見出し画像

ボクたちはみんな大人に...

先日、『ボクたちはみんな大人になれなかった』を観ました。

90年代に詳しいわけでもなく、テレビ業界の雰囲気もよくわからない、小沢健二も大して聴いたことがないし、主人公と境遇や性格が似ているわけでもない.....にも関わらず、感情を大きく動かされた映画でした。

終始全開の「日本」らしさが眩しく、日本での「普通」の生活が恋しくなったのもありますが、時間は戻らないこと、そしてすべてが今につながっている、という至極当たり前のことが美しく描かれていたからなのでしょう。


ラクロスに全てを懸けると決めてから早2年が経ち、今ようやくスタートラインに立てた気がします。コロナウイルスの蔓延で挑戦の機会を奪われた2020年。多少落ち込みはしたものの、自分よりよっぽど現役の学生たちが可哀想だな、と当時思ったのを今でも鮮明に覚えています。自分はまたチャレンジできるけれども唯一無二の機会を奪われた人たちが気の毒でならない、となぜか人の心配ばかりしていました。それもあってか、今に至るまで過剰に境遇を恨んだり、絶望したりするようなこともなく、わりと淡々と平気なフリをして日々を過ごしてきたようにも思います。

ただ改めて振り返ると、苦しい2年間でした。カナダでのリーグが中止になり、お金はなくなる一方。色々と新しいことにも挑戦しましたが、どれも中途半端になっている気がします。何のために仕事を辞めて、快適な生活を捨てたのかよくわからなくなる時も多々ありました。ラクロスでも思うほどのプレーはできず、変に自分にプレッシャーをかけるばかり。なんだかダラっとした日々を送ってしまっていた感じも否めません。時間ばかりが過ぎ、年齢を重ねて「しまって」いる、という感覚も重くのしかかりました。この「ラクロス留学」の意味合いも、年齢を重ねるにつれて意味合いは変わって来ます。周りは仕事に慣れ始め、業務が充実し出す頃。結婚する人や子供を持つ人までいる中で、このままラクロス一本に注力し続ける生活でいいのか、そろそろ「大人」になる時なのではないか、と自問するときもありました。

しかし今、ようやく本格的な挑戦ができる環境に飛び込むことができました。たかだか2年ですが、長かった2年。本当にたくさんのことを、たくさんの可能性を、たくさんの「幸せ」を、犠牲にした上で今ここにいるのだと改めて感じています。カナダに来てからは、毎週、いや毎日上手くなっている感覚すら覚えていて、久しぶりにワクワクしています。もちろんスポーツの世界ですから、厳しい勝負が待ち受けていることは間違いなく、楽しみよりも不安が大きいというのが正直なところではありますが、。

26歳になっても相変わらず手探りな毎日を送っている自分が情けなくなる時もありますが、きっとこの感覚は30歳になっても、40歳になってもついてまわるものなのだと思います。最高の瞬間だった「あの時」も、この2年間の倦怠感と淡い期待に満ちた時間ももう二度と戻ってくることはありません。ただただそれらすべてが今の自分を創っていて、また最高の瞬間を追い求めて闘う日々を送るのでしょう。

「普通」にラクロスをして、「普通」にラクロスに夢中になれる環境を噛み締めながら、1日1日を大事にしていきたいと思います。


※これを読んで下さっている方の多くは、自分のことを気にかけてくださっている方々、応援してくださっている方々だと思います。いつもありがとうございます。皆さんの期待、超えてみせます。見ていてください。

この記事が参加している募集

#私の遠征話

2,581件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?