですが、理性に頼りすぎると、本能や無意識が生み出す素晴らしい直感力をわざわざ損なうことになりかねません。

欲しいほしいホシイ

「Why型思考」が仕事を変える 鋭いアウトプットを出せる人の「頭の使い方」

本書で紹介されている「Why型思考」と「What型思考」はクリエイティブ分析の際にベースとなる考え方です。

本書で言うWhy型思考を一言で言えば、「考えること」によって表面に見えない物事の本質に迫る思考のことを指し、What型思考とは、深く考えずに表面に見えている物事のみを捉えて思考停止している状態のことを指します。

「Why型思考」が仕事を変える

アナロジー思考 「構造」と「関係性」を見抜く

「クリエイティブを作るときに何を意識しているんですか?」と聞かれたら「掛け算で上位互換を作る(市場で売れてるものABを組み合わせて上位互換Cを作る)」と答えています。

その考え方のベースにあるのが「アナロジー思考」です。

新しいアイデアは「借りてきて組み合わせる」ことで生まれるというのが本書のベースにある。
では、どうやって既存のアイデアを「借りてくる」のか?そこで用いられるのがアナロジー思考である。

アナロジー思考

表現の技術 グッとくる映像にはルールがある

テレビCMを20年近く作り続けてきた電通の高崎卓馬さんの本です。

WEB広告をやっている僕たちからしたら、媒体や商材は全然違いますが、日本を代表する広告のプロから学べること多く、とても勉強になりました。

これからの広告は、広告だけの競争ではなくなる。ソーシャルという波がもってくるものの本質はそこにあると僕は思っています。「人に教えたくなる」「探してでも見たくなる」というものになるためには、映画やテレビやネットの動画や小説や、もっと言うと、リアルに存在する出来事に負けないものでなくてはいけない。つまりエンターテインメントコンテンツとしてあらゆるものと競争し、「人に教えたくなる」「探してでも見たくなる」ものになる必要がある。

表現の技術

コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと

僕のクリエイティブに対する思想に最も影響を与えた本のうちの1つで、正直あんまり人に教えたくない1冊ですw
※読んだら是非感想教えて下さい!

特に「情報量」という切り口でコンテンツを論じている第1章が印象に残っています。

アニメの情報量とは本当はいったい何なのでしょうか。コンピューターの画像データの大きさでもなくアニメの線の数でもない別の情報量の数え方というのがあるんじゃないか、あるとしたら、それは人間の脳が認識している情報量ということだろう。そんなことを考えたのです。つまり、情報量には二種類あるということです。
ぼくはこれを「主観的情報量」「客観的情報量」と名付けると、うまく説明できるんじゃないかと思っています。前者は人間の脳が認識している情報の量、後者はアニメの線の数からコンピューターの画素数まで、客観的基準で測れる情報の量ということになります。

コンテンツの秘密

観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか 

『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』の編集を担当した佐渡島庸平さんが「観察」について書いた本です。

僕はクリエイターを発掘し、育成する仕事をしていて、「いいクリエイターの条件は何ですか?」という質問をよく受ける。そのたびに「観察力だ」と答えている。人生は長い。インプットの質が良ければ、最終的にアウトプットの質も良くなる。インプットの質を高めるのが「観察力」だ。

観察力の鍛え方

特に印象深かったのは「感情」の観察について。

「感情」という概念は、「混合感情」と「情動」という概念に分けられる。(中略)
まず「情動」について見ていこう。(中略)情動は、本能に由来する心の動きだ。(中略)情動は、感じたときに身体が反応する。

観察力の鍛え方

個人的に、混合感情の理解はかなり難易度が高い一方で、情動については自分の身体反応に敏感になっていればわかります。
映画を見ている途中で鳥肌が立つみたいな感じです。

本書を読んで以降、クリエイティブの良し悪しを判断するセンサーとして「情動」を使うようになり、精度がかなり上がった気がします。

最後に

だいぶ長くなってしまいましたが、、、
最後までお読み頂きありがとうございました!

ちょっとした感想とか、皆さんのおすすめの本とか、リプでもRTでもDMでも何でも良いので教えてくれたら嬉しいです!

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