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個展『New Dawn Fades』3.22-4.2(2)

くどいのは承知ですが、、、
個展をやります。 もう2024年だというのに何をやっているのでしょうか。
10年ほど前に初めての個展を開催しました。
その時には2つのシリーズ「BLACK」「Subterranean」を軸に展示を構成しました。

†Under Pressure

「BLACK」は主題と手法の一致を試みた作品群です。モノクロームではなくカラーの“黒”。色を重ね、或は抜くことで“黒”をつくっております。 色に対する認識は器質、文化的背景に大きく影響されている。感覚器官はすなわち身体であり器質の個体差、それに及ぼす環境的要因についての考察を作品にしました。 生物は種によって異なる視覚を持っている。人についても差の大小はあれ個体差(色覚はもちろん身長、視力などの器質要因)があり人はそれぞれ異なる視界がある。 「知覚と世界」とは「身体論」でもあります。個体差を超えて得られる共感に言及すること目指して「先ず色を盛り」「それを無効にする」手法を用いています。これはカメラを用いて素材のインプットをするのが適していると考えます。

BLACK †rhinoceros


一方で「Subterranean」は、架空の地底世界の博物誌を目指して制作したシリーズですが、その当時とは異なり写真によるコンポジット(合成)をはじめとしたレタッチによる制作技法は2024年現在、最適な選択とは言えません。このシリーズの目的は「架空の地底世界の博物誌」であって、レタッチの技法の追求ではありませんし、さらに現在ではレタッチにはCGが欠かせません。クライアントワークでは2Dレタッチ、3Dレタッチは分業されることありますが、個人の制作ではそういうわけにもいきません。このシリーズを実現するには3DCGが最適解であることは明白でしたから、いくつかの3DCGアプリケーションの勉強を始めました。そう簡単に習得できるものではありませんから、このシリーズの新作はあと数年はかかるでしょう。何よりこのつくりかたは、とても時間がかかります。あと一作品あたり十数万円くらい赤字なので、そこそこ余裕がないとつくれません。

Subterranean†valley2

またもや「便宜上」と言ってしまいますが、写真というカテゴリに「※写真に見える画像を含む」と注釈をつけしまうことで、いわゆるフォトリアルと言われるGenerative AI、CGI など様々なインプットをカメラで撮影された画像と等価に扱う理由にしました。

Singularity †Space Oddity Generative AIを使ってみました

こういう極端で短絡的な理由付けは、異論反論を産みうっかりすれば炎上しかねない「失言」になりそうですが、幸い僕は炎上するほどの知名度も、話題性もありません。「あいつまたなんか言ってる」で済む程度の存在感しかないので、もうやりたい放題です。

こんなことばっかり言っていると、カメラが嫌いな人みたいに思われてしまいそうなので、声を大に(文字を太く)して言いますが、
カメラもレンズも照明も一脚も大好きです。
ただ作ろうとする作品にとって最適な方法を選ぶ、あるいは主題と技法はある程度整合性がないと制作を支えきれないとか、そういう様々な理由で素材のインプットの選択肢をカメラにこだわっていないだけなのです。

だって次の(というか今取り組んでいる)作品群は、カメラとレンズでやっていますから。

丹野 徹 個展『New Dawn Fedes』
会期:3月22日〜4月2日 11:00-19:00 ※土・日・祝日・最終日は17:00まで
場所:靖山画廊(東銀座)

作家在廊(予定)3月22日 ,23日 ,24日 他



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