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時間がない、人手が足りない場合の事業戦略計画作成法

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「事業戦略スキルアップのこつコース第3回」

■ポイントを押さえた作業を心がける


事業戦略計画を立てる際、1人ないし少数のメンバーで実施する必要があるが、事業コンセプトから策定するのは苦手だというケースや、あるいはメンバーはそろっているが事業戦略計画を策定する時間があまりないというケースがよくある。

しかし、現実的には、そういった厳しい人的・時間的制約条件の中で事業戦略計画を策定しなければならないことが現実だ。そのような場合、原則を守りつつも、その制約条件をうまく利用した方法を独自に工夫することをお薦めする。

■例えば計数計画に強い人、リーダーの場合

事業コンセプト企画が苦手でも計数計画に強い場合。まず、ごく大まかな事業コンセプト、事業戦略を書き出し、無理矢理にでもそれを計数計画に当てはめてみる。計数計画は得意なので、計数にブレークダウンする過程で、事業コンセプトの不十分さや事業戦略に抜け落ちている点がいやでも明確にな
る。計数に落とすことで、事業コンセプトや事業戦略の要件が明らかになり、その後の作業の範囲もわかりやすくなる。


■たとえば事業戦略計画の納期が短い場合

また、メンバーはそろっているが事業戦略計画の納期が短い場合。その場合は、事業の目標、ビジョン、基本的な事業のコンセプトの方向性や戦略をメンバー間で共有し、同時並行的に各フエーズの作業を進めることが効果的である。その際には、メンバーの中に、基本的方向性をキチンと認識できるようなリーダーシップをとれる人がいることが条件である。そのリーダーのもとに、各メンバーが他のメンバーと自発的に頻繁に情報を交換すること、多少の重複活動を互いに認識することなどが求められる。

■置かれた状況と事業の特性によって、3つのフェーズの要素をバランス良く実施する

検討する事業の特性によっては、それぞれ重点を置くべきフェーズが異なることもある。たとえば、これまで市場に存在しなかった新事業であれば、事業コンセプト企画フェーズに重点を置かなければならない。一方で、これまで他社が行ってきた事業に新規参入するのであれば、事業戦略企画フェーズや計数計画策定フェーズに注力しなければならない。

つまり大切なのは、置かれた状況と事業の特性によって、先に挙げた事業戦略計画の3つのフェーズの要素をバランス良く実施し、企画作業の生産性を上げることである。ここで挙げた手順がすべて一様に重要なのではない。

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