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業績UPに繋がる「見える化」とは?<IoT編>

 最近ではIoTというキーワードはよく耳にすることが多くなりました。2,3年前はよく中小製造業の経営者の方から「IoTって何?」「M2Mとの違いは?」「IoTって本当に効果でるの?」等といった相談が多かった事を記憶しています。当たり前の事ですが、IoTはあくまで手段の一つであって、IoTを導入してどう生かすか、がポイントだと思います。私自身も色々と相談から導入まで携わった案件が多いのですが、上手くいったケースもあれば失敗に終わったケースも目にしてきました。

 失敗で多いのは、「取ったデータをどう生かすかが分からない」「結局データを可視化して終わり」というケースです。アウトプットが上手く行かず業務量だけ増えた印象を持ちました。。
 一方で上手くいったな、というケースは従来(導入前)の課題が解決に向けて進んでいる事例です。
 この大きな違いは「導入前にゴールを決めておくこと」です。「もし、データの可視化が上手くいったら何に活用できるか」を明確にしておくことが出来た案件は上手くいっているケースが多いと思います。失敗に終わった事例を振り返ってみると、導入前の商談は「とにかく多くのデータを高速(1ms周期)にとってクラウドに上げたい」「活用方法はデータを取った後に考える」「トップの指示だからとにかく予算を使ってやってみる」等といった声が多かったように思えます。
 一方で上手くいっているケースは「スモールスタート」のコンセプトを持ち、先ずは課題解決を実現する為にはどのような信号とロジックが必要かを洗い出し、必要最低限のデバイスで構成したものを導入することから始めるケースが多かったと記憶しております。私が携わった案件で上手くいったケースの一つとして、インフラ設備の監視用途がありました。今では国内100ケ所以上で稼働しています。この事例では、監視点数としては非常に少なくて8点以内のものばかりですが、そこから稼働時間や稼働状況を管理して、課題であった予防保全を実現しております。導入コストも割と安価で、中小企業で導入できるレベルだったと思います。あまり難しく考えず、できることから始めるのが良いのではないでしょうかね。

 今市況は非常に厳しい状況に陥っていて、今後益々生産性を求める声が益々増えます。恐らくこれまでIoTを導入していない企業経営者の方も何とかしなければ、という思いで検討機会が増えるのではないでしょうか。

 前述では目的・ゴールを決めて導入すべき、と記述しましたが、現段階ではそれが分からないという方にアドバイスしたいと思います。先ず、「IoTを導入すべきか、すべきでないか」という点では「すべき」だと思います。それは気づきをもらえる機会だからです。これまで見えていなかったものを「見える化」することで気づきが生まれる可能性があります。そしてそれを実行するとき、効果が把握できます。測定できない事では継続的な取組みは難しいと思います。
 次に「まず何を目的として見える化(IoT化)」すべきか、という点ですが、先ずは「現状の設備にどの程度の改善余地」があるかを把握する事をお奨めします。もし、貴方が「見える化する目的は何ですか?」と質問されたら何と答えるでしょうか?
 私だったら「異常を把握するため」と答えます。良好な状態が続けば見える化する必要なく、設備に何かしらの異常があるから把握・改善する必要性があるのです。その為、先ずは日単位で設備がどのような状態で運用されているのかを把握することから始めるべきだと思っております。

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 これらの情報は設備の仕様にもよりますが、割と簡単に取れるケースが多いです。電気に詳しくなくても、装置についている信号表示灯の点灯情報を基にデータ化することもできます。様々なメーカさんが提案しているので関心がある方は調べてみてください(コメント下さればご紹介しますよ)。
参考までにイメージを入れておきます。

IoT機械設備

 最近だとArduinoやラズパイ等の安価なデバイスで自作される方もいらっしゃいますね。予算や社内リソースの状況をみて最適なものを選ぶと良いのではないでしょうか?
 今回は業績アップには欠かせない「見える化」について書かせて頂きました。それではまた❕

もし私の記事が貴方にとって有用なものでしたら、サポート頂けると大変うれしいです。よろしくお願いします。